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オーガニックで豊かな暮らしの家づくりの基礎知識 断熱材

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オーガニックで豊かな暮らしの家づくりの基礎知識 断熱材
オーガニックで豊かな暮らしの家づくりの基礎知識 断熱材
掛川市宮脇の家です。エントランスのR壁がお客様を向かいいれてくれます。
断熱材は、北海道や東北のような寒冷地から、

必要性が認知され始めました。


1953年に定められた

「北海道防寒住宅建設促進法」(寒住法)に関連し、

寒さ対策を行った家に対しての

公庫融資支援から始めたとされています。


その後、

オイルショックなどの社会環境の影響を受け、

断熱材にさらなる厚みを持たせる必要性が発生したりと

「寒くない家」に対する認識が

さらに深まって行きました。


近年では、エコロジー・エコノミーの観点も加わり、

よりこの「断熱材」に対する関心が高まっています。


今回は、断熱材の種類と特徴をお伝えいたします。

◆グラスウール「繊維系」


極細のガラス繊維でできています。


安価な部類とされている上に、防音効果もあります。


そのことから、住宅だけでなく

映画館やコンサートホールなどにも

多くの利用例があります。


防音といえばグラスウールは代表的なものです。


また、そもそもの素材がガラス繊維ですから、

シロアリなどの虫害を受けることがありません。


また火災にも強いのがメリットです。


一般住宅でも、楽器の演奏や音楽鑑賞や

シアタールームが欲しい方からの

ご希望が多いのが、このグラスウールです。

◆セルローズファイバー「繊維系」


木質の繊維を利用して作られるのが、

このセルローズファイバーです。


綿や新聞紙、段ボールが原料となっています。


これらの原料に、

ホウ酸や硫酸アンモニウムを配合することで、

難燃性や防虫効果を持たせてあります。


コストとしては比較的高価な部類に入り、

施工に手間がかかるとされます。


エコロジーの観点から

注目するお施主さまが増えている断熱材です。


同じ繊維質とはいえ、

グラスウールと比較して

調湿性に優れているという見方もあり、

家の結露が気になる方には

検討して頂きたい断熱材のひとつです。

◆インシュレーションボード「繊維系」


解体された木造建築物の廃材や、

木材加工場から出る端材などを

廃木材チップに加工し、

ボード状に成形したものです。


貴重な木材を再利用する

エコロジーのニーズに応えると同時に、

木の持つ調湿性から人気の高い断熱材です。


壁の内部でおこる結露にも対応でき、

多孔質という特徴による消臭効果など、

自然の木の良さの持つ特徴を

余すところなく利活用できる断熱材として

重宝されています。


◆羊毛断熱材「繊維系」


文字通り、羊毛を使用した断熱材です。


羊毛の優れた保湿性能を活用した断熱材です。


また、臭いや化学物質の分解にも優れており、

自然素材の住宅に使われている事が多いです。


湿度を一定に保つ調湿性に優れていることから、

年間を通して結露が気になるお施主さまからの

関心が高まっている断熱材のひとつです。


また、繊維系断熱材を好むけれど

グラスウールは

チクチクとするのではないかという懸念や、

天然素材に対する信頼感、

既に洋服で体感している「熱伝導率の低さ」に関する

安心感から、近年注目されている断熱材です。

◆ロックウール「繊維系」


鉄炉スラグや玄武岩などを

高温で加工することで作る石綿の一種です。


アスベストの代替材料として広く使用されています。


耐火性・吸音性に優れる点は、

グラスウールに近い位置づけです。


ビニール袋に包まれた形状で出荷され、

家の外壁と内壁の間に詰め込むように使用します。
 

素材そのものが水分を抱えることがなく、

撥水性が高いことから、

形状の保持が容易であるとされています。


廃棄処理の際にも

特殊な処分手順が必要でないことも

一般化した背景です。

◆ポリエステル「繊維系」


ここ近年注目を集めている断熱材です。


アンダーウェア(ユニクロさんのヒートテック)や

洋服などで、活用されている

高性能ポリエステルを使用した断熱材です。


普段から身に着けている洋服と同じ素材なので、

