2024年は決定的な年になる!
日本は正しいデフレ脱却を
実現できるのか!?
[三橋TV第793回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/Z0UMN97-W0E
現在、第28回国連気候変動
枠組み条約締約国会議(COP28)が
開催されていおりますが
(本日が最終日)、
今後の「エネルギー」について
色々と見えてきました。
とりあえずは、
日本を含む22カ国が、
2050年までに
原子力エネルギーを三倍増にする
「多国間宣言」を発表しました。
というか、原子力なしに、
どうやってカーボンニュートラルやら
ネットゼロやらを達成するのか、
わたくしには見当もつきません。
宣言では、
(1)21世紀半ばまでに
世界全体で
温室効果ガス(GHG)排出ネットゼロを
達成し、
産業革命前と比較して気温上昇を
1.5度に抑えつつ、
持続可能な開発目標の
目標7を達成する上で、
原子力が重要な役割を担う
(2)原子力は
クリーンなベースロード電源で、
既に電源として第2位を占め、
エネルギー安全保障上の利点がある
(3)OECD原子力機関、
世界原子力協会や
気候変動に関する
政府間パネルの分析で、
世界のネットゼロ排出達成には
世界の原子力発電容量を
2050年までに3倍にする必要がある
(4)新しい原子力発電は
専有面積が小さく、
必要な場所に設置でき、
再生可能エネルギーとうまく連携し、
排出削減が困難な産業部門を含めて
脱炭素化するための柔軟性を備えている
とのことなのですが、
原子力は確かに超安定電源ですが、
太陽光や風力の時間の偏在性を
カバーするほど
臨機応変に発電力を
変えることはできません
(※現在は)。
現時点では、
太陽光や風力の発電を
活かしたいならば、
発電量の変動に強い火力発電が不可欠です。
つまりは、化石燃料を燃やすのです。
『化石燃料「削減」を明記、
「廃止」は触れず
COP28議長国案
第28回国連気候変動
枠組み条約締約国会議(COP28)の
開催国で
議長国を務める
アラブ首長国連邦(UAE)は11日、
化石燃料の削減を明記した
合意文書案を公表した。
原案で示した化石燃料の
「段階的廃止」には触れておらず、
各国の調整が続いている。
公表した合意文書案には
「化石燃料の消費と生産をともに
公正で秩序ある方法で削減し、
2050年前後に科学に沿った形で
ネットゼロ
(温暖化ガスの排出実質ゼロ)を
達成する」と盛り込んだ。
当初案にあった
「化石燃料の段階的廃止」からは
表現は後退した。
ただ、化石燃料への言及を
そもそも避ける可能性もあったことから、
化石燃料の使用を減らす方向性を
示すことができた点で
前進したと言える。
(後略)』
前回のCOP27では、
石炭火力の段階的な削減が
打ち出されましたが、
「化石燃料の削減」は
盛り込まれませんでした。
現在、「化石燃料の段階的な廃止」か
「化石燃料の削減」かで、
化石燃料産出国と欧米諸国との間で、
最後の議論が行われている頃でしょう。
段階的な廃止か、削減か、
表現は異なりますが、
いずれにせよ今後の日本で
新規の火力発電投資が困難
(というか不安)になっていくことは
確実です。
岸田総理は、今後の日本で
「排出削減対策の講じられていない
石炭火力発電所」の建設を
認めない考えを示しましたが、
それは当たり前。
問題は、排出削減対策を講じた
火力発電所の建設が、
本当に進むのかどうか、です。
FIT拡大、電力自由化、
発送電分離により、
経産省は2020年から30年までに、
4333万キロワット分の火力発電所が
閉鎖されると予想しています。
(遠い)将来はともかく、
現時点で火力発電なしでは
日本の電力サービスは成り立ちません。
皮肉な話ですが、
日本は「競争原理」を導入した結果、
政府が何もしなくとも
「化石燃料削減」が進んでいる。
結果、電力サービスの不安定化は
さらに進むことになります。
なにしろ、
将来の「化石燃料廃止」が
議論されている有様なのです。
火力発電所に投資できますか?
火力発電は巨額の投資を
長期に償却するビジネスモデルなのですよ。
27年後に「禁止」される可能性がある分野に、
数千億円投じることはできないでしょう
(しかも、火力発電の建設には
時間がかかるため、
27年間収益を上げられる、
というわけでもない)
このままでは、
「ネットゼロ達成!
電力安定供給崩壊!」
という未来が
待ち受けていることになります。
このまま政府が手をこまねいていれば、
確実にそうなる。
いや、むしろ、
「ネットゼロ?何それ?
電力安定供給崩壊!」
かも知れない。
ネットゼロや
カーボンニュートラルといった
「電力の安定供給」と
不整合な目標を本気で達成したいならば、
政府はエネルギー分野における
パワーを高めなければなりません。
そして、自ら技術開発に
おカネを投じるのです。
つまりは、
「ネットゼロと電力安定供給の両立」を
追求したいならば、
これまでの「緊縮財政」「自由化」
「民営化」「規制緩和」路線を
見直さなければならないのですよ。
とりあえず、政治家、
特に岸田総理大臣は
原発再稼働のために政治力を
発揮しなければならない。
なにしろ、他に方法はないのです
(ある!と主張したい方、
コメント欄に書き込んでね)
/// 事務局より ///
追伸・・・
太陽光発電だけでは、夜の電気は賄えません。
日中も雨が降ったり、雲がかかったり、太陽光発電事業者が突然送電を止めたり
そんな時に、必要なのがバックアップ電源の火力発電所なのです。
しかし、太陽光発電のバックアップのためだけでは、採算性は低いです。
そこへの設備投資も減少します。
もしかすると。今度将来は日中に停電することが、当たり前の社会になるかもしれません。
各企業も、電気は自前で用意しなければいけない時代になるとしたら、
各家庭も電気は自前で創って貯めておくことが必要かもしれません。
そんな未来のためにも、よろしければ・・・・
ご縁を大切に唯一無二の家造り
おかげさまでありがとうございます。