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住宅ローンの話

難しい住宅ローン案件を通した事例紹介2    #店長流
難しい住宅ローン案件を通した事例紹介2    #店長流

■今回もかなり大変な事例でした




多くの住宅ローンに携わっている私ですが、ほとんどの方はあまり問題無く審査に通ります。


しかし、全体の約3割の方が審査に落ちてしまい、家が建てられないとがっかりしたけれど、私と出会えて何とかなった!


そういったケースが多々あります。



今回はそういった事例を紹介する回の第2回です。


前回は9/13に記事としてあげているので、良かったらそちらもご確認ください。


前回はかなりヘビーな内容でしたが、今回もまたかなりの重さです^^;


では、書いていきますね。





■親のローンの保証人となってしまっていたS様





今回のケースはS様と言って年齢は20代中盤で、結婚を機に家を建てたいと言ったお客様。


この方も私のケースでは多々ある、『他社でローンを審査して断られた人』になります。


こういったケースでは、断られた理由が分からないことが多いのですが、今回は私のところに来た時点で理由が分かっていた事例でした。



その借りれなかった理由が『親のローンの保証人』となってしまっていたことでした。


しかも、その中でも一番重い『連帯保証人』です。


一般的には、この状況で断られたらまず借りることは不可能に近いです。


その理由を簡単に説明します。






■連帯保証人になっていてローンが断られる理由






まず勘違いしてはいけないのが、連帯保証人になったからと言って、ローンが借りられないわけではないのです。


しかし、下記の理由があり、特に住宅ローンは借り入れが難しくなります。



1、連帯保証人はローンの総額をそのまま引き継ぐ。


連帯保証人とはローンをそのまま引き継ぐことが前提の契約となっています。


なので、今回の場合だと親がもし返せなくなってしまった場合、S様が全額引き継いで返すことになります。


だから、ローンを1円も借りていなくても、すでに親のローンと同じ額を借りていると言った扱いになってしまいます。


ローンを借りる際に、毎月と毎年の返済比率の割合でローンの上限額が決まりますが、この場合だと1円も借りていないのに、親のローンの額がこの上限の枠に貼ってしまうのです。


分かりにくいので数字にしてみますと・・・



Sさんの年収からすると、月に10万円は借りられる状況であった場合、通常1円も借りて無ければ、この10万円の中でなら借り入れをすることが出来ます。


ちなみに月10万円だと、今の金利だと35年で大体3500~3700万円程度借りられる計算です。


しかし、親のローンが毎月に8万円だった場合、Sさんは1円も借りていなくても、この8万円を借りているといった計算をされてしまいます。


するとSさんが借りられる上限が10万円なので、Sさんは住宅ローンを毎月2万円までなら借りることが出来る計算になってしまうのです^^;


これじゃあ土地すら買えません・・・・



2,親が返済を滞っていたりすると、Sさんにも影響する



もしSさんの親がローンをしっかりと払っていなかった場合、Sさんにもその影響が出ます。


最悪の場合、Sさんに支払いの義務が移行され、Sさんに督促状がくる状態にまでなります。


そうなると、金融的にはブラックなので、ローンを借りることが出来ません。




今回の場合、幸い親は払い続けていたので、2のケースではなかったですが、そうなると1のケースになってしまい、これもまた難しい案件となってしまいます・・・






■そもそもなぜ連帯保証人になっていたのか?





