こんにちは、御前崎市で注文住宅 比木の家のご紹介を致します。
最近では少なくなってしまいましたが、和室が多いつくりになっています。
なおかつ、クロスの壁に畳を敷いただけの和室ではなく、桧の壁板をふんだんに使いました、
桧の香りがするとても安らぐ最高のお住まいとなっています。
これが本当の有機的建築ですね。ということで本日は和室の効果と歴史についてお伝えします。
◆日本風土に合った日本建築
ヨーロッパでは、
築300年以上の家もそう珍しくはなく、
一般家庭が普通に生活をしていたりします。
しかし日本では、
築300年の古民家なら重要文化財に
指定されてもおかしくないでしょう。
なぜそんなに耐久年数が違うのかというと、
木造で四季もあり、
気候の影響を受けやすい日本の建築物は、
石やレンガで作られた西洋建築物と
同じようにはいかないのです。
しかしもちろん、
西洋と比べ耐久年数が短い日本の家が
悪いというわけではありません。
木と土でできた家は通気性が良く、
気温も湿度も高い日本の夏を
快適に過ごすには最適なのです。
また、家が倒壊した場合、
中にいる人の生存率を考えると
木造建築の方が優れています。
地震大国日本で木造建築が
選ばれ続けてきたのは、理由があるのです。
さて、高温多湿という日本の風土は、
部屋の構成にも影響しています。
日本の伝統的な和室には
どんな特徴があるのでしょう。
◆和室の特徴にこめられた意味
和室最大の特徴は、なんと言っても畳です。
芯部分は藁を圧縮したものが使われ、
表面にはイ草と呼ばれる植物を
編み込んでおります。
藁やイ草は
湿度の高い季節には水分を吸収し、
乾燥した季節は湿気を放出するため、
部屋の湿度を調節する働きがあります。
そして、
イ草の香りは日本人の好みに合っており、
癒し効果があるという報告もあるそうです。
日本建築の特徴として、
柱にも注目するべきです。
レンガなどでできた西洋建築
は壁から積み上げていく場合も多いが、
日本建築はまず柱を建ててから壁を作ります。
家を支えるのは壁ではなく柱なのです。
特に大切とされるのは、
建物の中央で家全体を支える大黒柱です。
一家の家長を「大黒柱」とも呼ぶのは、
日本だけかもしれませんね。
そのためか、日本人は柱を
ただの建材としては扱わなかったのです。
木目の美しい木材を選び、
装飾的な役割を持たせていることも多いです。
また、出入口の扉は押し開きタイプではなく、
横開きも日本建築の特徴です。
障子や襖などは紙で作られていて、
吸湿性の高さはもちろん、
軽量なので隣の部屋との
仕切りの取り外しが簡単です。
空間の広さを変えるのが容易なので、
そうした合理性も考えてつくられています。
◆和室のタイプとは
先ほどお伝えしたように
和室の特徴は寝室でも同じですが、
意匠が凝らされてきたのは客間になります。
客間は居間や寝室から遠く、
生活から切り離された位置に
設けられる場合が多いです。
茶室などは
小さな庵の中に作られるほどです。
それだけ特別な空間だったわけで、
さまざまな工夫が施されていました。
そこで次は客間に注目してみます。
一言で「和室」と言っても、
タイプによって「真」「行」「草」と
区別されています。
「真」の和室とは、室町時代に成立し、
武家に多用された「書院造」が基本です。
武家のイメージ通り、
厳格な決まりにのっとって建てられた、
格調高い和室です。
反対に「草」の和室には
遊び心が盛り込まれております。
床柱の意匠がユニークだったり、
天井に竹が使われていたりします。
そして、「行」は「真」と「草」の
中間と思えばよいでしょう。
「草」の和室は
お施主が各々自由な発想で意匠をこらすため、
定形はないのですが、
「真」の和室には決めごとがあります。
それでは「真」の和室の特徴についてお伝えします。
部屋に入ってまず目に入るのは
床の間になります。
壁面の中央あたりに左右を区切るように
床柱が立てられ、
片方上部には長押と呼ばれる化粧材が
渡されています。
その下の床は一段高くなっており、
花や掛け軸が飾られていることが多いです。
これが床の間になります。
他方は床脇と呼ばれ、
違い棚とよばれる段違いに
取り付けられた棚があり、
上下には天袋・地袋と呼ばれる
収納スペースが設けられています。
また、「真」の床柱は角柱が決まりです。
庭に面した壁には障子があり、
外の光が漏れてきます。
天井付近には彫刻を施された欄間が
据えられていることもあります。
「真」の和室は武家の客間に
使われることが多く、
施主の趣味が大いに反映される茶室は
「草」の和室にあたります。
茶道を大成した千利休は
侘びや寂びを大切にし、
茶花も決して華美ではなかったとされるが、
豊臣秀吉は黄金づくしの茶室を
作ったというようにと、
草の和室には、施主の嗜好や審美眼が
反映されるのです。
◆武士が「草の和室」である茶室を
活用した理由
さて、武家は書院造で建造されることが
多かったとされ、部屋もまた「真」の和室に
造るのがふさわしかったはずです。
しかし、「草」の和室である茶室を
よく利用したのも、武将でした。
茶の湯を大成した千利休本人は商人だったが、
彼を重用したのは織田信長ですし、
後に確執が生まれたとはいえ
豊臣秀吉にも仕えていました。
そして利休の茶会には、
徳川家康も訪れたといいます。
彼ら武将が茶室を多く利用したのは、
何も流行に乗ったためではありません。
茶室が隔離された場所にあり、
決して広くはないため主人と客人が
膝を突き合わせて対話をすることになります。
つまり、密談に最適だったのです。
戦国時代の武将にとって、
茶室は謀をめぐらすために
必要不可欠な場所だったのかもしれないですね。
現代では秘密の会議などは
めったにないでしょうが、
茶室には主と客が心を開いて
言葉を交わしやすい条件が
整っていると言えますね。
解放感のある洋室の客間も魅力的だが、
和室には親密さを育てる雰囲気があるのです。
◆和室のエッセンスを取り入れる
本格的な和室客間を設けるには
十分な敷地が必要になりましが、
広い家ではなくとも、
生活空間に和室の利点を取り入れることは
可能です。
家を新改築するなら、
庭に面した部屋の一つに、
障子を設置してみてはいかがでしょうか。
家の中を覗かれる心配はなく、
薄い紙を通した柔らかな光だけを
取り入れられます。
新改築の予定がないなら、
洋室を畳の部屋に変身させるのもいいでしょう。
近年畳の良さが見直され、
縁のない畳など、
現代風家屋にマッチしやすいデザインのものも
登場しています。
部屋に合う畳を選んで床に敷きつめれば、
湿気を調節してくれるうえ、
イ草の香りに癒されること間違いないです。
この湿気の多い時期に
家づくりを考えるなら、
和室のエッセンスを取り入てみては
いかがでしょうか。
それでは、また!!