https://www.nikkei.com/article/DGKKZO80044850W4A410C2MM8000/
経済産業省は中長期のエネルギー政策の方向性を示す「エネルギー基本計画」について、2040年度の電源構成を策定する方針だ。国際公約となる脱炭素目標を示す35年度よりも先の見通しをつくる。企業が将来の投資計画を立てやすくする。
政府はエネルギー基本計画をおよそ3年に1度のペースで見直す。温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」は25年2月に35年ごろまでの温暖化ガス削減の国別目標を提出するよう定める。
今回は35年度に13年度比で66%減らす案を軸に調整する。21年に改定した現行計画は30年度に13年度比46%減を目標とし、30年度の電源構成を提示していた。
新計画の達成には再生可能エネルギーの導入や原子力発電所の再稼働を進める必要がある。足元では30年度以降の見通しを立てにくいため民間のエネルギー投資が進みにくい状況にある。
企業や経済団体は長期的な見通しを示すよう要望してきた。経団連は近く発表する政策提言で、エネルギー基本計画について50年までを見据えた電源構成の明示を求める。
新たな電源構成では50年度の脱炭素を見据えた再生エネや原子力の積み増し幅が焦点になる。現行は30年度に再生エネを36~38%、原子力を20~22%に増やす目標を掲げる。