
無垢材だから安心? その思い込み、ちょっと危ないかもしれません。
「やっぱり無垢材がいいよね。自然素材だし、体にも安心そう。」
住宅を検討されるお客様から、よくそんな声を耳にします。
確かに、無垢材にはたくさんの魅力があります。
でも──「無垢材だから安心」「集成材より優れている」という考え方は、少し注意が必要です。
今日はこのあたりの誤解を、住宅のプロの視点から丁寧に解説してみたいと思います。
無垢材と集成材、そもそも何が違う?
まずはざっくり、両者の違いをまとめてみましょう。
項目 | 無垢材 | 集成材 |
---|---|---|
素材 | 天然の木をそのままカット | 小さな木材を接着して1本に |
見た目・質感 | 自然な木目や香りが楽しめる | 見た目は均一。反りや割れに強い |
強度 | 天然ゆえにばらつきあり | 構造的に安定しやすい |
価格 | 高価になりやすい | コストパフォーマンスが良い |
「無垢材=安心」ではない理由
たしかに、無垢材は自然素材であり、調湿性や風合いに優れています。
しかし、それだけで「無垢材=安全・安心」と言い切るのは、ちょっと極端なんです。
たとえば…
- 割れ・反り・ねじれが出やすい → 施工後に変形してしまう可能性あり
- 乾燥が甘いとシロアリのリスクも → 含水率が高いと要注意
- 品質に個体差が大きい → 強度にバラつきがある
つまり、無垢材は「扱いが難しい材料」でもあるのです。
一方で集成材は、工場で管理された部材を組み合わせているため、
強度が安定し、耐久性にも優れ、構造材としては非常に信頼性が高いです。
また、無垢材の多くが国の認定を取っていませんが、集成材のほとんどは認定品です。
無垢だから安全と言うのは、国は何も認めていないのです。
実際のトラブル事例
あるお客様が「絶対に無垢材の柱で」と強く希望された現場で、
施工後2年ほどで柱に大きなヒビが入りました。
建物の強度に直結する問題ではなかったのですが、
「せっかく無垢材にしたのに…」と、お客様も落胆された様子。
無垢材が“悪い”のではなく、使う場所や乾燥状態、管理の仕方を間違えると、かえって不満につながってしまう。
これは、私たちとしても教訓になったケースです。
じゃあ結局、どっちが良いの?
無垢材にも、集成材にも、それぞれ得意な場所・使い方があります。
● 無垢材が適しているのは…
- 床材や天井など、視覚や肌に触れる場所
- 空間の「ぬくもり」を重視したいとき
● 集成材が適しているのは…
- 構造材(柱や梁)など、強度と安定性が求められる場所
- 変形・割れをできるだけ避けたいとき
大切なのは、「どっちが優れているか」ではなく、「どこでどう使うか」なんです。
新しい宗教、『無垢教』に加盟している会社には要注意!
『無垢が最高!』
『集成材なんてありえない!』
なんて言っている、新興宗教『無垢教』に加盟しているビルダーには要注意です。
実際にはそんな宗教ないですが、もう宗教かってくらい妄信しているビルダーがたまにあります。
そういった会社には要注意です。
基本的に今回お話しているように、無垢にも集成にもいいところがあり、それを適材適所で使うことが大事です。
それを最初から無視する行為を私は認めたくありません。
明工建設では「素材の使い分け」を大切にしています
明工建設では、家全体を無垢材にするような極端な提案はしていません。
むしろ、お客様の暮らしに合わせて最適な素材を選び、適材適所で使うことを大切にしています。
たとえば…
- 床材にはオークや杉の無垢材でぬくもりを
- 構造体には強度に優れた集成材を採用
- 見えない部分にはコストと耐久性を両立する構造用合板
こうした「バランス感覚」こそ、安心して住める家づくりのカギだと私たちは考えています。
まとめ
- 無垢材は自然素材として魅力があるが、扱いには注意が必要
- 集成材は強度と安定性が高く、構造材に最適
- 大切なのは「素材の特性を理解し、正しく使い分ける」こと
「無垢材=安心」「集成材=安っぽい」というイメージだけで選ぶのではなく、
自分たちの暮らしに合ったバランスのいい家づくりをしていきましょう。
そのためのご相談は、いつでも明工建設が承ります。
素材のこと、コストのこと、強度のこと──気になることは何でもご相談ください。
私たちと一緒に、“本当に安心できる家づくり”を始めませんか?
今回はここまで。
では、また!