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【店長流】

耐震性の高いだけの建物は人を殺す。そんな自覚を持って家づくりをしたい #店長流
耐震性の高いだけの建物は人を殺す。そんな自覚を持って家づくりをしたい  #店長流

前回は断熱性の事を書いていきました。
内容な知らない人からしたら衝撃的なものだったでしょう。
そして今回のお題は『耐震性』


これも、断熱性と同じで性能が良ければよい程良いように思えます。
しかし、これにも大きな落とし穴があります。
最悪の場合、大切な家族や人を殺すことになってしまうことも・・・・


今日は、そんな『耐震性』について話しをしていきます。




■耐震性とは?



まず耐震性とは?を簡単に話していきます。
耐震性とは、地震に対しての家の強さの指標です。
しっかりとした計算の上で出した数値で決まるのですが、それを言っても分かりづらいので、耐震等級と言った物が定められています。


耐震等級1は震度6~7の地震で倒壊しない強度をもつ家 ←今建てる家は最低この強度

耐震等級2は震度6~7の1.25倍の地震で倒壊しない強度を持つ家 ←震度6の1.25倍ってなに?は言わない約束

耐震等級3は震度6~7の1.5倍の地震で倒壊しない強度をもつ家 ←当然1.5倍も言わない約束


こういった家の強度を示す指標として耐震性言う言葉が使われます。
そして、多くのビルダーは耐震性の良い建物は『安全』言います。




■硬い=安全?




さて、今回も疑問に思って欲しいのですが、耐震等級を上げた家は、硬い家なんて言われることがありますが、(これからは等級が高い家=硬いと言います)
これってそのまま安全に繋がると思いますか?
確かに、震度7の地震が来たくらいで家が倒壊されても困るから、そういった家づくりをしておく方が良いくらいは分かります。
しかし、これも暗黙の了解的に、硬い=安全と思い込んではいけないのです。





■硬い=めっちゃ揺れる




その理由とは、硬い家は地震の時にめっちゃ揺れるからです。
硬い家は、地震の揺れをほぼ直接に家に伝えます。
だから、その大きな力で家を揺らしめっちゃ大きく揺れるんです。


その影響で、家の中の家具や物がぐちゃぐちゃに、また家電や冷蔵庫などが飛んできて、それに挟まり命を無くした人もいます。
このように、硬い=安全とは言えないのです。




■硬い=長持ちも嘘




また、同じくビルダーの言葉で硬い=長持ちと言う人もいます。
硬い家だと、震度7の地震が何回来ても耐えることが出来るから。
だから長持ちするんだよと・・・・


これって大嘘ですからね^^;
硬い家は、確かに地震に対して強いですが、その硬さ故、地震の力を結構ダイレクトに家に伝えます。
その力はたとえ震度4でも5でも大きく、何回も受けてしまえば、家はどんどん弱くなり、いつかは破城します。
それだけの目線で見るなら、硬くない建物の方が、揺れの力を吸収できるため、家へのダメージを抑えることが出来るといったメリットがあるくらいです。


ここ地震大国日本では、太古の昔から地震が繰り返されてきました。
その度に建物の地震に対する知識は上がっていき、実は鎌倉時代でもうすでにかなりの知識量となっていることが分かります。
その代表的な建物として有名なのが、奈良の東大寺にある、南大門。
この門は鎌倉時代に再建されましたが、それ以降何度も起きた大地震に耐え、今も現存しています。


この建物は今の建築家が見ても惚れ惚れするような構造であり、とてつもない強度を誇るのですが、一番すごいのは至る所に、地震の力を逃がすポイントを作っているところ。
だから、何百年経って何百回以上も地震を体験しても、現存しているのです。




■硬いよりも大事な柔らかさ




さて、先ほど話してしまいましたが、実は建物に大事なのは硬さよりも『柔らかさ』です。
それがしっかりとしていれば、南大門しかり、奈良の法隆寺しかり、大昔の建物でも経ち続けていることが出来る。
今の技術となればそれ以上なので、技術的にはもっともっと長持ちさせることができるでしょう。


でもここで困ったことが起こります。
国の指針で建物を硬くすると、柔らかさは無くなり、長持ちしない家になってしまいます。
これでは昔の人の努力を無駄にしてしまいます。


