■順番を間違っている人がほとんどです
1年くらい前に来場された方のお話。
その方は住宅建築を考え、約半年間も色々な会社に行って話を聞いて、でもなんだかしっくりこなくて、その理由が分からなくて、また色々な情報を探して・・・
そんなことを繰り返しているお客様とお話をさせて頂きました。
2時間以上のお話になりましたが、しっかりと話をしてくれたし聞いてくれたしで有意義な時間となりました。
そして、打合せの最後にこんなことを言われました。
『店長さんってなんで私の聞きたいことや、欲しいことが言わなくても分かるんですか?』
今回はこういう風になった話の流れから、今回のタイトルにもある『住宅建築はゴールから決める』のお話をしていきたいと思います。
■まず最初に聞かれたのが、性能や金額のこと
まず、そのお客様ここではAさんとしておきましょうか、と言うことでAさんとの会話の最初はよくある話からのスタートでした。
『明工さんの建物の性能はどういったものですか?あと標準仕様のグレードははどのくらいですか?』
こういった質問はよく受けますが、これって聞いて何の意味があるんでしょうか?
皆さんならどういった意味があると思いますか?
建物を買うんだから、性能やグレードが分からないと買えないでしょ!
なんて声が聞こえてきそうですが、そもそもそれが分かれば住宅って買いますか?
多分ですが、買いませんよね?
他にも似たような質問だと、断熱性能はとか?キッチンのグレードは?とか外壁の標準は?とか、耐震等級は?とかが多いでしょうか。
それらを全て集めて情報にしたとして、それらをAさんが全てを理解したとしても、きっと家は買いませんし買えません。
それがこの業界で横行している住宅営業の接客方法だから、売っている方も買う方も違和感がないのかもしれません。
しかし、こんな質問をしても、それに対して答えても意味がないことなのです。
なので、私はAさんにこう言いました。
『それに関しては、後でお伝えします。その前に私の質問にお答えいただけますか?』
■買いたい本質が分からなければ話も通らない
その際にした質問がこれです。
もう半年も前なので、正確な文章ではないですが、このような会話があったと言うことで書いていきます。
『AさんとAさんの家族ってどうして家が欲しくなったのですか?それはどうしようもないような緊急なことがあったからでしょうか?それとも何か理由があって家族が建てたいと思ったからでしょうか?』
このような質問をさせて頂きました。
そのAさんの回答はこうでした。
『緊急ではありません。子供がそろそろ小学生になるので子供部屋が欲しいと思ったこと、あと結婚をしたら家を建てるものだと思っていたので、それで動き出した次第です』
そしてその回答からもう少し掘り下げて聞いていきます・・・
『今の時代、結婚=住宅とはならないことも多いですが、Aさんはそれでも慣習的に家を持とうと思ったのですか?実際には家を持ちたい別の理由があるのではないでしょうか?』
その際のAさんの回答とその後の会話がこちら
Aさん:『そうなんです。実は今のアパートが本当に寒くて、それと梅雨時期はカビだらけになるんです。だからアパートから出ていきたいのですが、それだったら次はアパートじゃなく、一軒家も良いかなって思った次第です。』
店長『ならばマンション購入って方法もあったはずですが、なぜ一軒家だったのですか?他にも中古物件の購入もあったし、別に一軒屋にこだわる理由も無かったはずですよね?』
Aさん:『そうなんです。別に一軒家じゃなくても良かったので、マンションや中古物件も見に行ってきました。でもマンションはなんだか狭いのと共益費などが馬鹿馬鹿しくてなんだか嫌で、中古物件はやっぱり古さが気になってしまって・・・
だからどうせなら一軒家が良いということになりました』
店長:『なるほど、今のアパートが住みづらくて出ていきたいけれど、マンションや中古物件は嫌だったってことですね?そうなると、一軒家は、他が嫌でしょうがなくの選択肢なのですか?でもなんとなくですが、そうではないように思えますが・・・?』
Aさん:『一軒家は他が嫌での選択肢ではなかったです。むしろ一軒家が一番の希望だと思います。ですが、自分にはなんだかもったいないような気がして、それでマンションや中古を見ていたって感じです』
店長:『自分にはもったいない?それはお金の問題ですか?それとも自分にはこんな良い物勿体ないって気持ちですか?ちょっと話がずれますが、たぶんですがAさんって大手ハウスメーカーばかり見に行っていませんでしたか?』
Aさん:『なんで分かったんですか?近くの工務店なども気になったのですが、一生に一回の買い物と考えると、やはり大きな会社が安心できると思って、有名なところばかり見に行っていました。一件だけ工務店も行ってみたのですが、そこは家族経営みたいな会社で、人当たりは良い人達ばかりだったのですが、後継者さんもいないみたいで、将来が不安になってしまって、一度行っただけでそれからは行っていません。
それで、自分にはもったいないとかの話ですが、お金の問題です。どこで聞いても月々が10万円を軽く超えるので、私達には無理じゃないかと思っています。』