そういった状況を確認したあと、まずはなぜ連帯保証人になったのかの経緯からひも解いていきました。


Sさんの場合、親がマンションを購入したのですが、その際に親の収入では年収が足りず、その際に同居していたSさんがたまたま働いていたので、Sさんを一緒にローンに組み込むことで、マンションの購入をしていました。


ただ、Sさんはそのことはあまり理解していなく、ただ名前を貸してくれと言われたので、はいはいと記入をした程度の気持ちだったとのことでした。


こうなることは親もSさんも知っていたの?って聞いた見たのですが、親もこうなるとは聞いていなかったし、Sさんも当然知らなかったとのこと。


ある程度金融機関からこういった説明はあるはずですがと聞いたのですが、このマンションを売る会社の提携の金融機関を利用しており、金融機関からの説明はほとんどなかったとの事・・・・


これって違法契約じゃ・・・?とも思いましたが、違法と違法とするには、立証が必要で、まあ裁判だなんだと長く時間が掛かるので、あまり勧められるものではありません。



では、どうしていったらいいだろう・・・・






■親の年収は増えていない






一番の方法は、このローンからSさんが抜けてしまうことです。


しかし、その為にはこのローンを返すにあたって親に返済能力があることが大前提となります。


残念ながら、親の年収は借り入れ当初から増えてはおらず、どちらかと言うと減ってしまっている状況。


そして借り入れもまだ3年程度だったので、元本もそんなに減っておらず、借り換えも難しい状態・・・・


これは積みか・・・・?






■幸いに世帯の年収はかなりある





とあきらめる前に、もう一度家族のことをおさらいしました。


Sさんの親の世帯は幸いにも、かなりの稼ぎがあります。


同居しているのが、両親とその親、弟に妹と計5人家族。


その中で4人が働いているので、年収は軽く1500万円は超えていました。


実際にマンションの借り入れが毎月8万円程度だったので、家族収入からしたら何の問題にもならない金額でしたし、何ならお母さまの年収も高ったので、親夫婦だけでもお釣りがくるくらいの年収となっていたのです。



でも、残念だったのが、皆さん個人事業主やパート社員だったこと。


借り入れ先にこのことを打診してみたのですが、誰一人Sさんに代わって保証人になることが出来ませんでした。


まあ、実際には大丈夫だったとしても、Sさんを外す理由が金融機関にはないので、元々真剣にみていたかは疑問に残ります。



なので、この線も無くなってしまいます・・・・






■毎月おばあちゃんから8万円もらっているんだよね






そんなどうしようかと思っている時にSさんからこんなこと話がありました。



『毎月おばあちゃんから8万円もらっているんだよね~。これがローンに当てられたら楽になるのにね』



ん?おばあちゃんの年収は聞かなかったけれど、かなり稼いでいるのですか?と聞いたところ、年金をかなりの額もらっているとのこと。


自分一人だと使い切れないから、孫に配っているって話でした。


あ!とここでひらめきました。







■年金を年収として認めている銀行は多い






知らない人が多いのですが、実は銀行によっては年金って収入として認められるケースがあります。


むしろ、毎年しっかりと定額で入るので、下手な職業よりも安定していると言われることもあるくらいです。


ただ、とは言っても額はそこまで多くないし、また年金をもらう年齢だと借り入れ期間も短くなってしまうので、年金だけでローンを組むことがあまりないので、知られていない事実となります。



これは調べる価値があるとし、おばあちゃんの年金の額や年齢を聞いてみたところ、かなり良い条件になることが分かりました。


おばあちゃんは高校卒業からずっと公務員で働いており、年収もあったしなにより公務員独自の年金制度により、年金の額がかなり充実しています


さらに条件としてよかったのが、おばあちゃんの年齢。


まだまだおばあちゃんなんて言ったら失礼な66歳の方で、ローンの返済満期まであと20年もある方でした。



しかも、親のローンの返済はのこり18年。



これで行けるのでは???






■結果は通ったが・・・・





このまとめを受け、このローンの借り換えをすることにしました。


今は親とSさんのローンを、今度は親おばあちゃんのローンとして、他の銀行に借り換えを頼んだのです。


おばあちゃんに説明をして、親にも納得してもらい、状況も確認してからの審査だしで、ここも結構骨が折れたのですが・・・・



結果として合格でした^^



これで借り換えが出来れば、Sさんは保証人として抜けるので、新たに自分のローンが組める。


さあこれで一段落・・・・と思ったのですが・・・・






■借り換えは出来ません!






