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【店長流】

日経株価が4万円、金の相場が1万円の時代の家づくり #店長流
日経株価が4万円、金の相場が1万円の時代の家づくり #店長流

■ついにこの時代が来たなって感じです



本日3/4 ネットニュースからとんでもないニュースが2つ舞い込んできました。


一つは日経平均株価が初の4万円越え。

一つは金(Gold)の取引相場が1gあたり、1万円越え。


共に金融などのことなので、なんのこっちゃ?って人も多いと思いますが、これって結構衝撃的なニュースです。

今後の人生が変わるかもって言っても言い過ぎでもないくらいのニュースなんです。


今日はこんなニュースから見える今後の家づくりについてお話しようと思います。



■今日は100万円でも明日には99万円になってしまう時代へ



さて、今回のニュースから読み取れることは、お金の価値の低下です。

例えば金ですが、2000年初頭には、1gが1000円台で購入することが出来ました。

それが2013年で初の5000円台になり、コロナ過で7000円台、次に来たアフターコロナの世界的インフレの影響でたった2~3年で一気に3000円も上がっています。


これはお金の価値の低下を示しており、20年前に100gの金を買おうとしたら、10万円くらいで買えたのに、今では同じ100gを買うのには100万円もださないと買えない、つまりお金の価値が1/10になってしまったことを表しています。


この状態がひどくなると、今日は100万円が買えたものが、明日には101万円を出さないと買えないようになってきます。

逆の意味で言うと、今日は100万円の価値だった紙幣は、明日は99万円の価値と同等になってしまうことを意味します。

これがお金の価値の低下です。



これは今までデフレだった日本だと逆に動いており、年々物の値段が下がっていたので、お金の価値は相対的に上がっていました。

なので、お金を貯めることが正義とされてきましたが、今とこれからはお金を貯めていく事は、ある意味お金をどぶに捨てているのと変わらない状況になっています。

だって年々お金の価値が下がっていくのだから、お金は使わないとどんどん価値が下がるんです。

実際にこの20年そこそこで、金の価値を指標にするとお金の価値は1/10まで下がりました。



それは金という特殊な環境だからでしょう?と言われるかもしれませんが、株価も同じようにあがっていますよね?

東日本大震災前の2011年には平均株価が1万円程度だったのですが、そこから約10年程度で一気に4倍近くになっています。

金の相場に比べたら穏やかですが、それでもやはりお金の価値は下がっています。


そんなお金の価値は今後はどこまで下がるのか・・・・正直誰にも予測はつかないでしょう・・・・

もしかしたらお金の価値が下がり続け、今の1万円紙幣では支払い枚数が多くなりすぎて、10万円紙幣や100万円紙幣なんてものも発行がされるかもしれません。




■住宅の価値は変わらないが、支払額は増えていく




そういった背景から、今後の住宅を見通してみます。

結論から言うと、住宅の価値は変わりませんが、支払いの額が増えていくことは明確だと言えます。


私はこの約20年この業界にいますが、この20年で住宅の価値が変わったか?と聞かれると、正直あまり変わっていないと言います。

確かに使う部材や仕組みは、向上したものも多いと思いますが、それで住宅の価値が上がったのかと言われたらそこまででもありません。

むしろ大きさや広さで言えば、年々小さくなっているように思え、そういった価値で言ったら下がっていると言えます。

なのでトータルで見ると、住宅の価値はここ20年ではほとんど同じだと言えます。


しかし、価格に関しては右肩のぼりです。

私は仕入れの値段なども取り扱いをしているので、この20年間の動向が分かりますが、確実にほぼ全ての物、業種が値上がりをしています。

例えば昔は1㎡当たり5000円も出せば、コンクリートの駐車場が施工出来ました。

それが今では1㎡5000円では、コンクリートの材料費にもなりません。

さらに職人の施工費やその他の部材の費用などを含めると、今では1㎡当たり会社によっては1万円と言っていてもおかしくない金額になりました。


また、金の値上がりもそうですが、金属一般の値上がりも止まっていません。

今の機会の多くはAIなどのコンピューターが入っているので、こういった金属の値上がりは仕入れの値段に直結します。

物によってはこの20年で10倍にまで価格が跳ね上がった物も多くあります。



このような流れは異常だから、いつか止まるよ・・・

なんて楽観視をしてもいいのかもしれませんが、私はとても危険なかけだと思っています。




■人口が増える=お金が増える=物の価値があがる




その理由が世界的な人口増加が止まらないからです。

2017年くらいにブレイクした、芸人さんが「男の数は35億」って言っていたように、2017年くらいだと世界の人口は約70億人でしたが、2024年時点では約81億人となっています。

今後の予想では2025年代で約100億人まで人口は増えていくと言われており、まだ20億人程度の人口増が見込まれています。

その分、お金も生まれていくのです。


例えば、日本人の生涯年収は2~3億円と言われています。

もしAさんと言う人が生まれ、人生の最後に1000万円を相続にとっておいたとしたら、残りの1.9億円~2.9億円は、生きているうちにお金を使ったことになります。

しかし、この人が生まれていなかったらこのお金は1円掛からなかったので、このAさんは約2億円以上のお金を生み出したことになります。


このように人が生まれたら、お金も同時に生まれることになり、その結果世界中のお金は増えていきます。

そうなると物の価値は相対的に上がっていきます。

世の中にお金がいっぱいあって、魅力のない物になっていき、代わりに増えていかない物の価値がどんどん上がります。


そういったサイクルによって、同じものを買うにしても、月日が経てば経つほどお金が大量に必要となってくるのです

こういった背景を考えると、今が異常だからといった見方はとても怖い見方だと思います。


昔のようにある程度日本だけで、経済が成り立っていた時代なら話は違ったでしょうが、今はほぼ全ての物が世界と繋がっています。

このように世界中で物価が上がっているのに、日本だけが物価が上がらないことはもう無理な話なんですね^^;




■1棟1億円世界も今後はありえる?




