先日、住宅系youtubeについての記事を書きました。
こちらの記事
住宅系ユーチューバーの闇・・・信じた人が損をする世界 #店長流
こちら記事を読んだ方から、目から鱗でした的なことを言われました。
しかし、どうすれば情報の中にある嘘について見抜けるかが分からないので、教えて欲しいと言われましたので、今回はそのことについて書いていこうと思います。
と言っても、範囲が広いので、「値引きについての嘘」に絞って書いていきます。
■別に嘘をついているわけではない
まず、最初の前提ですが、前回の記事の内容は、youtubeが嘘をついている訳でもなく、また多くの配信者も嘘をついていると言いたいのではありません。
この事実を覚えておいてください。
私の言っていた嘘とは、そのことは事実かもしれませんが、会社の利益を優先するあまりに、都合の悪いことや良いことばかり話すことを言います。
たまに悪意を込めて嘘を言う人もいますが、まあそういった人はきっと噓がばれてすぐにいなくなるのでしょう^^;
■良いことと悪いことは裏表
次は本題に入る前の大前提です。
まず、嘘を見抜くために必要な考え方が「良いことと悪いことは裏表」という考え方です。
話を聞いてみたら、自分に良いことがあったとします。
その良いことは裏を返せば、誰かの悪いことであることが多いです。
例えば、住宅会社に値引きをされた・・・
これはあなたにとってとてもいい話ですが、住宅会社にとっては悪いことですよね。
だって値引きをしなければ高く売れたんだから、その分会社にとっては不利益だからです。
このようにあなたにとって良いことが、誰かにとって悪いことになる場合、普通はその悪いことを避けようとするので、そういった提案はしません。
でも、住宅会社に値引きをされると言うことは、普通会社にとって悪いことのはずですが、なぜ営業は提案するのでしょう?
その答えは簡単で値引きをすることは、会社の利益になるからなんです。
でなければ提案をする訳がありません。
そして、会社の利益である以上、誰かに不利益が生じます。
誰が不利益を被るか分かりますか?
ちなみに、会社は値引きをして利益を上げる方法はいくらでもあります。
例えば、値引きをする以上に、建物の価格を上げてしまえば、利益が生まれます。
例を上げると、本当は3000万円で買える家を3300万円の値札をつけて、300万円値引きをして売る。
こうすれば、値引きをしても本来欲しかった利益を得ることが出来ます。
しかも、値引きをすると言ったことについての嘘はついていません。
しかし実際に本来よりも高く売っているので、結局は嘘だと言えますし、値引いてもいません。
このように、良いことを上手に使った嘘があります。
■正当な理由がある場合は本当に値引いていることが多い
この良いことを上手に使った嘘を見抜くには、その嘘の正当な理由があるかをしっかりと見ることです。
値引きに関して正当な理由がある場合は、多くの場合は嘘をついておらず本当に値引きをしています。
例えば、見学会の開催を求められる場合。
雑誌やネットに建てた家の情報の共有や、Youtubeに出演してもらう場合。
使ってもらいたい機具や、床材などを採用してもらった場合。
担当が初心者だったりして、打ち合わせに迷惑を掛けることが予め分かっている場合。
メーカー所有の土地を購入して、そのメーカーで住宅を建てる場合。
誰かの紹介で、その紹介者がとても推してくれる場合。
他にもありますが、上記で上げた理由の場合は、多分本当の値引きがされています。
こういったことをしてもらうのは、会社にとって大きな利益となりますが、お客様からしてみると負担であったり、嫌なことだったりします。
その為の恩返しとして、正当なお金を値引くことは会社にとっても悪いことではないからです。
このように値引きに対して、どういった理由があるのか?
また、その理由が値引きの額に対して、同じ価値があるのか?
この辺りを調べたら、嘘を見抜くことが出来るはずです。
■逆に値引きが嘘である場合の例。
逆に、住宅の値引きの場合、何にも条件などがない状態で値引きが出された場合は、ほぼ嘘です。
また、決算だからとか、月末だからとか言った、時期を固定した値引きもほぼ嘘です。
会社として、何も条件がないのに値引きをすることなんて通常ありえません。
あり得るとしたら、値引きをすることが前提の見積りを作っている場合です。
そんなことない!しっかりと値引きをしてくれている!この担当は嘘をつく人じゃない!
