
今の家づくりは「ちぐはぐ」だらけ?
ネット情報に惑わされないために大切なこと
最近、家づくりでよく感じるのが「ちぐはぐな家が増えたなぁ」ということ。
約20年この業界にいますが、時代ごとに家づくりの価値観が大きく変わってきました。
今回は、そんな家づくりの変化と、今の時代ならではの「ちぐはぐな家」が増えてしまう原因。
そして、後悔しない家を建てるために大切なことをお話しします。
20年でこんなに変わった!家づくりの価値観
私が業界に入った頃からの変化をざっくり振り返ると、こうなります。
- 20年前は「大見え合戦」
「大きければ良い」「ブランドが大事!」そんな時代。見栄を張るために家を建てる方も多かった印象です。
- 10年前は「好きなものづくり」
自分らしさ全開!服やアクセサリーのように家を楽しむ。「オンリーワン」「自分だけの家」なんて言葉が流行りましたね。
- そして今、「ちぐはぐな家づくり」
ネットの情報があふれる中で、部分的に良いものを取り入れすぎて、全体のバランスが崩れてしまうケースが増えているんです。
ネットの普及で生まれた「ちぐはぐな家」
今や、誰でも「YouTubeで勉強しました!」と言える時代。
性能、デザイン、工法、材料…。住宅に関する知識が簡単に手に入るようになりました。
もちろん、知ること自体は悪くありません。
ただし、部分的な知識だけで家を作ると、結果として全体のバランスが取れず「ちぐはぐな家」になってしまうんです。
私も、正直ここ数年ずっと悩んでいます…。
ラーメン店の店主も同じ悩みを抱えていた
先日、テレビで見たラーメン店の話が印象的でした。
その店は人気店で、取材やYouTube動画の撮影依頼がひっきりなし
でも、店主は「撮影はもうお断りしています」と言うんです。
理由は「間違った情報が広まるから」。
こだわり抜いたスープや麺を、素人の視点で表面的にまとめられてしまう。
「最高の素材を集めたからと言って、最高のラーメンにはならない。バランスが大事なんだ」と店主は語っていました。
これ、家づくりにもまったく同じことが言えます。
家づくりはラーメンよりも「ちぐはぐ」が深刻
ラーメンは一杯1,000円ほど。
でも家は何千万円もする買い物です
考えるべき要素も何十倍。
これまでは、プロがそのバランスをとっていました。
日々住宅と向き合い、知識と経験を積み重ねることで成り立っていたんです。
でも今は、数分の動画や記事で「わかったつもり」になってしまう。
結果として、ちぐはぐな家がどんどん増えているのが現状です。
ちぐはぐな家にしないために大切なこと
じゃあ、どうしたら良いのか?
答えはシンプルです。「やりたいことをまとめて、専門家に伝える」これだけです。
例えば、
「断熱性能は良くしたい!」
→ 「でもローンは抑えたい…」
この2つを時間差で言われると、ちぐはぐな家になりやすいんです
最初から両方の希望を伝えてもらえれば、バランスの取れた提案ができます。
「全体を見て判断する」これが私たち専門家の役割です。
実際にあったちぐはぐな家の事例
6〜7年前に担当したお客様の話です。
高性能な断熱材を使い、高断熱住宅を目指していました。
でも、打ち合わせの最後に「窓をデザイン重視のアルミサッシに変えたい」と要望が。
どうもyoutubeでそんな家を見たから、それが良いと思ってしまった見たいです。
アルミサッシはデザインは良いけど断熱性能が低い。
結果として結露が発生しやすくなりますので、私はそれはやめた方が良いと言ったんですが、どうしてもと言うことで採用に。
実際に建てた家は結果「年中結露だらけ」になってしまいました・・・・
後で「YouTubeでは結露しないと言っていた!」と言われ、こちらの施行不良にように言われましたが、検査も調査もしても不備はなく・・・
youtubeと現実は違います。
最終的には内窓を追加することになり、コストもデザインも勿体ない結果に…。
YouTubeは悪くないけれど、鵜呑みは危険
情報収集はとても大切です。
でも、その情報をどう判断し、組み合わせるかがもっと大切。
専門家は「性能」「価格」「施工性」すべてを考えながら提案します。
動画や記事はそのすべてを伝えきれないし、責任も取れません。
良い情報を正しく使えば、より良い家づくりができます。
でも、振り回されてしまうと、後悔する結果になりかねません。
まとめ:一緒に「ちぐはぐな家」から卒業しましょう!
家づくりは一生に一度の大イベント。
情報は武器になりますが、使い方を間違えると「ちぐはぐな家」になってしまいます。
まずは「やりたいこと」をきちんとまとめること。
その上で、プロとしっかり相談しながらバランスの取れた家づくりをしていきましょう。
私たちも、お客様の思いをカタチにするお手伝いを全力でさせていただきます!