さて、そんな背景もあり、住宅の価格はここ最近は特に顕著に上がっています。

私の個人的感覚では20年前の1.5倍くらいにはなっています。


20年前には2000万円で買えたものが、今では3000万円といった感じです。

そして、今後はこの流れは止まらないと見ています。

理由は先ほど書いてある通りです。


この値上がりもコロナ過の物価高やインフレのせいでしょなんて言われたこともありましたが、コロナ前の2019年でも2000年次と比べ、約1.2倍まであがっていました。

約20年掛けて1.2倍になったものが、たったの数年で1.5倍にまでなったので、とても目立つのでそう思うかもしれませんが、現実は違っています。


そしてこのまま値上がりをしていけば、いつかは1棟1億円が当たり前な日もくるかもしれません・・・




■ハウスメーカーがいなくなる時代へ




話は少し変わりますが、日本の住宅業界は、寡占化されていない数少ない業界だと言われています。

寡占化とは、ある一定の企業が独占をしている業界のことで、例を上げるとほぼ3~4社で業界のほとんどを占めている携帯業界や、トヨタなどが圧倒的な車業界、その他にも色々な業界がありますが、住宅はそうなっていません。


ハウスメーカーは多いのですが、一番売れている会社1社あたりで見ると多くて2万棟くらい。

年間の住宅の着工数が70万とか80万棟なので、この業界におけるシェアはたったの2~3%程度です。

こういった会社が20社程度集まってもシェア率は20%程度。


残りの80%は工務店や地場の大工さんなどが手掛けており、さらに大手メーカーのほとんどが住宅の施行を地場の工務店に業務委託しているので、実際にはほとんどの住宅を工務店がつくっている業界です。


なので、ハウスメーカーとしてはいわいる「美味しくない業界」だと言えます。

寡占化出来ている他の業界では、値決めや業界の住み分けは少ない会社とすればいいので、自社の利益が確保しやすい業界です。


しかし、シェアが数%しか取れていない住宅業界では、常に他社との競合で自社の利益の確保が難しくなります。

また、海外と違い日本は人口減少している国なので、将来的に工事数が伸びることも考えづらい。


ですので今現実に起こっているのが「ハウスメーカーの撤退」です。

大手ハウスメーカーは現在売り上げが見込めない県などからの撤退を始めています。

全ての業務を行っていた事業所だった場所から、営業しかしない営業所へ。

営業所から、土日しか店員のいない展示場へ。

展示場から、事業の撤退へと、この順番で規模の縮小を始めています。

今かろうじて営業所や展示場があるメーカーも数年後には撤退をしている可能性が高いです。


今はまだこの程度で済んでいますが、10年後にはハウスメーカーの多くがいなくなる。

またいたとしても自分の県には一社もないなんてこともありえます。

ありえますと書きましたが、実際には起こることだと私は思っています。


似たような業界で、おもちゃ屋さんがあります。

私の子供の頃は色んなおもちゃ屋さんがあって、全国規模のおもちゃ屋さんも沢山ありました。

それが20年前くらいから子供の減少によって業績が悪くなり撤退が増え、アマゾンなどの台頭で駆逐されたといったイメージです。


こんなことが住宅業界にも起こると見ています。




■家を守るには工務店が必須なるが、対応ができるかどうかは謎




先ほど言ったように、ハウスメーカーが撤退を始めると、家を守る会社がいなくなります。

そこで今以上に工務店の需要が高まります。


しかし、ここで問題なのが工務店のキャパシティーの問題。

工務店は元々規模が大きくないため、出来る仕事量に限界があります。

自社で施工したお客様を優先しますので、対応自体が難しい場合もありえます。


また、工務店の数も年々減っていきます。

理由は簡単で人口減のお陰で家の需要がどんどん減っていくからです。

しっかりとした会社は生き残るでしょうが、年間に数件しか仕事をしていない会社などは難しいでしょう・・・

今はまだ多くの会社があるので、対応出来ますが、そんなに遠くない将来には対応してくれる会社を探すこともすら困難になる可能性があります。




■最後は自分で家を守る世界へ



今、家の守りの多くは工務店が担っていますが、海外では自分で行うのが当たり前です

理由は日本のような工務店システムがないからです。

建築屋は建てたら建てっぱなしですし、建てた後に壊れても保証もなかったりします。


悲しいですが、いずれ日本もそうなるでしょう・・・・

それは工務店が面倒を見なくなるのではなく、見れなくなるから。

自分で行うしかなくなると言った未来です。




■まとめ



今日は少し悲しい話をしていきました。

でも今日話したことは、多かれ少なかれ起こる事実です。

昔や今は家は誰かが守ってくれていましたが、それも近い将来に難しくなる。


それをさせないためには、住宅の金額UPが求められますが、多くの方はその金額が払えなくなるでしょう。

なんだか書いていて悲しくなってきましたが、今回の株価や金の相場から見えてくる未来を皆さんにご紹介いたしました。


では、また!