店長:『ありがとうございます。自分達には無理だと思ってもそれでも欲しい。だから私達のような大手ではない会社に来ていただいたんですね。大手でなければきっと自分達の予算に合う会社があるはずだと・・・。
と言うことはまず最初に話をしないといけないのは、性能やグレードの話ではなく、明工の建物がAさんの希望の予算内で建てられるか?ですよね?それが分からないと、またどうどう巡りになってしまいます。
まとめますが、こういった経緯であれば、まず最初は明工の建物がAさんの予算に合うかどうかの話をさせて頂くでよろしいでしょうか?』
Aさん『もちろんよろしくお願いします。他の会社さんは性能とか仕様を先に説明して、金額などは一番最後でって言われていたので、それが当たり前だと思っていました。私達も最初に金額の話を聞きたいので、ぜひお願いします。』
店長:『そういった話が大事な人もいるので、間違いではないでしょうが、Aさんにとっては金額が最優先ですよね。だからまずはその話をしていきます。
大手さんは住宅の金額が高い傾向にあるので、最初にそれを言っちゃうと皆さん引いてしまって、建物の話はほとんど聞いてくれなくなるんですよね。だから先に建物の話をして、Aさんに欲しい!と思わせて、それから金額の話を言う。
そうすれば、高くても『もう欲しい!』ってなってしまっているから、多少高くても『まあいっか』って言葉でごまかして契約させようとする。
商売だから売る側からしたら正しいやり方かもしれませんが、個人的にはちょっと嫌いです(笑)
と言うことで、まず最初は金額の話をさせて頂きますね・・・・』
このようなやり取りから始め、打ち合わせを行っていきました。
いきなりこんな話をするので、お客様によってはうざいな・・・って思われていると思います。
ですが、この話の通りお客様の本当に聞きたいことを理解し、それを話さないと意味がないと思います。
今回のAさんはお金の話、もっとまとめるとお金に困りたくないと言った気持ちを解決するための話から始めました。
では、なぜこのような話からスタートしていったと思いますか?
■住宅建築はゴールから決める!
なぜなら住宅購入者が欲しい物は、住宅ではないからです。
では何が欲しいのか?
それは、住宅を買った先にある未来が欲しいのです。
暖かいお家で冬でもほっこり出来る未来。
じめじめやカビに悩まない、健康的な未来。
お金に困らずにでも安心安全な未来。
こういった未来が欲しいのです。
その為に住宅を手に入れるのが一番だと思い、住宅を買いに来ている。
これが住宅購入者が欲しいものなんです。
だから、まず最初に行わなければいけないのが、ゴールを決めること。
自分はどういったことがしたくて、どういった未来が欲しくて、どういった生活がしたくて・・・・
それをしっかりと考えます。
それが決まったら、次にその未来を手に入れるためにはどうしたら良いのかを考える・・・・
そうやって行き着いた答えが、明工で家を建てるになったら、家を建てていけばいい。
そうなじゃくて、マンションを購入が一番な答えだったらマンションを買えばいい、中古住宅だったら中古住宅を買えばいい。
このような順番がきっちりとしていなかったため、Aさんはずっと悩んでしまっていたのです。
まずはその悩みを解決しなければいけない。
だからお金を解決する話から初めていったのです。
■欲しいものが分かるのには理由がある
そんな会話をしていくと、Aさんはどうも新築を建てていくとお金に困りそうな未来が見えてきました。
それでも当社ならある程度は金銭的に助けられると思いましたが、根本的に足りない状況でした。
それでも新築をどうしてもと言うなら、色々と考えてなんとかなるまでしてみますよとお伝えして、その日は解散となりました。
その時に言われたのが、冒頭のセリフです。
なぜAさんの聞きたいことや欲しい物が分かるのか?
それはマジックでもなく、心理誘導的なものでもなく、しっかりとした聞き取りをしていったからです。
聞き取りがしっかりと出来れば、おのずと欲しいものや聞きたいことは分かってきます。
それを私は話していくだけなのです。
このようにしっかりとした順番で行っていれば、Aさんのの気持ちは私にも分かるくらいにはっきりとしてくるのです^^
■結局は中古住宅の購入に落ち着いたみたい
解散後は連絡も無く、こちらも伝えることが無かったので連絡もしていませんでしたが、半年くらいたったある日に連絡があり、中古住宅の購入に落ち着いたとの連絡がありました。
たまたま希望のエリアに、築浅で良い物件があったとのことでした。
私はそれで良かったと思います^^
無理に新築を建てて、生活が苦しくなってしまうのもバカバカしいですし、良い中古住宅に巡り合えたのだったらそれが一番です。
明工で建ててくれたら・・・なんて気持ちが無かったと言えばウソになりますが、それが一番だと思える答えを見つけてくれたみたいです。
私と話をしていた時は、かなり中古住宅は嫌がっていたので、きっとしっかりと自分の未来を考えたうえでの選択だと思います。
そういった未来に満足が出来る選択を取れる人が、Aさんだけではなくもっと多くの人に広がればと思います。
今回は、ここまで!
では、また!
新プラン誕生です!
こちらもチェックをお願いします!