これは私の詰めの甘さから出てしまったことなのですが、親が借り換えをするとローン会社に伝えてしまったのです^^;


こうなると、借り換えられるローン会社は、金利と言う利益が無くなるので、基本は借り換えをさせない方向に動きます。


特に今回の場合は、悪徳とまでは言いませんが、Sさんのことに説明もなかった金融機関です。


きっと黙ってはいないと思っていましたが、案の定です^^;



一般的にこういった際には、借り換えを進めて、お金が入手出来たら一気に繰り上げ返済をしてしまうのが得策と言われています。


繰り上げ返済ならば、認められていますし、今回のような妨害にも合わずに済みます。


それをしっかりと伝えずべきでしたが、他の業務がその時に多忙だったので、詰めが甘くなってしまっていたのです。






■借り換えが出来ないように上手く仕組まれていた





さらには、このローンですが、上手に色々なことが仕組まれていたローンでもありました。


まず、マンションを売った不動産会社と金融機関が同じグループ会社であって、情報がある程度筒抜けでした。


なので、この件を聞きつけ話をしてきたのは、不動産会社の営業マン。


その営業マンがこういった事実で契約をしたと言ってきたのです。



1,マンションの契約の条項として、グループの金融機関を使うこと。


2、その際には、購入から10年間は繰り上げ返済等してもローンを継続すること。


3,金融機関の借り換えなどをしないこと。


4、上記を承諾することを条件でOOO万円の値引きをすること



このようなことが記載がありました。



実際にこのことを盛り込んだとしても、繰り上げ返済などは法的な拘束の方が強いので破棄できるのですが、これ条件を飲む特典として、マンションの値引きがされており、それを親は受け取ってしまっていると言う事実が出来上がってしまっています。


なので、このことを守らないのであれば、マンションの値引きを破棄することとして、増額の請求をすると言われたのです。


これは本当に困りました。





■たまたま出てきた議事録に・・・・





そんなこんなでどうしよう、諦めよう・・・ってなっていた時、たまたま不動産会社の契約書のファイルから、ある議事録が出てきて、それが事態を好転するきっかけとなりました。


その議事録は親と不動産会社とのもので、こんなことが書いてありました。



1、紹介値引きとしてOOO万円をします。



2、金融機関はどこでも自由ですが、当社の提携の金融機関があるのでそちらを紹介します



3、他の金融機関と提携の金融機関の支払いシミュレーション(簡易)



もっといっぱいのことが書かれていましたが、以上のことが書かれている紙が出てきました。



契約の内容と明らかに違うことが書いてあり、どういうことですか?と言った話になります。





■このマンションは友人から紹介を受けて買ったんだ





実際にこのマンションを購入した際には、同じマンションを先に買った友人から、紹介キャンペーンの形で紹介をされています。


その紹介の紙を不動産営業に渡しており、紹介として認められている事実があります。


今回のその紹介の値引きと、契約書に載っている値引きが同じ金額だったことから、違う値引きではなく同一なものとして考えることが出来ます。


また、違うものだとしたら紹介キャンペーンの金額はどこかにいってしまっているので、その金額を追加で値引いてもらう権利も発生してもおかしくない状況です。



また、金融機関も、最初Sさんの親は自分の知り合いに金融機関で勤めている人がいるので、そちらで頼みたいと言っており、それはOKですと言われていました。


しかし、提携のローン会社の方が金利面など優遇があったので、そちらに決めたと言った経緯があります。


これも、契約からしてみたらおかしいことになります。



こういった事実をまとめ、一回私が直にその不動産担当に会ってみることにしました。





■余計なことしやかって!・・・・




Sさんの親と私とで不動産会社に行き、この件をまとめた資料を提出します。


営業さんはこんな資料は存在しない、でっちあげだと言ってきたのですが、当時の担当のサインがある議事録でしたので、でっちあげと言うにはちょっと苦しいです。


最終的にはその担当の上司まで出てきて、あーだこーだとなりましたが、最終的に言われたのが・・・・



『私たちは提携会社ではないので、この件については何も言えません。提携会社と直接話をしてもらえませんか?』


とのこと。



いや、提携会社と話をしていたのに、しゃしゃり出てきたのは、お宅でしょ???


