■たった10年後のことです
皆さんは10年後にどういった家が当たり前になっているのか。
想像をしたことがありますか?
私が子供の頃に子供雑誌等で紹介された2020年の住宅の様子は、なんだか銀色のシェルターみたいな家で、道路も透明なトンネルになっていて、機械が全部家事をしれくれて、学校の授業は全てオンライン。
そんな未来を予想されていましたが、ほとんどがはずれですね^^;
コロナのある意味恩恵で、オンライン授業が行われたことくらいが正解なのかもしれません。
なので、10年後、2030年の住宅も想像できないと言われるかもしれません。
しかし、実はもう2030年には義務化され、それが当たり前になっていることがあります。
それがZEH(ネットゼロエネルギーハウス)です。
当社の住宅は、お客様から何も言われなければ、基本ZEHの住宅になりますが、現在の多くのハウスメーカーでは50%以下の採用率であることが多く、実は世間で言われている程に普及はしていません。
さて、このZEHではない住宅、2030年では当たり前な家ではなくなるって事実、そしてそのことがとても大きなリスクであることを今回はお話したいと思います。
■『既存不適合住宅』であることは将来に大きなデメリットを抱えることになります
皆さんは『既存不適合住宅』って言葉聞いたことありますか?
普段の会話にはほとんどない言葉なので、聞いたことが無い方が多いと思います。
この意味は読んで字のごとく、『建てた当時の法律では合法住宅だったが、今の法律に則ると違法にである』
そんな住宅のことを言います。
今で言うと、1981年前の耐震基準で建てられた家なんかがこれに該当します。
建てた当時は合法でしたが、今では耐震強度が基準値に足りないので、住み続けることには特に問題はありませんが、増築等をする場合は、今の法に基づいた建物にする必要があります。
ですので、中古住宅で売る際にも、買った人が何かをしたくてもお金が掛かるので、安くしないと買ってくれないって状況が起こっており、自分達の資産価値を相当下げてしまう要因になっています。
そもそも安く買えた方が嬉しい不動産屋さんも売るのに苦労するので、買取をしてくれないなんてことも実際に起こっています。
ここまで聞いて、別に自分には関係無いと思っている方もいると思いますが、その考えはちょっと問題かも・・・・
家を買ったら生涯そこに住む予定があるから、売ることなんて気にしないって方が多いと思いますが、本当に未来で売らないと言い切れますか?
例えば、とても良い条件で転職が出来ることになったが、他県の職場なので引っ越しを余儀なくされる。
家族が大病を患い、治療のために病院の近くに引っ越しをする。
親が寝たきりになったが、他県に住んでおり介護の為に引っ越しをしなくてはいけなくなった。
働き先が倒産してしまい、転職することは出来たが、給料が大きく下がってしまい、住宅ローンが払うことが出来なくなった。
こんな理由で家を手ばなすことなんてちょっと悲しいかもしれませんが、実際に起こってもおかしくないことです。
その他にもお子さんが全員巣立っていき、夫婦だけになったので、減築(家を小さくする工事)をして、住みやすい家にしようとする行為。
家族が予定よりも増えてしまい、増築して部屋を増やした場合。
これも既存不適合住宅では、そのままでは家の建築が出来ません。
今の法に則るように工事をしなくてはいけないのです。
このように既存不適格住宅であることは、はっきり言ってデメリット、それもかなりのデメリットであると言えるんです。
■遅くとも2030年には適合の義務化は国の指針で発表済み
そして国の指針として、遅くとも2030年には省エネ基準をZEHレベルにまで引き上げ、それを義務化していくと打ち出しています。
幸いZEHレベルの省エネ性能なので、本当のZEH(太陽光などを付けて家の消費エネルギーを実質0にすること)までは求めていないことが幸いでしょうか。
これなら、現状のほとんどの住宅メーカーならば、クリアーは簡単に出来ます。
ただ、あまり気にしていない工務店さんにはきついのかな・・・・?
本当はここまでやるなら太陽光発電で実際の消費エネルギーを0にしていきたいところですが、費用のこともありますし、豪雪地帯などつけても思ったよりも発電しないエリアもありますので、しょうがないことなのかなとも思っています。
■まとめ
今回は『既存不適合住宅』って名前を知ってもらいたくて記事を書いてみました。
私みたいな業界にいても、それほど聞く用語ではないので、聞きなれなかったかもしれませんが、今回のことで結構深刻な問題であると気が付いてもらえたかと思います。
今、多くのメーカーがこの問題に取り組み、一定の成果をあげていますが、この問題を一切考えないで造っている家もまだまだあります。
住宅は今が良ければ良い物ではなく、将来何十年と掛けて問題が無いことを当たり前に考えなくてはいけません。
それが50年後って言われたら、確かに分かりませんが、10年後、特に省エネルギー対策については指針がある以上そのくらいは考えて家造りをしていきたいですね^^
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