今年も、もうあと1月とちょっと。
この時期になると、色々なところから話しがきます。
それが、各業界や団体の全国大会。
当社はいろはいえのグループに所属しているので、その全国大会にこの度呼ばれています。
この全国大会でやることは、来年の取り組みの紹介や、新商品の発表と合わせ、前年度の営業成績の表彰などが行われます。
その表彰に今年は私がノミネートされて表彰されることになったようです。
会の前ですが、多分言っても良いことだと思うので、発表しておきます。
これは私の実力と言うか、色々と助けてもらって実現したことですので、個人と言うかチームの実績だと思います。
しかし、何より多くのお客様が賛同してくれた結果ですので、それは正直にありがたいこととして受け止めたいです。
さて、そんな状況もあってか最近色々な人から、どうしたらそんなに成績を出せるの?って言われることが多くなりました。
特に最近は住宅不況と言われているのに、そんな環境で棟数が増えていることが本当に不思議だ、何か隠している技があったら教えてくれ。
なんて言われることが増えています。
隠さずに言って、特に隠している技はありません(本当に)
しかし、この考えはいつも頭に置いていると言ったはあり、多分それが功を奏しているのだと思います。
なので、今回はその考え方をここで紹介しようと思います。
今回は住宅のことではないのですが、仕事で営業職をしている人や、マーケッターと言われる方、また接客業をしている方なども聞いて損はない話だと思うので、興味があったら読んでみてください。
■本当は簡単、営業の仕事
まず、最初の大前提の話です。
営業職って本当はとっても簡単な仕事なんです。
住宅だけではなく、どんな商品にも言えることですが、あなたの目の前にいる人は、少なからずあなたの取り扱っている商品を欲しいと思っている人のはずです。
じゃないと、あなたの前に来る理由も意味もないですからね^^;
そして、あなたはその商品を売りたいと思っている。
実はここで、もう商売としては成立をしているんです^^
このように考えると、営業職って本当はとても簡単なことなんです。
欲しいと思っている人に、欲しいと思っている物を売る
営業職って単純にそれだけのことなんです^^
ね?
とって簡単でしょ?
それでお客様も自分も会社の人も世の中も、皆が幸せになれる。
それが営業職の良いところなんです。
■でも、100人そんな人がいても、100人が買うことはないですよね?
でも、100人そんな人がいても、100人は買うことはないですよね?
なんて言葉が聞こえてきそうです^^;
実際にはそうだと思います。
業界によって契約をしてもらえる率、いわゆる契約率って異なるとは思いますが、契約率が100%なんて商売はあまりないでしょう。
ラーメン屋さんだって、食べたくてお店に入っても、食べたい物がないからと言って出ていく人もいるくらいですから、100%は本当に難しいです。
私達の住宅業界では、昔から15%つまり100人いたら15人と契約出来たら1人前、20%を超えたら出来る人、30%を超えたらスーパー営業マン、この位の指標があります。
だから、営業って難しいと思ってしまうのですね^^;
どれだけ出来る人でも、100人来ても70人は別のところに行ってしまうのですから・・・
でも、私の実績だと、昨年度は契約率が70%程度となりました。
100人いたら70人が契約してくれる計算になります。
これくらい率が高いのは、自分でも人生で初めてでしたが、やはりこの位、契約をしてくれると、仕事がとても楽しく簡単になります。
さて、前置きはこの位にしておいて、ではなぜ70%って数字が出せるのかの話をしていきたいと思います。
■マーケットイン、プロダクトアウト
マーケッターと言われる仕事が表に出て久しいですが、その言った職業の方が良く使う専門用語に、『マーケットイン、プロダクトアウト』と言うものがあります。
これは商品を作って売る際の考え方で、どのような考え方で商品を売るのか、どのような考え方で商品を作るのかを考える手法です。
私は、毎回お客様とお話をすると、このことを考えるようにしています。
これをするだけで、同じ商品を売っていたとしても、結果的にまったく違う商品を売ることが出来るようになります。
なので、この手法を皆さんにお話ししたいと思います。
■マーケットインとは?
