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【店長流】

断熱の考えた方はいつも進化している 10年後の断熱とは? #店長流
断熱の考えた方はいつも進化している 10年後の断熱とは? #店長流

■10年一昔とはよく言ったものです。



年末年始はこれで冬?って思えるほど暖かい日が続きましたが、最近は本格的に冬を感じるようになってきましたね。

結構温暖な御前崎でも、先日水たまりに氷が張っていました。

子供のころは当り前で気にもしていなかったことですが、いつの間にが目につくほどの事になったんだなーって思いました。


さて、そういった話の繋がりで先日10年前に家を建てて頂いたお客様のところに伺った時の話をしたいと思います。

10年前には最新で最高級の家を建てて頂き大変満足して頂いていましたが、現状はどうだったのでしょうか???



■家は本当暖かいよ


開口一番言われたのは、「家は本当、暖かいよ」でした。

確かに伺った際もかなり冷え込んだ日でしたが、家の中はぽかぽかでとても過ごしやすい環境でした。


しかし、その後にこんなことも言われました。

「暖かいんだけど、お金は掛かるね。去年なんかは電気代だけで5万円にもなったよ。まあしょうがないことかもしれないけれど。」


暖房はエアコンだけでしたが、止めてしまうと冷えてしまうのでほぼ1日中つけているとのこと。

それでも、前の家に比べたら天国だよ、なんて言ってもらえましたが、なんだかちょっと個人的には腑に落ちないなーって感じでした。



■10年前の家の高断熱は今の家の最低限



正直その理由は分かっていて、単純に断熱が足りていないんです。

ちなみに当時では最高グレードの断熱で施工をしましたが、そのレベルは今では断熱基準ぎりぎりの線くらいの品質です。

それでも数十年前の家に比べたら、天国と地獄くらいの差があるので、暖かいと思えるのでしょうが、今の家と比べるとやはり物足りない感じです。


ただ、10年前の性能も悪くはないので十分に暖かいのですが、今の高性能な断熱はそれを少ないエネルギーですることができ、さらに暖房を止めたとしても長い時間それを持続していきます。

それは今の家にも言えることですが、今の制度の最低限の断熱で施工しても暖かくは出来るのですが、それを続けるにはお金が掛かるということになるのです。



■断熱性を上げれば暖かくなるといつから錯覚していた?



10年前の家を断熱が足りていないと言いましたが、10年前の最高級であれば、実際には今でも通用するレベルにはあります。

なので、私のお客様の家のように暖める、涼しくすることは可能です。


しかし、この頃は多くの方が思い違いをしていました。

これは自分もそうですが、世間一般が思い違いをしていたこと。

それが「断熱性を上げれば暖かく(涼しく)なる」という、今から見ると錯覚ですらある事実です。


なぜか高断熱=暖かいと言った方程式が生まれ、そしてそれを誰も疑わなかった。

だから、高断熱の家は良い家だって勘違いの元に話が進んでいた記憶があります。


実際には高断熱だけでは家は暖かくも涼しくもなりません。

暖めるのも、冷やすのも熱源が必要だと言うことです。



■パッシブデザインなら可能でしょう?ってそれも錯覚です。




今ではそれだけでは無理なのは常識なことですが、当時は本当にそうなると考えられていて、パッシブデザインと言った考え方が流行り始めていた頃でした。

このパッシブデザインは熱源を電器や石油に頼らない家づくりのことで、その家に断熱性が加わればもう鬼に金棒ってな感じです。

しかし、このパッシブデザインにも今では弱点が多いことが分かっています。


例えば、熱の移動を空気の性質を使って行うので、常に窓を開けることが必要になります。

窓を開けることで熱移動だけが出来ればいいのですが、実際には余計な湿気や花粉、埃にウィルスなどのものも風と共に取り入れてしまいます。

花粉症の人やアレルギーがある人には致命的なデザインです。


また、夏場の湿気を取り込み続けることで、家の中が常に高湿度の環境になり、冬場は乾燥している環境となります。

除湿器や加湿器をいくら回しても無駄です。

だって、空いている窓からドンドン湿気は供給されるし、乾燥させてしまうのですから。


結局はそれらを嫌がって窓を開け無くなり、そうなるとそもそもエアコンなどで冷暖房をする設計をしていませんから、効率の悪い冷暖房を強要されます。

その光熱費が今はとても家計の負担になってしまっているのです。



■ちょっとブレイク 掃除が大変なのは「換気のせい?」




話が少し変わりますが、皆さんは毎日掃除をしているのに、ゴミやホコリが無くならないのを不思議に思ったことってありませんか?

人が生活をしているのでホコリぐらい出るでしょ?って思われるかもしれませんが、毎日掃除をしてもそれでも出続けるのは少し違和感があります。

その違和感は正解で、換気と言って窓を開けることで埃などを取り入れることで、家の中に埃や砂などを取り入れてしまっているのです。


換気システムが発展した現代では、窓を開けずに十分以上な換気をすることが出来るようになりました。

そういった家なら外の埃などを取り入れずに済むので、掃除が楽になります。


昭和や大正時代のように、専業主婦が当たり前だった時代とは異なり、掃除を気軽にすることが出来ません。

仕事が終わり疲れた体に鞭を打って掃除をするのか、体を休めたい休日に掃除をするのか・・・

掃除が趣味だという人も多いので、掃除が悪いことだとは言いませんが、埃などが無い家の方が気持ちが良いですよね?

