
こんなに解体費って高くなったんだ・・・
先日お客様の家を建てるにあたり、建て替え工事だったのでまずは解体工事となり、その見積りを解体屋さんに出してもらうことに。
近年、解体工事の費用が大幅に上昇しているので、結構あがってしまうかな・・・?
なんて思っていましたが、出てきた金額は目が飛び出るような金額に!
こんな金額じゃ解体なんて無理だよ・・・
って話になり、工事の話も中断してしまいました^^;
と言うことで今回は私がこの業界に入った20年前と比べて、建物の解体にかかるコストはどのように変化したのか、またその背景にはどのような要因があるのかを詳しく解説します。
1. 20年前(2000年代初頭)の解体費用
2000年代初頭の解体工事費用は、一般的な木造住宅(30坪程度)で1坪あたり2〜3万円が相場でした。
当然建物の内容にもよるので、絶対にこの金額ってわけではありませんでしたが、大きなずれはありませんでした。
したがって、30坪くらいの家だと、総額で60万〜90万円程度が一般的でした。
しかし、鉄骨造やRC(鉄筋コンクリート)造の建物はもう少し高く、鉄骨造で1坪あたり3〜4万円、RC造で4〜6万円程度でした。
これでも現在と比べるとかなり安価だったといえます。
3. 現在の解体費用(2020年代)
2020年代に入り、同じ規模の木造住宅の解体費用は1坪あたり4〜6万円が相場となっています。
総額で同じ30坪だと、120万〜180万円と、20年前に比べて約2倍に上昇しています。
鉄骨造の解体費用は1坪あたり5〜7万円、RC造は6〜10万円となっており、
どの構造でも価格が上がっていることが分かります。
しかもこれは建物だけの金額です。
建物の中にある畳や家具などは別途料金になっており、その処分金額については、2倍どころか5倍以上となっています。
この費用も合わせると、20年前には100万円程度で全部出来た解体工事は、今では300万円~400万円掛かるようになってしまっています。
4. 解体工事費用が上昇している要因
解体工事の費用が上昇している理由として、以下のような要因が挙げられます。
4.1 人件費の高騰
建設業界全体で人手不足が深刻化しており、それに伴い解体工事の人件費も上昇しています。
特に熟練工の確保が難しくなっているため、賃金の上昇が避けられません。
解体業は中々の肉体作業なので、若い人材も中々定着せず、人手不足がマンネリ化している業界になってしまっていることも一つの原因です。
4.2 廃棄物処理費の増加
建物の解体で発生する廃材や廃棄物の処理費用も年々高騰しています。
特にアスベストや産業廃棄物に関する規制が厳しくなったことで、適正な処理を求められ、それに伴うコストが上昇しています。
昔はある程度の仕分けで良かったものも、今では本当に細かく分別をして廃棄をするので、その分別作業に多くの時間をお金が掛かることになってしまいました。
4.3 環境規制の強化
解体時に発生する粉じんや騒音、振動などに対する環境規制が強化され、適切な防止策を講じる必要があります。
防音シートや散水設備の設置など、追加のコストが発生するため、解体費用全体が押し上げられています。
4.4 資材価格の上昇
建物の解体には重機や工具が不可欠ですが、これらの機材の維持管理費や燃料費が上昇しているため、解体工事全体のコストにも影響を与えています。
特に燃料費の高騰は大きな痛手で、10万円以上のコストUPも当たり前になっています。
4.5 再資源化の推進
かつては解体した建物の廃材を埋め立て処分するケースが多かったのですが、現在ではリサイクルが強く求められています。
それは自然には良いことなので推奨すべきですが、木材やコンクリートの再利用を促進するための分別作業が増え、その分の手間や費用が発生しています。
5. 解体工事の費用を抑える方法
解体工事の費用が上昇しているとはいえ、いくつかの方法でコストを抑えることが可能です。
5.1 複数の業者に見積もりを依頼する
解体業者ごとに費用やサービス内容が異なるため、複数の業者から見積もりを取ることで、より適正な価格で工事を依頼することができます。
解体期間は短いけれど、高い業者さんや、その逆の業者さんなど、多くの業者さんがいます。
ただ安くても不法投棄などをされてしまっては困るので、値段だけが全てではないでしょうが、いくつかの業者に声を掛けてみるのも一つの手です。
5.2 補助金を活用する
自治体によっては、古い住宅の解体費用を一部補助する制度を設けている場合があります。
事前に自治体のホームページなどで確認しておくと良いでしょう。
特に耐震基準を満たしていない、昔の建物の場合かなりの補助金が出てくることもあります。
お住いの自治体に行けば、簡単に教えてくれるので、ぜひ活用してみてください。
補助金が多いところだと100万円ももらえるところもあるみたいです。
5.3 自分でできることは自分で行う
例えば、室内の家具や家電の撤去、外構部分の取り壊しなど、業者に頼まず自分でできる作業を行うことで費用を削減できます。
特に家具や家電は、業者が回収して廃棄する場合は、産業廃棄物となり高額な処理費が掛かりますが、これらを自分で処分場などにもっていくと、自治体にもよりますが、数百円程度での処分が出来ることもあります。
業者さんに頼むと数万円取られてもおかしくないので、こういった細かい積み重ねで、金額を大きく減らすこともできます。
6. まとめ
この20年間で解体工事の費用は大きく上昇しており、木造住宅の場合はほぼ2倍になっています。
その背景には、人件費の高騰、廃棄物処理費の増加、環境規制の強化などが関係しています。
しかし、業者選びや補助金の活用などの工夫によって、ある程度費用を抑えることも可能です。
今後も解体工事の価格は上昇する可能性があるため、計画的に工事を進めることが重要です。
当社でも数業者への見積り依頼をすることが出来ます。
解体工事を考えている人がいましたら、ぜひお声がけください^^
今回は、ここまで!
では、また!!!