おかげさまです。
今回は、家づくりで意識すべき「ランニングコスト」の重要性について見ていきます。
※本連載では、オーガニックで豊かな暮らしの家づくり推進協議会・会長で、明工建設株式会社の代表取締役・仁藤 衛氏の著書、
『知らなきゃ損! 建てる前に必ず読む本』(知道出版)の中から一部を抜粋し、家づくりに潜む「7つの落とし穴」を明らかにし、
それらを回避するためのポイント2024年バージョンとして解説します。
「イニシャルコストが安い=総額が安い」とは限らない
前回の続きです。
落とし穴の2番目は、トータルコストのお話です。
あなたは家をつくるときには、「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」の両方があることを意識していますか?
その両方を考えて、トータルでのコストを考えて決めなければ、一生苦労することになりますよ。
「イニシャルコスト」とは、初めにかかる費用のことです。
物件購入費用をはじめとして、ローン保証料や登記費用、火災保険といった諸経費、印紙税、登録免許税、消費税といった税金などがそうです。
「ランニングコスト」とは、後から毎月かかる費用のことです。
マンションの管理費や修繕積立金、駐車場代などです。維持・修繕費や光熱費なども家のつくり方によって後からかかってくる金額が変わったりします。
一般的に、「イニシャルコストを安く抑えたい」という人がほとんどだと思います。最初に出せる頭金には限りがあります。
住宅ローンで借りられる金額にも上限があります。その予算のなかで「できる限り、イニシャルコストを安くしておきたい」
と考えるのは普通の感覚ですよね。ところが、最初は安く抑えられても、後々の「ランニングコスト」が多くかかってきて、
最終的にトータルで見ると結構な金額を払う羽目に陥っているというケースも多々あります。
ここも、長い人生において影響力が大きいので、気をつけなければならない落とし穴です。
具体的にお伝えしますと、その家を現金で買う方ならその物件が、いくらで買えるのかで大丈夫でしょう。
但し一般の方は、住宅ローンを借りて30年以上払い続ける方少なくないです。
考え方の基本は、月々の返済額がこのくらいなら大丈夫だろうと?
確かに住宅ローンのことだけなら、金利の事だけを気にしていればいいのですが?
実は、一番厄介なものが光熱費や税金なのです。ここは下がることはまずありません。
電気代は、すでに年々あがっていく再エネ賦課金がありますので、対策は必要です。
光熱費など含めて、自給自足できる考え方いかがでしょうか?
「分譲マンションのランニングコスト」で家が買える!?
同じエリアに建っているマンションと一戸建てで比較してみましょう。
土地代の負担が大きい分、当然のことながら一戸建てのほうが「イニシャルコスト」が高くなるでしょう。
でも、長い年月のトータルで比べてみるとどうでしょうか?
分譲マンションの場合、共有部分(玄関、廊下、バルコニーやエレベーター立体駐車場などなど。自分の部屋以外のスペース)は、
居住者全員で維持管理をすることになります。維持管理にかかる費用や修繕積立金、駐車場代などは、毎月払う「ランニングコスト」ですね。
たとえば、それらのランニングコストが月3万円かかるとすると……これがけっこうバカにならないのです。
単純に計算してみても、毎月3万円で、年間36万円。30年間で1,080万円、40年間で1,440万円にもなります。1,440万円というと、
家一軒買おうと思えば買えてしまうくらいのレベルになりますよね。
「イニシャルコストが安いから」という理由だけで、分譲マンションを買うのは、「ランニングコスト」まで考えると「ちょっと待って」と言いたくなります。
まとめますと、ランニングコスト込みで家を買う考え方が必要です。
平成時代など、物の値段が変わりませんでした。そこに慣れてしまっていると危険なことでもあります。
まずは創エネから始めること、いかがでしょうか?
ご縁を大切に唯一無二の家造りをよろしければ
おかげさまでありがとうございます。