そう考えると、「窓を開ける」は果たして正しいことなのでしょうか???




■太陽光発電と蓄電池の発想は無かった



パッシブデザインの家も、今の明工の家のように太陽光発電と、蓄電池の組み合わせがあれば、そんなに困らなかったかもしれません。

どれだけ電気が高くても、買わなければ良いだけの話ですから。

しかし、10年前にはそんな発想はまだありませんでした。


太陽光発電も蓄電池も当時からありましたが、導入率は今よりも全然少なかったんです。

また、売電額が今と比べ倍以上あり、売った方が儲けが出ていたので、作った電気を貯め込むなんて発想は薄く、そうなると蓄電池の存在意義すらなかったと言えます。

だから、今回のお宅も太陽光発電だけはつけましたが、蓄電池はありません。

なので上がった電気代には対応が出来ていない環境になっていました。


ちなみにお客様には蓄電池の導入をおススメしてみましたが、今はいいやとの回答でした。




■今後10年間の断熱の考え方は、断熱+省エネルギーの熱源確保へ



さて、そういったことや経験を踏まえて、私が思う今後10年間の断熱の考え方はこちらです。



「断熱+省エネルギーの熱源確保」



これが当たり前で最低限な考え方になっていきます。

もう断熱だけでは、暖かいも涼しいも無理なことが分かりました。

また、これまで以上に省エネルギーで冷暖房が出来ることも分かりました。


ならば、それらを合わせることでお互いの弱点をカバーできる。

これが今後10年に何か革新的なことが起こらなければ、断熱の考えのスタンダードになると言えます。




■さらに10年後の断熱は人の変革が必要



さらに10年後の断熱の変化は、個人的には正直難しいのだろうなって思っています。

今後の10年で断熱性能と省エネ性能はかなりのレベルになると思います。

しかし、それは今までの考え方の中での変化であって、実はもうそれらは限界が近いところまで来ています。

今後10年もすればそれは最高潮にまで達することでしょう。


ですので、もし次の10年つまり10年後~20年後の時代では、革新的な変化が必要になります。

それは先ほど言ったように、現状の考え方での性能はもう限界寸前なので、それ以上を求めた結果、革新的な変化がないと不可能になると言えるからです。

そしてその変化を受け入れることが出来るかどうか。

私はその変化は受け入れることが出来ない人が多いだろうと予想します。


実はその状況は今でも出てきています。

例えば、先ほど言ったように換気に窓を開けること。

私はそれはダメなこととして話を進めていましたが、そのことに違和感がある人も多いと思います。

これまで生きてきた中で、換気と言えば窓を開けること、私も学校でそう習ったのでその考えが根強い理由は分かっています。

しかし、今の家造りの性能や機能を考えると、どう考えても窓を開けない方が絶対に良い換気が出来るのです。


この程度の変革でもまだ腑に落ちない人がいる中、これ以上の変革を認められるか。

っと考えると無理な人が多いだろうという結果になります。



■それでも想像できる断熱改革は「窓が全くない家づくり」



そういった変革が出来た場合に起こる断熱改革は「窓が全くない家づくり」になると見ています。

ただ、これは今の法律では出来ません。


居住空間には最低限の光や換気、火事の際の排煙が出来ない家は違法建築になってしまいます。

その為に、必要最低限な窓が欲しいのですが、この窓が断熱にとって最もネガティブなところになります。


ちなみに今どれだけ断熱性が優れた窓でも、それでも高断熱な外壁に比べたら20倍以上性能が低くなってしまいます。

なので、10年後の今と比べたら超高断熱の家では、窓の存在が断熱性能としてとても足を引っ張る存在になってしまいます。

だから窓が無い家を造ることが10年後の大改革になると言えます。


でも、どうですか?

皆さんは窓が一個もない家って想像出来ますか?

多分ですが、これはお客様になる皆さんよりも、作る側の私たちの方が想像ができません^^;

これまでの経験が邪魔をしますから・・・・


また、今後この業界の高齢化も変革の邪魔をしていきます。

現状家を造る職人と言われる人たちの平均年齢は、業種によっては60歳を超えています。

60歳を超えると頭が固くなって変革を認めないって言うのではなくて、60歳の方には40年近い経験が詰まっているんです。

だから、その経験が変革を受け入れることの阻害要因になるであろうことも予想できます。


そういった方々が窓のない家を法律化できるかどうか・・・

難しい局面になるんだろうと予想が出来ます。


色々な方面で言われていますが、現代は時間の流れが速くなっています。

そしてそれはこれからもっと速くなるのでしょう。

そのスピードに追い付けることが出来ない人が増えていくこと。

それは当然な摂理だと思います。



■まとめ


今日はちょっと思うことがあって断熱のことを語ってみました。

もっと専門家の話を聞けば違う話になるのかもしれませんが、私は断熱の未来はこうなるだろうと見ています。

その未来が正しいのか正しくないのかは、未来の人達が決めてくれると思いますので、この答え合わせは10年先にとっておこうと思います。


それでは、また!