なんて思いたいかもしれませんが、住宅会社は年々減っている受注数に対応する為に、各社がそれこそ血のにじむような努力をしています。
それは値段も同じです。
他社よりも安い方が選ばれやすいのは当然の流れなので、1円でも多く他社よりも安くしようと努力をしています。
その為に、年々会社の利益を削り続け、そろそろもう削ることがない・・・
そんな状況になっている会社がほとんどです。
会社がそんな状態で簡単に値引きをするなんてありえません^^;
だから、値引きを前提とした見積りを出す、もしくは値引きの分会社にとって利益がある場合。
この2つのパターンでしか値引きは出来ないのです。
■期間を限定した値引きはほぼ「嘘」
次に多い値引きが、期間を限定した値引きです。
例えば、今の時期だと多い「決算だから!」とか、「月末だから」とかの期限を限定した物です。
断言します。
こういった値引きは嘘です。
理由は少し考えてみたら分かるのですが、住宅って契約をしてから完成するまでに、早くても数か月、通常なら半年程度掛かるものです。
また、お金の支払いも完成払い、出来高払いなので、契約時の金額って本当に微々たるものしか払いません。
そんな状況なのに、今月決算なんです!何て言われても、会社の決算には全く関係ない、もしくは微々たる金額しか貢献できません。
なのに大幅な値引きをするのか?
そうやって冷静に考えたら、ちょっとおかしいことに気が付けるはずです。
また、これも多い値引きで「今月までなら~~万円値引きします」みたいな値引きです。
この値引きが起こる場合は限定的で、その理由は店長さんや担当さんの成果が足りない場合に起こります。
ここで少し現実のお話をします。
皆さんの担当している営業さんの仕事はお客様の夢を叶えること・・・・
みたいに言っていますが、本来は異なります。
営業の仕事は、会社にお金を持ってくることです。
じゃないと会社が倒産しますから、これは当り前なことです。
お客様のことが第1だろ!なんて言われるかもしれませんが、私は非難されることではないと思っています。
その際に、毎月OO万円以上の売り上げをノルマにしている会社が多くあります。
そうなると、どうしても今月足りない!そんな時がいつかはあります。
それをそのまま足りないで月を越すと店長さんや、営業さんの評価が下がるため、絶対に足りない状況にはしたくないのです。
そこで現れるのが「今月中だったら」値引きです。
そうすることで今月のノルマをクリアーしようとする値引きです^^;
この値引きの質の悪いところが、予めこの値引き分を店長などが裁量(権限)で持っていることです。
しかしそのお金の出どころは、他のお客様から、もらわなくてもいい余分な利益として、集めたお金であります。
本来ならお客様に還元すべきなのですが、誰か特定のたまたまノルマをクリアーするため契約をしてくれるお客様に使われます。
そのたまたまに当たったらラッキー!かもしれませんが、そのお客様も契約後は、誰かのノルマの為の費用を払っていくことになるので、その分のお金が返ってきただけと言うのが正確な言い方です。
■OOハウスであった、インセンティブの紹介
少し余談ですが、これは私が以前勤めていた会社のでの話です。
この会社では、営業さんが1件契約をもらうことに、2%のインセンティブ、いわいるボーナスがもらえる権利がありました。
たった2%?って思われるかもしれませんが、住宅の価格は2000万円とか、3000万円です。
たったの2%でも、2000万円なら40万円、3000万円なら60万円ももらえる仕組みです^^;
ちなみに当時の私は年間に10棟以上の契約を頂いていたので、計算が早い人ならもう計算済みでしょうが、それなりの金額をもらっていました。
まあ、それは会社から与えらえた正当な権利なので、しっかりと受け取っていましたよ^^
インセンティブはこれだけでもすごいのですが、その会社にはもう一つ大きなインセンティブがありました。
その名前を言ってしまうとメーカーが特定されるので、名前は言いませんが、内容としてはこんな感じ。
1件の契約に当たり、各営業担当が値引いていい額が決まっていて、その金額は自由に営業が決めていい仕組み。
その枠内なら全て使ってもいいし、また1円も使わないでもいい決まりです。
そしてここからが本題なのですが、なんとその値引きの枠のお金ですが・・・・
余ったらその半分が営業に支払われる仕組みになっていたのです!
