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原油、くすぶる先高観 輸送網や需給、市場見極め:日本経済新聞

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原油、くすぶる先高観 輸送網や需給、市場見極め:日本経済新聞
原油、くすぶる先高観  輸送網や需給、市場見極め:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO80042960W4A410C2EA2000/

 

原油市場に先高観がくすぶっている。イランによるイスラエル攻撃の被害が小さかったことで15日の市場の反応は限られたが、イスラエルの今後の対応が不透明なためだ。中東情勢が一段と緊迫すれば、節目の1バレル100ドルを上回るとの見方もある。

13日にイランがイスラエルに攻撃してから初取引となった日本時間15日朝、米原油指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物は一時1バレル86ドルを超えた。その後、85ドルを割り込む場面もあった。

攻撃直後は、中東からの原油供給が途絶しかねず原油価格が急騰するとの警戒が高まった。市場参加者が冷静だったのはイラン攻撃によるイスラエル被害が軽微だったほか、イスラエルの後ろ盾の米国やイランが事態悪化を望んでいないとの見方が広がったためだ。

米シティグループはリポートで「前例のない直接攻撃ではあるが、事態エスカレートを避けるために調整されたようだ」と指摘する。

原油の需給がそれほど逼迫していないのも原油高に歯止めをかけた。国際エネルギー機関(IEA)は12日、2024年の世界の石油需要の伸びを下方修正した。主要産油国の石油輸出国機構(OPEC)プラスの自主減産が予定通り6月末で終了すれば再び供給過剰になる可能性が高い。

原油価格の水準は少しずつ切り上がっている。23年末からのWTI上昇率は先週末時点で20%、北海ブレント原油先物も17%にのぼる。米ゴールドマン・サックスは「中東緊迫による原油価格への上乗せ幅は510ドルほど」と分析する。

今後の原油価格の趨勢を左右するのはイスラエルの出方だ。イスラエルがイランに対して報復すれば、イランは対抗せざるを得ない。石油輸送の大動脈であるホルムズ海峡での通航に支障が出れば「ブレント価格は1バレル120ドルや130ドルまで急騰する可能性がある」(調査会社ラピダン・エナジーのボブ・マクナリー社長)との声がある。