様々な諸費用がかかります。
この諸費用は、
実は金融機関によって大きく異なっており、
選ぶ住宅ローンによっては、
数十万単位で差が出ることもあります。
つまり、住宅ローンを選ぶ際は、
金利だけではなく、
諸費用にいくらかかるのかを
しっかり比較することが大切なのです。
そこで今回は、
住宅ローンを組む際、
実際にどのような諸費用がかかるのかを
お伝えします。
◆住宅ローンの新規借り入れと
借り換える際の諸費用の違いは?
住宅ローンの借り換えを検討されている方は、
新規借り入れと借り換え時で諸費用に
どんな違いがあるのかを知っておきたいものです。
ちなみに、借り換えの場合の諸費用は、
住宅ローンを新規で組む場合とは若干異なり、
少し追加で費用がかかります。
具体的には、住宅ローンを借り換える場合、
現在契約している住宅ローンを
一度完済する必要があるため、
「全額繰り上げ返済手数料」が発生します。
三井住友銀行であれば、
返済の方法によって5,400円~21,600円、
りそな銀行であれば0円~32,400円、
イオン銀行であれば52,400円など、
金融機関によって手数料が異なり、
必ずしもネット銀行が
安い訳ではないという点には注意しましょう。
また、抵当権を現在契約している金融機関から、
借り換え先の金融機関に移す必要があるため、
「抵当権抹消費用」も必要です。
この費用は手続きに3,240円程度、
司法書士の報酬として10,000円程度が目安です。
合計で10,000円~15,000円程度と
考えておけば良いでしょう。
住宅ローンを借り換える際は、
「全額繰り上げ返済手数料」、
「抵当権抹消費用」も諸費用として
しっかり考慮しておきましょう。
◆住宅ローンの諸費用とは?
まずはじめに、
住宅ローンの諸費用には
どういったものが含まれるのかを
ご紹介していきます。
住宅ローンの諸費用は、大きく以下の7つです。
それぞれの項目について、
詳しく見ていきましょう。
①事務手数料(住宅ローン融資事務手数料)
住宅ローンを組む際に発生する手数料のことです。
定率型と定額型があります。
●定率型:「住宅ローンの借入金額×手数料率」にて算出
住宅ローンの借入金額によって金額が変わります。
手数料率は2%(税抜)に
設定している金融機関が多いです。
●定額型:住宅ローンの借入金額に関わらず一律
特に借入金額が多い場合は、
事務手数料が定額型の住宅ローンを
利用するのがおすすめです。
②保証料
万一、契約者が住宅ローンを返済できなくなった場合、
保証会社に住宅ローンの返済を
肩代わりしてもらうための費用です。
「一括払い方式」と「金利上乗せ方式」があります。
●一括払い方式(一括前払い方式・外枠方式)
住宅ローン借り入れ時に、
保証料を現金一括で支払う方法です。
金利上乗せ方式と比較し、保証料が少なくて済みます。
35年で住宅ローンを組んだ場合の保証料の目安は、
1,000万円あたり20万円前後です。
●金利上乗せ方式(分割払い方式・内枠方式)
保証料分を住宅ローン金利に上乗せする方法です。
目安として年0.2%金利上乗せになるケースが多いです。
また、数ある住宅ローンのなかには、
ネット銀行が提供するものを中心に、
保証料を無料としているものもあります。
一般的に保証料は高額になるケースが多く、
住宅ローンの諸費用の中でも、大部分を占めるため、
諸費用の節約を考える際は、
保証料無料の住宅ローンを選ぶのがおすすめです。
ただし、保証料が無料の場合、
事務手数料が高めに設定されている
(※定率型で設定されている)ケースが多いため、
諸費用全体を安く抑えたい場合は、
保証料と事務手数料を併せて
チェックしておきましょう。
③収入印紙代
住宅ローンの契約書(金銭消費賃貸借契約書)
貼付する収入印紙代です。
住宅ローンの借入金額によって印紙代は異なります。
100万円超~500万円以下 2,000円
500万円超~1,000万円以下 1万円
1,000万円超~5,000万円以下 2万円
5,000万円超~1億円以下 6万円
申し込みから契約まで、
全てネットで完結するネット銀行の
住宅ローンを利用すれば、
契約書へ印紙を貼付する必要がないため、
契約時に発生する収入印紙代は0円です。
少しでも住宅ローンの諸費用を節約したい場合、
ネット銀行が提供する
住宅ローンの利用を検討するのがおすすめです。
④登録免許税
抵当権を設定する際の
「抵当権設定登記」にかかる費用です。
住宅ローンを借り換える際や、
住宅ローン完済時には、
「抵当権抹消費用」が諸費用として発生します。
●抵当権設定登記費用
・登録免許税:住宅ローン借入金額×0.4%
・司法書士手数料(目安):3万円~10万円程度
●抵当権抹消費用
・登録免許税:不動産1個につき1,000円
・司法書士手数料(目安):1万円~2万円程度
※抵当権抹消手続きを司法書士に依頼した場合です。
(抵当権の抹消は、必要書類を揃えれば、
住宅ローン契約者自身で行うことも可能です。)
⑤団体信用生命保険料(団信保険料)
住宅ローン返済期間中、
契約者が死亡または高度障害になった場合、
以降の住宅ローン返済が不要になる
「団体信用生命保険(団信)」の保険料です。
ちなみに、団信への加入は
住宅ローンを組む際の必須条件となっています。
2019年1月現在、フラット35を含め、
ほぼ全ての住宅ローンが
住宅ローン金利に団信保険料を含めており、
死亡と高度障害時のみ保障が適用される
一般団信であれば「無料」としているケースが
ほとんどです。
ただし、「がん保障団信」や「8疾病保障団信」、
「11疾病保障団信」等、団信に特約を付帯する場合、
住宅ローン金利に年0.2~0.3%上乗せになるケースや、
別途保険料を支払う必要があるケースがある点には
注意が必要です。
⑥各種保険料(火災保険料など)
万一に備えて加入しておく火災保険や
地震保険などにかかる保険料です。
特に火災保険は、
住宅ローンを組む際に
金融機関から加入を求められるケースがほとんどです。
保険料は、都道府県や、
建物の構造(耐火構造/非耐火構造)、
建物の金額、補償内容等によって異なります。
⑦適合証明書発行手数料(※フラット35の場合)
フラット35を利用する場合、
建物が住宅金融支援機構の定める技術基準を
クリアしていることを示す証明書
「適合証明書」が必要となり、
この証明書の発行に手数料が発生します。
適合証明書発行手数料の目安は、
6万円~10万円程度です。
(※検査機関や適合証明技術者によって異なる)
また、適合証明書の発行(交付)に
1~2週間程度時間がかかる点にも注意しましょう。
◆まとめ
住宅ローンを組む際に発生する
諸費用についてお伝えしました。
一口に「諸費用」といっても、
そこには様々な費用・手数料が含まれており、
トータルで見ると、
決して無視できる金額ではありません。
また、同じ条件で住宅ローンを組む場合でも、
金融機関によって諸費用の金額に大きな差が出るため、
住宅ローンを選ぶ際は、金利だけではなく、
諸費用についても、しっかり比較することが大切です。
これから住宅ローンの借入・借り換えを
検討されている方は、住宅ローンの諸費用について
しっかりチェックした上で、
有利な条件で借り入れができる、
自分に合った住宅ローンを選びましょう。
それでは、また。