
住宅ローンの期間を減らすだけが返済額を減らす方法じゃない!
マイホームを購入する際、多くの人が住宅ローンを利用します。一般的に、住宅ローンは早く完済することが理想とされますが、その理由は返済額を大きく減らすことが出来るからです。
3500万円を35年で借りた場合の返済総額が約4000万円だった場合、25年にすると総額が3800万円程度に抑えられますので、かなりお得になるといった考え方です。
この考えはかなり前からの常識として捉えられてきましたが、今ではその考えが覆ってきています。
実はローン期間を長く設定することで資産形成を有利に進める戦略もあります。
今回は、ローン期間を延ばし、毎月の返済額を抑え、その分を投資に回すことでトータル資産を増やす方法を話していこうと思います。
1. 住宅ローンの期間と毎月の返済額の関係
まずは前提となる金額を設定していきます。
住宅ローンは返済期間を延ばすことで、毎月の返済額を抑えることができます。
例として・・・・
たとえば、3,000万円を金利1.5%で借りる場合、返済期間による月々の返済額の違いは以下のようになります。
- 20年ローン: 約144,000円/月
- 30年ローン: 約103,500円/月
- 35年ローン: 約92,600円/月
このように、返済期間を延ばせば延ばすほど、毎月の負担が軽くなります。
とは言っても、先ほどいったように総額支払いは増えるので、手ばなしで喜んではいけないと言うのが、今までの発想でした。
2. 余裕資金を投資に回すメリット
今までは、期間を短くしてトータルを減らす方法くらいしかありませんでした。
しかし、これからはローンの返済期間を長くすることで生まれた余裕資金を、株式や投資信託、債券、不動産投資などに回すことで、より高いリターンを考える。
そんな方法も生まれてきました。
例えば、
- 20年ローンの場合 → 毎月の返済額が約144,000円で、余剰資金なし。
- 35年ローンの場合 → 毎月の返済額が約92,600円で、約51,400円の余裕資金ができる。
つまり、20年でローンを返す前提で毎月の支出を144,000円に設定した場合、35年ローンに切り替えると、毎月が92,600円なので、月に約51,400円のお金の余裕が出来ることになります。
この51400円を上手に利用していこうというのが、今のトレンドなお金の使い方です。
この51,400円を年利5%の運用に回した場合、35年間で約6,400万円以上の資産になる計算となります(複利運用を想定)
住宅ローン以上の資産運用が出来るので、この方がトータルで得をするって考え方です。
3. 住宅ローンの金利とインフレを味方につける
この考えの際に重要なのが、住宅ローンの金利設定です。
いくら運用益がでると言っても、変動金利などを利用して、金利も上昇してしまった場合、まったくもって意味がなくなってしまうことも考えられます。
今の住宅ローンの金利は比較的低く、特に固定金利で契約すれば、将来的なインフレの影響を抑えることができる。
こんな考えも重要となってきます。
例えば、今後インフレが進み、物価や給与が上昇した場合、固定金利で借りている住宅ローンの負担は相対的に軽くなります。
一方、投資した資産はインフレとともに成長する可能性があるため、より大きなリターンを得ることができます。
4. この戦略のリスクと対策
もちろん、この戦略にはリスクも伴います。
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投資のリスク
- 株式市場は変動があり、場合によっては元本割れのリスクもあるため、リスク分散が重要です。
- 長期的な視点で分散投資を行い、債券やREITなどリスクの異なる資産に分けるとよいでしょう
2.金利上昇リスク
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- 現在の低金利が将来的に上昇する可能性があるため、固定金利を選択することでリスクを軽減できます。
- 収入減少や家族構成の変化などに備え、一定の流動性資産(現金や債券など)を確保しておくことが大切です
5. まとめ
住宅ローンの返済期間を延ばし、毎月の返済額を抑え、その分を投資に回すことで、トータル資産を増やす戦略は合理的な選択肢の一つです。
特に、
- 低金利を活用し、長期固定ローンを選択する
- 余裕資金を長期的な視点で運用する
- インフレと給与上昇を味方につける
といった考え方を取り入れることで、より効率的に資産形成を進めることが可能です。
ただし、リスクも伴うため、ライフプランや市場環境を踏まえた慎重な判断が必要です。
このような考えの元、最近では35年以上の40年、50年といった期間のローンで借りる人も増えてきたと言います。
また、当然リスクを伴う考え方なので、全ての人におススメできることではなく、どちらかと言うと、資金に余裕がある人に向けての戦略と言えます。
とは言っても、ある程度の資産がある、もしくは今後築けると言った人でなければ、高額な住宅ローンはリスクでしかないので、おススメは出来ないことを考えれば、この戦略は多くの住宅取得者に当てはまると言えそうです。
この戦略を上手に活用し、より豊かな将来を築いていきましょう!
今回は、ここまで!
では、また!!!