そこで、利用されるのが『制振装置 』と『免振装置』
これらは硬くなった建物にプラス設置することで、家に柔らかさをプラスすることが出来ます。


『制振』は硬い建物の中に、揺れの力を吸収する装置や構造を作り、地震の力の全てを家に伝えないようにします。
ですが、家が揺れることで初めて機能しその力を吸収するので、揺れの大きさ自体はそこまで大きく軽減は出来ません。
ただし、1階に設置することが多くそこで力の多くをいなすので、2階の揺れの軽減には多く貢献します。


装置としては車に使うようなダンパーから、柱の隙間に入れるゴム板まで様々あり、費用も比較的安価で出来、数万から数十万円程度で出きることから、一般住宅に採用されるケースが多いです。
当社の場合は全棟標準装備となっております。


次に『免振装置』です。
耐震や制振は地震の揺れを家に伝えるところは変わりません。
それを耐えるか、それをいなすかの問題でしたが、免振は揺れ自体を家に伝えなければいいじゃん?ってある意味子供が考えたのって言えるくらい単純な発想で出来た装置です。


免振装置は家の基礎の中やその下につくられるケースが多くなり、地震時に家と地面、もしくは家と基礎の接合をほぼ0とし、どれだけ地面や基礎が揺れても建物はほとんど揺れないを、実現した装置です。


とは言っても完全に遮断は出来ないので、多少は揺れるのですが、本当に気にならないレベルにまで揺れを吸収することがきます。
ゴムを用いた様式が多いのですが、他にもダンパーや金属のボール、中には空気の力で家を浮かせようと言った力業もありました。


費用的には制振装置よりも高く、中には住宅用でも1000万円を超える商品もあり、そこまで普及はしていません。
しかしその発想の良さから、人気がある装置でもあります。




■硬いから大丈夫!って言う人には要注意!




さて、ここまで読んでくれた人ならもうお判りでしょうが、家が硬いから大丈夫!って言う人がいたら気を付けて下さい。
そういった人は、知識が無くて言っているのか、騙そうと思っているのかの2択しかありません。
どちらにしてもそういった人とは関わらない方が良いし、住宅を売っている人だったら絶対に避けるべきです。


ワードとしてはこんなワードを言う人です。


『当社の建物は耐震等級3が標準なので、強くて安心ですよ^^』


こんなことを言ってくる人は要注意です!





■では、なぜ国は硬くしたいの?




さてこれで最後です。
今回言ってきたことが真実ならば、なぜ国はそれを推奨しているのでしょうか?
人命はどうでも良いと思っているのでしょうか?


答えはNo。


国は大事な人命を守るために、建て物を硬くするように勧めています。
理由は阪神大震災を思い出してください。
あの地震に全ての理由があります。


あの当時の建物の多くが耐震基準外になっており、多くの建物が地震で倒壊してしまいました。
その結果、道路や公共の場所にまで家や建物が倒れてきて、道路のほとんどが使えない。
そんな事態に陥ってしまったのです。


当時の日本はレスキューの技術も人員も世界トップクラスであったのにもかかわらず、道路や交通機関がふさがれてしまったため、救助に行くのに時間を掛けなくてはいけませんでした。
そこで助かったかもしれない命も少なくなかったと言います。


そういった事態を重く見た国は、特に木造の住宅を対象とし、その建物を倒壊させないことを義務とした新基準を地震から5年後の2000年に作ります。それが今の耐震等級がある制度です。
それまでも地震の度に制度が強固なものになっていきましたが、この時の上がり幅は国の本気を感じることが出来る内容と言われています。
その結果、東日本の大震災も、熊本の大震災でも、耐震等級3の建物は震度7の揺れでもほとんどが倒壊せずに済んでいます。
これは政府並びに各関係者達の大きなファインプレーだと言えるでしょう。


また狭い道路しかない土地や、そもそも道路に面していない土地の建築を許可しなくなったため、災害時にも多くの道路が使用できる状況となっています。


それから25年近く経ち、より研究が進み、当時には最高だった考えも今だと物足りなくなっている。
そういった流れの中で、また新しい指標が出るのか、はたまたこのレベルで行くのか。
そんな時期に来ているとだけお伝えしておきます。



■まとめ




さて、今回は耐震性についてお話をしていきました。
耐震性について、硬い建物の方が良いと思われていた方も多いでしょうが、実は人命を守る観点からすると、硬いと逆効果であることが分かっています。


しかし、もっと大きな視線で見ると建物は硬いに越したことが無いことが分かります。
そういったジレンマの中から生まれてきた、制振装置や免振装置。


耐震だけではなく、こういった物も取り入れて、より安全な未来を手に入れてくださいね^^


今回は、ここまで!


では、また!