おかげさまです。
今回は、手間賃、無駄な工程が価格を上げる、住宅建築の落とし穴を見ていきます。
※本連載では、オーガニックで豊かな暮らしの家づくり推進協議会・会長で、明工建設株式会社の代表取締役・仁藤 衛氏の著書、
『知らなきゃ損! 建てる前に必ず読む本』(知道出版)の中から一部を抜粋し、家づくりに潜む「7つの落とし穴」を明らかにし、
それらを回避するためのポイントを2024年バージョンとして解説します。
万が一の場合を見越して「費用を上乗せ」!?
その家の値段が高いのか安いのかは、ただ表面的に見積もりを見ているだけでは、けっこうわからないものです。
目に見えないところこそ、差がついてくる部分です。
私は元、現場監督ですのでこの辺りの話は大得意なんですが、建築現場において、職人さんが現場まで出向いたのに、
作業ができなくて戻ってしまうということがよくあります。
現場では〝出戻り〟と呼ばれています。じつは、そういうことがあったときに備えて、見積もり時には、高めに工賃を設定しておく会社もたくさんあります。
10万円で済むはずの工事費が、15万円になっていたりするわけです。
先々の作業のことまで考えて、無駄を省いた工事過程を組んでいる優秀な現場であれば、
職人さんを管理する体制もしっかりしていて、連携もスムースにおこなわれています。〝出戻り〟のような無駄は少ないのです。
一方、たくさんの現場を抱えている会社や、安い建材だけ入れて後はお任せといった、大雑把な管理をしているようなところですと、
職人さんはそれぞれの工程まで細やかに対応するのは難しいでしょう。ちょこちょこ出たり入ったりで職人さんが時間を取られたりすると、
その分の余計な経費がかかったり、または見積もられたりしています。
実は、当社の場合は価格交渉の最前線は、私(にとう)が行っています。
その時、業者さんから聞かれることがあります。それは「現場監督は誰ですか」と
そうなんです。現場監督の差によって、下職さんは値段を替える可能性があるのです。
私は、「監督は〇〇だけど、私がしっかりと工程も段取りも組みますので、安心してください。」と
「監督に勝手な事はさせませんし、業者さんの決して迷惑はかけさせません」と
実は、最近(2024年)では、社員全員がスマホで現場状況を見える化することで共有もできますので、。。
高価な断熱材の使用が、工事費の節約に繋がる場合も
たとえば、あえて高価な断熱材を使うだけで、電気工事費が下がることがあるのはご存知ですか?
断熱材の値段だけを見てみると、もっとも安いグラスウールやロックウールといった、壁の中に充填する安価な断熱材に比べて高くは感じます。
ところが、高価な断熱材を使った作業は、一日で一斉に仕上げますので効率が良いのです。そのためには、事前に電気工事は終わらせておかなければなりません。
大工さんも終わらせておかなければならない作業があります。
こういうつなぎ目的な工程のポイントをつくっておくと、だらだらと各専門の職人さんがほんの数時間ずつ登場するような作業日が減り、
無駄なく効率良く工事が進んだりするのです。
細かい説明は省きますが、安価な断熱材を使うと、大工さんにとっては、作業の途中の要所要所で、電気工事をしてもらったりしたいわけです。
そうすると、その数時間のためだけに来てもらったり、逆に、まだ作業ができない状態で待たせたり、そういう無駄が発生しやすかったりするのです。
工賃も入れたトータルで見ると、高価な断熱材を使ったほうが結局安く済み、しかも品質も高くなる。こういうことが他にもいろいろあります。
さすがにこんな話は、営業マンでもわからないでしょう。現場を知っていると、本当にもったいないなぁということがよくあります。
最終的には、住んでみなければ施工精度はわかりません。そして、ここまで素人である施主さまが見積もりを読むのはちょっと難しいと思います。
ただし、こういう目に見えているものの値段だけではなく、裏側の目に見えていない部分の無駄な工程、手間賃といった話まで、
丁寧な説明をしてくれる人と家がつくれれば、同じ値段を支払っても、確実に品質の高い家がつくれるはずです。
当社の場合は、現場にいろいろな職人が入り過ぎないように工程管理の徹底をさせていますので、安心していただけます。
ご縁を大切に唯一無二の家造り
おかげさまでありがとうございます。