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住宅ローンの話

難しい住宅ローン案件を通した事例紹介3 #店長流
難しい住宅ローン案件を通した事例紹介3  #店長流

■まだまだありますがとりあえず第3弾です





好評を頂いている住宅ローン事例紹介。


一気に3回目まで書いてしまいましたので、公開いたします^^


今回の事例は『外国籍』の方の事例です。





■日本のローンは外国籍の方に厳しい






日本はよく海外の方から見ると、閉鎖的な国だと言われます。


その実例として、ローンがあげられるかと思います。



日本で海外の方がローンを借りようとする際、かなりの確率で門前払いを食らいます。


広告等では誰でもOK!みたいに書いてありますが、基本として日本国籍であることが求められているからです。


なので、海外の方の多くは自国で作ったカードなどを利用して、自国の金融機関からお金を借りるケースが多くなります。



しかし、幸いなことに住宅ローンについては門前払いとまではいきません。


日本での『永住権』がある方なら、他国籍でもOKであることが多いです。



ですが、借りられることと、貸すことは別問題。


他国籍の方が借りられる権利があったとしても、金融機関は貸さない権利を持っているからです。


まず、そういった厳しい条件下から多国籍の方はローンをスタートしなくていけないのです。






■年収はあるのにお金が借りられない、F様





今回のお客様の名前はF様。


日本で生まれ、そして長く住まれており、永住権もある外国籍の方です。


他の家族は今は国に戻っておりましたが、少し前にご結婚をされて、Fさんと奥様の二人暮らし。


国籍は違いますが、日本で奥様と一生暮らすことを決めたFさんは、日本で家を建てることに決めました。


しかし、どのハウスメーカーに行っても、話を聞いてくれないし、提案も出てこない。


そんな状況で、藁をもすがる形で、私のところに来てくれたのが出会いでした。






■借りられない理由がない?






色々と話を聞かせて頂くと、年収等の条件も良く、永住権もあるし、何の問題もないように思える方でした。


ですので、ローンの審査をしてみることをおススメして、とりあえず出してみようということに。


結果は意外にも不合格になってしまいました・・・



正直駄目になる理由が見つからないし、予算等もしっかりとして問題がない。


落ちる理由を探すことに苦労するような状況でしたので、どうしてだろう?よりも何か隠していることがあるのかな?って疑うレベルでの話でした。






■リーマンショックの後に問題が・・・・






そういったことがあったので、Fさんにもう一度詳細を聞いてみると、本当に思い当たる節はないとのこと。


では、最後は個人信用情報かな?と思いましたが、それも自分で気になって調べたところ無かったとの回答が・・・


じゃあ何が原因???となってしまい、どうしようか困ってしまいました。



そんな状況を審査をした銀行に伝えても、理由は教えてくれないので、他の金融機関の担当にこの話を聞いてみました。


すると、少し変わった話を聞くことが出来たのです。



ちなみに、このFさんと話をしていたのは2010年くらい。


もう15年近く前の話ですが、この数年前にリーマンショックと言う世界的な金融危機が起こり、ここ日本でも大きな問題となりました。


幸い日本では、壊滅的な問題にはなりませんでしたが、それでも多くの人が職を失ったり、倒産が相次ぐ事態になった大変な状態でした。


そこである大問題が発生していたのです。





■外国人労働者の大量解雇





当時日本の製造業は、言い方が悪いかもしれませんが正確に言うと、人件費が安く、日本の法律以上に働ける人材。


つまり外国人労働者を大量に雇っていましたし、年々加速度的に労働人口を増やしてきました。


ここ静岡でもその勢いは止まらずすごい勢いで増えていき、ある工場では、責任者以外全員が外国籍である。


そんな会社もあったくらいです。



こういった工場で作る製品の多くが、海外向けの商品だったことが大問題の引き金となります。


いくら日本は何とかなっていたとしても、壊滅的な状況にまでなった国もある海外では、物が一気に売れなくなります。


となると、日本でいくら作っても意味が無いので、工場の閉鎖や停止が相次ぎ、そして期間工や派遣社員だった外国人労働者が一斉に解雇されます。



それまでは景気良く工場が運転していたので、それなりに給料をもらっていた人も多く、その中の人の多くがマイホームを取得していました。


ですが、職が無いと給料がもらえず、住宅ローンが払えなくなってきます。


1,2か月程度ならまだ頑張れたのかもしれませんが、1年以上そういった状態が続きました。






■大量帰国へ






そのような状態になってしまったので、日本にある意味出稼ぎで来ていた外国人労働者の多くは、仕事を求めて大量に帰国や他の国に移住を始めます。


普通に考えれば生きていかなければいけないので、当たり前な行動だったと思います。


しかし、ここで問題になったのが、住宅ローン。



そう、外構人労働者で住宅ローンを使って家を取得した方全員とは言いませんが、その多くが住宅ローンを無視して帰国や移住をしてしまったのです。


金融機関からしてみると、取り立ても出来ないし、請求をしても海外の法律で守られるので、もう一度日本に来ない限り意味がありません。


一応抵当権があるのと、保証会社が間に入っているので、金融機関にとっては金銭的には大きな痛手にはならないかもしれませんが、それには時間も手間も掛かります。



特にある国籍の方々はローンを無視する傾向が強く、なんとある金融機関の情報では、8割の方がそうやってローンを無視して、海外に行って帰ってこない状況だったみたいです。