なんて思いましたが、まぁこれで勝ったなって思ったので・・・



『では、お宅はもう関係ないと言うことで大丈夫ですね?』



と言うと、『そう言っていますので、お引き取り願いますか? 』との回答



ではと、その日に話をしていた議事録にまとめをして、サインを求めましたがしては頂けないとのこと。



まあ、こういったケースなので・・・・



『ボイスレコーダーに録音をしておりましたので、大丈夫です。OOさんとOO部長、ありがとうございました』



と言って、Sさんの親と共に不動産会社を出ました。



玄関付近で、私たちにも聞こえるような声で聞こえたセリフが・・・・



『余計なことしやがって!』



絵に描いたようなテンプレートをしてくれる会社だなーって思いました^^;





■1週間後・・・・・




それから1週間後、そろそろ連絡が回っただろうなって頃に、私の方から提携会社に確認の電話をいれました。


その回答は・・・・



『借り換えについては当社は認めていません。今回のケースは色々な優遇があるため、他のプランでは適応できないからです。


しかし、早期繰り上げや一括返済については、しっかりと手続きをして頂けたら何の問題ありません』



との回答でした。



提携会社としては、あくまでも借り換えはその提携会社内での話をして聞いたことにし、他社との借り換えの話ではないとしてきたようです。


まあ、結果的には借り換えが可能になったと言うことです。





■その後は、通常の流れで・・・・




その後は一般的な借り換えの流れに沿っていきました。


新しい銀行で親とおばあちゃんで借りてもらい、その金額で一括返済をする。


ローンは無くなっても、そのマンションの所有権をSさんは持った状態なので、それを贈与と言った形でおばあちゃんに渡し、その贈与税が掛かりましたが、幸いそこまで大きな金額ではなかったので、現金で支払い、抵当権を削除し、他にも色々とありましたが、結論借り換えに成功。


たまたま金利が安くなっていた時期だったので、むしろ支払いが減ると言ったメリットつきでした^^



それからはSさまのローンの手続きをして、無事ローンが下りて、そして家の契約と・・・・


こういった流れで、Sさまの家を建てることに成功しました^^





■さらっと書いているけれど、この期間6か月かかっています^^;





さて、このように何とか上手くいったSさんですが、ここまでで実は6か月、つまり半年掛けて色々を行っています。


一般的な方はこんなに長く続くと、もう嫌になってしまい途中でやめてしまったり諦めてしまうものですが、Sさん達は何とか頑張ってやってくれました^^


正直成功するかどうかが確定していないことなので、結構しんどい作業のはずです。



この作業を一般的な弁護士やFPの先生は、お金をもらってやっています。


しかし、私は法的な資格は持っていないのでお金をもらうことは出来ません。


住宅ローンアドバイザーにはそんな権限がないからです・・・




この話は今の会社ではなく、以前に勤めていた会社での話なのですが、当時の上司からは『そんなに面倒なことやるくらいだったら、他の仕事したら?』なんて言われていました^^;


ただ、その頃の私は全国営業コンクール(つまり契約数ランキング)で全国O位とか、OO位くらいの実績があったので(あ!これ私の数少ない自慢ポイントです!)強くは言われていませんでしたが・・・・(笑)




今回のケースは結構ヘビーでしたが、他にも他のローンがあって難しいとかって人は多くいます。


そういった方々のお手伝いも多くの成功例がありますので、良かったらぜひ頼ってみてください^^



今回は以上です。

では、また