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設計士の良い家と、建てる人が思う良い家のギャップとは? #店長流

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【店長流】

設計士の良い家と、建てる人が思う良い家のギャップとは? #店長流
設計士の良い家と、建てる人が思う良い家のギャップとは? #店長流

設計士の良い家と、建てる人が思う良い家のギャップとは?

「設計士が“良い”と思って描く家」と「お客様が“住みたい”と思う家」。

この2つの間に、実は小さくない“ギャップ”があると、私は感じています。

もちろん、どちらが正しいとか間違っているという話ではありません。

でも、このギャップに気づかないまま家づくりを進めてしまうと、

「なんか違う…」という小さな違和感が、暮らしの中でじわじわ大きくなっていくことがあるのです。

設計士の視点:「機能美」と「空間構成」

設計士の多くは、建築的な美しさや機能性にこだわります。

  • 無駄のない動線
  • 構造的に美しいライン
  • 抜け感のある空間構成
  • 自然光の取り込み方
  • 建築的なプロポーションの整合性

これらは、間違いなく「良い設計」の要素です。

でも――住む人がその良さを理解できるとは限らない。

ましてや、住んで“心地いい”と感じられるかはまた別の話です。

住まい手の視点:「使いやすさ」と「安心感」

一方で、実際に家を建てる人(=住まい手)の関心はというと…

  • どこに洗濯物を干すか
  • キッチンの近くにパントリーがあるか
  • 玄関が狭くないか
  • 収納は足りるか
  • 家事がラクに回るか
  • 子どもを見守れる間取りか
  • 冬寒くないか

「暮らしのリアル」からくる要望が、何よりも優先される傾向があります。

それは当然のこと。

設計士が“意匠”を重視する一方で、住まい手は“生活”を重視しているんです。


実際に起きた“ギャップの実例”


実例1:吹き抜けと収納のすれ違い

あるご家族のケース。

設計士は「リビング階段+吹き抜け」を提案しました。

理由は、家の中心に光を落とし、上下階の一体感を生み出すため。

ところが、お客様の反応は微妙…。 「そのスペースに収納をつけたい」 「冷暖房が効きづらそうで不安」 「音が響くのが心配」といった声が上がりました。

最終的に、吹き抜けはなくし、2階に納戸と個室の収納を設けたことで、 「住んでから、やっぱりこっちでよかった」とご満足いただけました。

設計士が“開放感”を大切にした提案も、 住まい手の“使い勝手”という視点にすり合わせることで、暮らしやすさに変わるんですね。


実例2:玄関の“魅せる設計”と“暮らしの現実”

別のお客様では、設計士が玄関ホールを広くとり、 正面に坪庭を設けて「迎え入れる空間」を設計しました。

まるで旅館のような静けさのある玄関。確かに素敵です。

でも、住まい手はこう思っていました。

  • 靴が多いし、ベビーカーも置きたい
  • コートやランドセルも収納したい
  • 生活感が丸見えになるのが不安

結果、住んでから玄関に市販の棚や収納ボックスが並び、 せっかくの設計意図が“台無し”に見えることに。

この件を教訓に、私たちは今、玄関に土間収納やファミリークロークを設ける提案を標準化しています。

見た目の美しさと、生活のリアル――どちらも両立させるのがプロの仕事だと、改めて学ばせてもらった出来事です。


ギャップを埋める「対話」の力

このギャップを埋めるのに必要なのは、お客様との丁寧な“対話”です。

設計士の意図をきちんと伝える。 お客様の思いや暮らし方を、しっかり受け止める。

「なんでここに窓をつけたのか」 「なぜこの位置に収納があるのか」

説明すると「なるほど!」と納得されることも多いですし、逆に 「それなら、こうしてもらえますか?」という具体的な提案も返ってきます。

設計士とお客様が、“どちらかの正解”に引っ張られるのではなく、 お互いの感覚をすり合わせながら“その人にとっての正解”をつくっていく。

それが、理想の家づくりです。


明工建設の家づくりが大切にしていること

私たち明工建設では、「建てたあとに後悔しない家」を目指しています。

そのために、お客様との対話を重ねます。

「なぜそう思うのか」 「その暮らし方はどう変わっていくか」

ときには「それって、本当に必要ですか?」と問い直すこともあります。

一緒に悩んで、一緒に選んで、 お客様が“いい家だったな”とずっと思えるような家を、私たちは一緒につくっていきたいんです。

まとめ

設計士と住まい手、どちらの視点も大切です。

だからこそ、「すれ違い」が起きる前に、 “すり合わせ”を重ねる家づくりが、これからはもっと必要になってきます。

その“通訳役”になるのが、私たち工務店の役割かもしれません。


今回はここまで。

では、また!