■隠しているわけではないんです・・・・
当社では現在3つの商品にプラス1で住宅を販売しています。
1つは、いろはいえ。
2つめは、M-Smart2030。
3つめは、0宣言の家。
プラス1は、完全に注文住宅の家です。
この4つの商品ですが、よく聞かれる質問があり、先週も同じ質問をお客様に受けたのですが、明確に答えることが出来ませんでした。
その質問とは・・・・
「住宅の性能の差」
についてです。
■HPやカタログを見ても明確に表記していない
実際に、この商品群の性能は・・・
いろはいえ < M-smart2030 < 0宣言の家
この順番で上がっていきます。
でも、この性能って実はそのHPのページにも、カタログにも記載がありません。
しかし、実際に造るとこの順番で上がることが事実です。
事実だったら、その差を明確に表現できるでしょ?って言われて、答えてくれって言われるのですが、実は明確に表記することは中々に難しかったりします。
ですので、先日ご質問した方には明確な答えが言えなかったんです。
理由を話したら納得はしてくれましたが、ちょっと後引く感じになってしまってちょっと気まずい雰囲気に^^;
それでも、そうならざるを得ないのが当社の実情なんです・・・・
■明確に答えられない理由
その明確に答えられない理由は、じつは簡単でして、その理由とは・・・・
『当社の建物が注文住宅である』
この為なんです、もっと言うことこれだけの為なんです^^;
一般的に全ての住宅は、建てる大きさや形、窓の大きさ、屋根の大きさ、立地に、方角など全て同じことはありません。
そして、今あげた全てのデータを元に、性能の計算をしていきます。
耐震については構造計算。
断熱については断熱計算。
他にも換気計算に、日射取得計算なども行っていき、これらをもって性能の比較と言います。
他のメーカーの言うような断熱材の厚みや、窓の性能、筋交いの数や構造用合板の厚み、これらでは性能を話すことは本当は全くできません。
ただ、使っている材料が異なると言った話は出来、その際にその材料の性能の差を話すことは出来ますので、多くの会社はそれらを性能の差として表現をしてしまっています。
本来はこの差での話は大きな間違いで、家の大きさや立地などの条件によっては性能が低いと言われている材料を選ぶことで性能が上がることもありますし、上がらなかったとしてもほとんど変わらないと言ったケースも多々あります。
この違いがあるので、中々一般的に性能の差を示すことは難しいのです・・・・
■家の設計が完成すれば比較ができる!
しかし、しっかりと性能の差を表すことが出来るタイミングがあります。
それは『設計が終わった』タイミングです。
この時期なら全てが計算されているので、数字がしっかりと出ており、他の物に変えたとしたらいくつ差がでるのかは示すことが出来ます。
私が言っている難しいと言った意味は、このタイミングまで話をすれば出来るのですが、例えば契約前とか、そもそも設計すらしていない状態で比較をするのはほとんど不可能に近いと言えるからです。
こういった性能の比較の質問が来たら、本来はこのタイミングまで待って欲しいのですが、多くの方はそれ以前に知りたいと言われます^^;
なので、全く話をしないのもいけないと思い、各部材の差の話はさせて頂いております。
例えば断熱材の差の話では、いろはいえに比べM-Smart2030は厚みが壁で5cm、屋根で20cm違うこと。
耐震についてはどの家も耐震等級3ですが、間取りのよっては費用が掛かるもしくは物理的に不可能な場合があるとお伝えします。
他にもサッシの性能差や床材、外壁材など多くの差の話をしていきます。
しかし、それらはあくまでも部材等の差であって、住宅の性能の差ではありません。
いろはいえから始まり、部材の性能が良くなっていきますので、経験論からこちらの方が良い結果になりますよなどと言いますが、実際には計算をしてみないと適当なことを言っているのに過ぎません。
そういったデータで良いのか悪いのか。
聞いてくる方の考えや思いによっては、まったく希望違いの話をしてしまっています。
■性能を1番にするか、建物を1番にするか