まずは、用語の意味が分からないと話が進まないので、マーケットインとプロダクトアウトの説明を簡単にしていきます。
まずはマーケットインからです。
マーケットインを簡単に示すとこんな感じ。
①から④の順に動いていくのですが、まず①はお客様がどんな商品が欲しいのか、それを調べそれを②として作る側が認識をし、Aと言う商品を作ります。
次に③としてそのAを販売し、④それを欲しいお客様が購入します。
このようにお客様の欲しい物を、作り手が作り、それを提供する考えが、マーケットインと言った考え方です。
この考えは、平成時代に多くの会社が取り入れ、その影響でマーケットを調査するマーケッターと言う職業が光を浴びた時代でした。
お客様が欲しい物を、作れる会社が作って売る。
この無駄のない考え方がマーケットインの考え方です。
今の時代、主流な考え方です。
しかし、デメリットとしては、お客様の欲しい物はどうしても『今』欲しい物に偏る傾向にあるので、将来的に不便になったり、もっと良い物でなくてはいけない可能性がある商品だったりします。
特に住宅は10年30年と先を見て考えなくてはいけない商品ですので、目先の売りやすさに走ってしまい、結果不幸な結果を生む。
そういったデメリットが存在します。
■プロダクトアウトとは?
次はプロダクトアウトです。
それも図にします。
プロダクトアウトの考え方は、いい意味でも悪い意味でも、昭和の日本企業の考え方と言われています。
作る側がAと言う商品がとても良いとして、それを開発します。
それを販売し、お客様が購入することになります。
こういった商品はこれまでも多くあり、お客様も気が付かなかったニーズを取り扱うことが出来るメリットもあります。
また、商品開発を作る側のスケジュールで作れるため、作る側としてやりやすいなどのメリットがあります。
しかし、作る側の作りたい物が、お客様の欲しい物と一致しない場合は大変です。
いくら作っても売れない商品ってことですから^^;
それを昔は超絶天才な人が、どういった障害があってでもお客様が欲しくなる物を作り、それを売りにすることが出来ました。
ですが、今の時代世に出ていない知識や商品って本当に限られていて、ほとんどの物が世に出回ってします。
この中から、売れるものを作るのは大変な作業だし、外れたら大変無駄な努力をしたことになります。
無限のお金があればいいですが、そういった会社はありませんよね^^;
■どちらの考えも大事
さて、私はマーケットインとプロダクトアウト、この2つの考えを交えて考えて提案するようにしています。
しかし、他の営業さんや会社さんは、今の主流がマーケットインなので、それに準じた提案だけをする人が多く見受けられます。
確かに平成時代には、このやり方で売れていた人が多くいました。
その方法が、お客様の話をしっかり聞いて、聞き手に徹底してなり、お客様のニーズを引き出す手法と言われるものです。
今でも、こういった手法を営業の是としている会社も多くあります。
この方法が売れていた理由は、昭和がプロダクトアウトが主流だったから、その反発でこちらの方が良いとなっている感があります。
ですが、マーケットインそれだけでは先ほど言ったように、今の目の前の問題解決しか出来ません。
寒いから暖かい家が欲しい、今シンプルデザインが流行っているからそれが欲しい、キッチンも魅せる化して、窓は大きく開放的に・・・・
そんな希望を叶えて作る。
そういった造りをすれば、問題にはなりませんがそれは誰でもどの会社でも出来るので、お客様から見たら何の差別化にもなりません。
だから、お客様はどこも同じだなーって思っているのです。
と言うことは、あなたの目の前のお客様はあなたの会社で買う理由が見つけられないのです。
ですが、お客様のニーズを把握することはとても大事なことですので、それはしなくてはいけないと思います。
次にプロダクトアウトですが、これも重要です。
お客様が欲しい物ではなく、自分達が良いと思うものを作る、そしてそれをお客様に必要だと訴える。
これを強烈に出来れば、他社との圧倒的な差別化になり、その商品が欲しかった場合、他には無いのであなたの会社から買うしかない。