名誉の問題もあるのでどこの国とは言いませんが、ここで問題になったのが、F様はその国の方だったのです・・・・







■OO国籍の人は無条件でお断り





つまり、その時の状況は『OO国籍の人は無条件でお断り』状態だったのです。


F様の状況が良いとか、年収が良いとかそういったことは一切無視で、国籍で審査が落ちていたのです。



最初に審査に出した銀行はそのことは言いませんでしたが、後から聞いてみると実は・・・と言った感じで教えてくれました。


人種的な差別に当たるので、表に出すことは出来ないとのことでしたが、貸す側に貸す人を決める権利があるので、突っ込むことは出来ても、判定を変えることは難しいでしょう。


確かに、貸す側として大きな損害があるかもしれないとなったら、どこもそうなりますよね。



ならばと、そういったことは関係の無いフラット35で審査をすることにしました。


国が出資元であるフラット35ならば、条件さえあえばそういった差別はしないと思ったからです。


しかし、結果はNG。


なんで?と担当に聞いてみましたが、回答は他の金融機関と同じ。


無条件で駄目だとは言いませんでしたが、最近は外国籍の方が審査に通りづらくなっているとの回答でした。



これじゃもうダメか・・・と諦めようとしたときに、明るい情報が舞い込みます!!!





■連帯保証人がいたら通ったよ!





まだどうして駄目なんだろうと困っていた時に、相談していたS銀行さんの担当さんから、こんな話が舞い込んできました。



『同じ国の外国籍の方、ローン通ったよ!』



え!?どうやって!!!



『連帯保証人に、奥様のお父さんになってもらったら審査が通った!』



なるほど!!!



今回のFさんの場合、あまりにも条件が良すぎたため、Fさん一人の名義にこだわってしまった審査をしておりました。


また、奥様は日本の方でしたが、年収が0だったためローンには関係ないとしてしまっていたのです。



保証人に日本国籍でかつしっかりとした収入もあり、信用もあるお父さんになってもらう。


これならいけるかも!とFさんの奥様にこの事情を説明し、お父さんに合わせてもらうことになりました。






■お父さんがかっこいい!!!





数日後、お父さんにお会いさせて頂きました。


そのお父さんの開口一番がとてもカッコよかったのを覚えています。



『俺は、Fの日本での父だ!息子が困っているのに助けない道理はない!』



そういってくれて、今回の件を全面的に協力してくれることとなりました。


奥様のお父様は、この地域では知らない人がいないくらいの大企業に勤めており、信用度は抜群!


何なら、そこの会社であっせんできるローンもあるとのこと。


これこそ渡りに船。



早速、そのローンにFさんと、お父さんの名義で申し込んだ結果・・・・


たったの数日でOKの知らせが^^!




大喜びのFさんは、その日に契約の話をしてくれました^^






■情報を持っていることがとても大事になる





今回の件で感じたことは、『情報の大事さ』です。


今回Fさんが色々なハウスメーカーで、ある意味門前払いを食らっていたのは、この事実をハウスメーカーは知っていたからでしょう。


OO国籍の人はローンが通らない、だから関わるだけ時間の無駄。


でもそれを言ったら差別的なことになってしまうので、うやむやにしてなかったことにしよう。


そんな感じだったのだと思います。




私はそんなことを知らなかったので、Fさんが審査に通らない理由すら分かりませんでした。


当時はまだこの業界に入って、数年のペーペーでしたので、しょうがないとも言えますが、お客様からしたら、そんな私だってプロの一員です。


そういった情報はしっかりと仕入れておかなければいけない人間だったのに、それをしていませんでした。



でも、今回の場合はそのお陰もあって、お父様の力を借りれば何とか出来る案件もあることを学習することが出来ましたので、今はこういった案件があれば、そういった提案が出来るようになっています。



このように住宅ローンに限った話ではないですが、情報が多いか少ないかで、かなり条件が異なってしまうのがこの業界だと言えます。



大手だから安心とか、若い方が元気があってやってくれそう!とか、きっと幻想です^^;






■まとめ




今回で3回迎えたローンの実例発表。


多くの方はこういったことも無く、ローンが通りますが、そのせいで通らなかった人の肩身が狭い状況になっています。


ローンが通らないことは、確かに大変なことですが、それでもそこから挽回することは、意外と出来るものです^^


もし、ローンで困っている方がいましたら、ぜひ連絡下さい。



なんとかなる時は、何とかして見せます!



では、また!