とは言っていますが、当社とは違い、多くのハウスメーカーはこの性能の差を結構簡単に話をすることが出来ます。
それは、性能を1番目標に考えて家を造っていくからです。
それはどういった建物造りなのかと言うと・・・
公表している性能が例えば10だとします。
ハウスメーカーの家はその10になるような家造りをしていきます。
それ以前に、型式認定と言って、こういった家をこういった素材で作るから、毎回計算しなくても良いよね?って仕組みを事前に国に報告をしています。
そうすることで毎回掛かる設計費用の削減や、申請のスピードアップが狙え、一石二鳥だからです。
そしてその報告書の部材などを使って家を建てるので、本当に適当な工事をしない限り10の性能の家を造ることが出来ます。
逆を言えば10以下も以上の家は造りませんし、造れません(お金掛ければ出来ますが)
ですので、間取りや仕様部材には大きな制限が掛かります。
報告書に無い物は虚偽報告になるので造れませんし、その場合は1から申請をし直すので設計費用やその間に掛かる費用の割り増しが発生します。
だから余程のことが無い限り、事前の申請以外の家は建てていかないのです。
よくハウスメーカーの家ってどれもおなじに見えると言われますが、それはこの申請の件が理由になっています。
それと比べて当社の家づくりは10と言う目標は頭にいれておきますが、基本は基本仕様に則って家造りを開始します。
そうすると設計後に性能値が出てきて、それが10より下でなければ良しといった考えで家を造ります。
中には設計後10を下回ることもあるので、そういった場合には性能UPの処置を行い10より下にならないようにしていきます。
逆に10より上になった場合は、そのままお客様に提供をします。
ですので、本来10と言った性能の家で契約をしますが、最低限が10、基本はそれ以上の11とか13とか言った性能の家を提供していきます。
これは事前に申請をしていないので、ある程度自由に家づくりが出来ることのメリットです。
ただし、逆を言えば毎回申請をしていくので、その費用が掛かること、またその申請に掛かる時間が長いことはデメリットと言えます。
以上の結果、メーカーも当社も、性能値が10の家を建てれば結果は同じものなのですが、それに対するアプローチはまったく異なっているのです。
これが性能が1番なのか、建物が1番なのかの差です。
これはどちらが良いとか悪いとかの発想ではなく、ある程度好みの問題と言えるでしょう。
これはラーメンを食べる時と似ています。
安定して美味しいチェーン店を選ぶか、当たりはずれはあるかもしれませんが、とびっきり美味しいラーメンを作るかもしれない個人店を選ぶか。
そのくらいの好き嫌いの話です。
■こういった背景でHPに記載をしていない
これまで話をしてきた背景があるので、当社やまた同じような規模の会社のHPには性能の記載がないところが多くなります。
これは隠している訳でもなく、また出すと恥ずかしい性能だから隠したい、そんな気持ちではありません。
ただただ一軒一軒性能が異なるので、書けないだけって話です。
だったら、さっき言っていた目標値ってやつを書けばいいじゃん?って思われるかもしれませんが、当社を含め各社多分ですが目標値ぎりぎりの家ってあまりありません。
どちらかと言うと、目標値よりも大分いい性能の家の方が多くなります。
かと言って、性能が良い家の数値を書いたら全てがその家通りになるわけではないので、詐欺広告になってしまいます^^;
本当は当社だってこの数字が書ければこんな質問を毎回されないし、お客様の受けもいいので良いことが多いことくらい分かっています。
しかし、それが出来ない実情があることを理解して頂けると助かります^^
■まとめ
今回は多くの方からいただく質問についてのアンサー記事とさせて頂きました。
性能差は家を比較するのに便利なのですが、実際にはそれだけでは家の快適さは決まりません。
ある軍隊の少佐の言葉を借りるなら・・・
『家の性能の違いが、家の快適さの差でないことを教えてやる』
なんて偉ぶって言ってみたいものです^^;
では、また!
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