そんな状況が作れます。
これはかなり大きいことです。
もしこれが抜群に出来れば、契約率100%も夢でないかもしれません。
しかし、これはマーケットインよりもかなり高いハードルがあります。
そもそも市場に出ていない、自社だけの物を作るのって今の時代ほぼ不可能だからです。
それこそ一部の天才が生み出せるだけになってしまいます。
例えば、スティーブジョブズが作ったアイフォンや、ユニクロが作ったエアリズムなんかがそれに当たると思います。
ですが、そんな商品を誰もが作れるか?と言ったら、まあ難しいですよね^^;
だから、誰でも出来るマーケットインがもてはやされいるのかもしれません。
■それらを融合した『マーケットインプロダクトアウト』
これは私が勝手に造った造語ですが、私は『マーケットインプロダクトアウト』と言った第3の考え方で、提案をするようにしています。
そのやり方とは、まずはマーケットインとしてお客様の要望を聞きます。
どういった家が欲しくて、どういった生活がしたくて、どういった未来が欲しくて、どういったことが嫌で・・・
などなど多くのことを聞く、マーケットインをします。
次にその聞いた内容や、年齢、収入、家族人数、その他の情報から導くことが出来る未来を想像します。
そしてその未来がどうしたら最高のものになるのかを考えます。
最後にその考えられた未来を実現するためには、どうしたらいいのかを考えます。
それはお客様がこうしたいからと言った未来ではなく、自分が導き出したお客様のための未来図です。
これは完全にプロダクトアウトの考え方ですね^^
このように、私が取り組んでいるのは『マーケットインプロダクトアウト』と言う考え方です。
その中でも一番重視しているのは、お客様の未来です。
それが最高になるような家づくりを提案しています。
■これは住宅の営業だけにとどまらない
そして、この考えは住宅の営業だけにとどまらないと思っています。
飲食店でも、服屋さんでも、化学工場でも、お客様がいる商売なら全てに当てはまることです。
なぜなら、お客様はいつもお金を使う時は、自分の未来を良くしたいからお金を使うからです。
こういった話をすると、『いや私は生きるためだけにお金を使っていて、普段はそんなこと考えたこともない』
なんて言われたりします。
特に食料品の購入や、大衆の飲食店を利用する際なんかはそう言われるようです。
でも、もしそうだったとしたらなんで毎日同じもの食べないんですか?
生きていくだけだったら、ペットのように毎日同じものを同じ量食べ続ければいいんです。
その方が健康にも良いし、フードロスも少なくなり、家計にも優しくなります。
でも、そんな人はいないとは言いませんが、かなり少ないですよね?
皆さんは、毎日違うものを食べているのではないでしょうか。
それはなぜか?
そして、それを考えたことがありますか?
それには色々な答えがあるかもしれませんが、その答えの根底は、自分や家族が食べたい物を食べて、美味しい物を食べて、幸せな顔をしている未来を想像して買い物をしていると言うことに辿り着きます。
わざわざ自分の嫌いな物をや、不味いものを食べた自分や家族の未来を想像して、買い物する人なんていないですからね^^;
そして、それは食べ物以外でも、皆同じなんです。買った先にある自分が欲しい未来が欲しくて買い物をするです。
だからより良い未来を提示してくれる会社、お店をとてもありがたいと思い、そこで買い物をしたいと思います。
これは何となく皆さん分かってくれますよね?
そしてその未来がより具体的で、より良い未来である会社は必然的に選ばれますし、そうでない会社はそういった会社と競合させて、少しでも条件の良いところで買い物をします。
これは商売と言うか、人としての本質だと自分は思っており、ここに真剣に取り組み、そしてたどり着いた提案が悪い物になるはずがない。
だから、年間で表彰をされているのだと私は思っています。
ちょっと上から目線だったかもしれませんが、これが私の思う『売れる営業』の考え方です。
皆さんも良かったら参考にしてください。
今回はここまで!
では、また!