安心・安全ということで

ここ数年は採用例が多くなっております。


また、ポリエステルが高性能化したことで、

特にアンダーウェアで注目を浴びてますが、

断熱材としても同じく、

壁内結露や家の中の湿度の調整など、

湿気対策は万全です。


特徴は、羊毛断熱材に似ておりますが、

羊毛断熱材より安く工事することが可能です。

◆硬質ウレタンフォーム「発砲プラスチック系」


建築現場で特殊な機械を使用し、

外壁と内壁の間にムラなく施工する技術が

発達してきたため、

特殊な形状の建物でも使用しやすい製品が

増えてきました。


プラスチック内部に

熱を伝えにくいガスを泡状に抱き込ませることで、

外気温の影響を室内に与えないという特徴があります。
 

比較的高価な部類にはいりますが、

透湿への抵抗力や耐久性に優れるとされているので、

長期的に見た時に安心な断熱材と言われています。


現場にて吹き付けるタイプと

ボード状になっている製品があり、

ボード状の製品は

比較的歴史のある断熱材です。

◆ビーズ法ポリスチレンフォーム「発砲プラスチック系」


「EPS」とも呼ばれ、

これも比較的歴史ある断熱材と言われます。
 

原材料となるビーズ状のポリスチレンを発泡させ、

金型で成形します。


素材の持つ特徴として、

水に強い・軽いという面を持ちます。


水を通しづらいことや

耐久性に優れているというメリットと、

施工が容易である事、

比較的安価な部類に位置する事で

利用範囲が広いとされています。


軽量であるため、

断熱材が自重でよれたり壁内部で落下したり

といったトラブルもないことから、

広く使用される断熱材のひとつです。

◆フェノールフォーム「発砲プラスチック系」


1940年代には寒冷地の欧州で

生産され始めた種類の断熱材です。
 

難燃性・防火性・耐薬品性などに優れ、

不燃・準不燃材料の認定を受けている

製品も多いのが一番の特徴です。


近年では壁に使用する釘やビスが

錆びないようpH値を調整した製品もあります。


カッターナイフなどで加工しやすい

というメリットがあります。


熱を加えると炭化する性質を持ち、

その炭化した面は炭化膜となることで

さらなる延焼を招くことがありません。

◆まとめ

近年注目されている断熱材には、

大きく分けて繊維系とプラスチック系の

2種類に大別されます。


それぞれに性能や価格面での

メリット・デメリットがありますが、

特に気を付けて頂きたいことが1点あります。


これはいずれの断熱材を使用する際にも

言えることですが、

「オーバースペックでないかどうか」です。


ご存知の通り、日本は狭いとはいえ、

やはり寒冷地とそうでない土地とがあります。


寒冷地では通常の断熱性能が、

寒冷地より温暖な、関東より南のエリアで

必要かどうかを考えておかなくてはなりません。


この関東より南のエリアは

「じめじめとした蒸し暑い期間を

 寒い地域より多く過ごさなくてはならない土地」

であることを考えましょう。


大手ハウスメーカーなどは、

日本全国統一で断熱材を展開しております。


そのため、断熱面にのみ注目し、

オーバースペック

(支払う費用に対して効果がそれほど必要ない)に

なりがちです。


断熱材は、その地域にたいして基準がありますので、

それをクリアして入れば断熱性能は充分です。


そして、さらなる付加価値として、

湿度を調節する機能をも持ち合わせるや

壁内結露対策が充分できている

断熱材を検討する必要があるかもしれません。


また、使用する建材(木の質など)との

組み合わせ方や、

その土地に合った断熱の方法も各種あります。


断熱材は、住まいの快適さに直結しますので、

断熱材の選択は、

必要以上に健闘したいポイントです。


断熱材の特徴を考えるときは、

「家の建て方で解消できる寒さ・暑さ」と

「本当に必要な断熱」を検討しましょう。


断熱は、暮らしの快適さ・エコとも直結する

「暮らし心地」を満たしてくれます。


そしてそれが、長期的に見た時に

愛着の持てる家となります。
 

近頃では家の中の温度差の激しい場所への移動で

倒れてしまうことを表す「ヒートショック現象」

という言葉も定着するほど、

温度と人との関係が重要視されています。
 

暖かく快適な家を実現するにも、

断熱材は大切はポイントです。
 

それでは!