額などを正確に描くと問題になるので、適当にその枠を100万円としておきます。
もし100万円の値引き枠を1円も使わずに3000万円の家を契約して引き渡したとします。
私は引き渡しの次の月に、給料を建物ボーナスで60万円、値引き枠ボーナスで50万円、合計で110万円がボーナスとして頂ける仕組みなのです^^;
そして私は基本毎月契約は頂いていたので、ほぼ毎月ボーナスがもらえます。
その額が毎月振り込まれたらだったらどうですか?
他の仕事なんて馬鹿馬鹿しく思えても仕方ないですよね?
■値引き枠を使うことは 「悪」
また、ここでの問題は値引きの枠です。
この枠があると言うことは、本来もっと安く売れると言ったことの証明ですし、お客様としては全額使ったもらいたい物です。
しかし、その金額を使われることは社内では悪だとされていました。
理由は簡単です。
営業にボーナスが入らなくなるからです^^;
実際に多くの営業が、この値引きを使わずに契約をした物件の自慢をしていました。
俺は半分しか使わなかった!俺はたった10万だぞ!いや、俺なんか0円だ!みたいにです。
そうすることで自慢にもなるし、自分の給料も増えるしで良いことづくめと言った感じでした。
自分の売り方で1円でも高い物を買わせることが、正義だった職場でした。
つまりまとめると、営業の利益の為に本来以上の価格の建物を買わされている人が数多くいた。
そして、それは働いている人からしたら正義であったと言うことです。
このような会社もあればインセンティブない会社もあるので、全てがこうだとは言えませんが、一つだけ言えることは・・・・
値引きの枠はどの会社にもあると言うことです。
それをうまく引き出すことが出来たなら、それはきっと本当の値引きでしょう。
ただし、それを引き出すことはそんなに簡単じゃないですよ^^
海千山千の猛者が、1円でも値引かないように頑張っていますから(笑)
■栄誉なことでした^^
この話はもう10年以上前の話なので、こういった制度は無くなっているかもしれません。
しかし、色々な会社が行っていた方法なので、なにかしらの形では残っているでしょう。
あ、ちなみに私はこの値引き枠いっぱいの値引きを、全員にしていました。
だから、当時の上席や同僚からは冷ややかな目で見られていましたよ~^^;
しかし、年間契約数では数年連続店舗トップだったので、誰も文句は言ってきませんでした。
陰で「値引きをしているんだから当たり前だ」みたいなことを聞いたこともありますが、
だったらあなたも値引きをして契約してもらえばいいじゃん?くらいの気持ちでした。
このお陰もあってか、自分の中で一生に残る一番の栄誉をもらったことがあります。
それは・・・
紹介案件からの契約数とそうでないお客様の契約数が、紹介の方が多かった!
と言った栄誉です^^
営業からしてみたら、お客様からの紹介があることは本当に名誉なことで、自分の仕事が上手に出来たことを示してくれます。
今でも誇りに思っている栄誉です。
■まとめ 値引きの嘘を見抜くには
最後にまとめです。
値引きの嘘を見抜く方法は・・・・
1,良いことの裏には悪いことがある。それが誰に向くのかを確認する
2,正当な理由がある場合は、本当の値引きである確率が高い
3,何にも理由がない場合は、ほぼ嘘の値引きである
4,期限を決めた値引きは、会社の都合。その値引きを誰かが肩代わりすることになる。
5,値引きの枠があることは確定事項。それを引き出せたならそれは本当の値引きである
以上です。
長々となりましたが、一番の方法は正当な理由があるかどうかです。
これだけを見抜けるだけで大分変りますので、ぜひ試してみてください。
では、また!