全館空調が最も素晴らしい訳ではありません。
最近人気がある設備で全館空調があります。
家中どこにいても、トイレでもお風呂でも同じ温度である快適さを一度知ってしまうと、もう前の家では過ごせない・・・
そんな全館空調をここ数年取り扱いメーカーが増えており、今まではそんなの要りませんよ?なんて言っていたメーカーですら採用をしている状況です。
さて、そんな全館空調ですが、メリットは分かりやすいと思いますが、導入するデメリットって分からない人も多いのではないでしょうか?
と言うことで、今回はそんな全館空調についてのお話をしていきます。
■実は逆行している?世界との空調の違い
セントラル空調の特長は、図書館やホールなどと言った比較的大きな空間の空調が得意であることです。
そういった観点からか、日本の住宅に比べかなり大きいアメリカの住宅で多く採用されております。
しかし、最近では人がいない空間や冷暖房をしなくてもいい空間まで冷暖房をするのは、無駄ではないか?との考えから、このセントラル空調を止める家庭が増えているようです。
その他の地域では、ヨーロッパは元々そういった機械空調に頼らない家づくりが推奨されているエリアであり、個人住宅ではエアコンすらない家も多くあります。
経済発展の著しいアジアやアフリカなどでは、セントラル空調ではなく、局所空調、いわゆる日本でよくみるエアコンが主流になっています。
また、SDGsの観点から今後はより局所エアコンが増えていくと言われています。
でも日本ではセントラル空調、言い換えて全館空調が普及し始めている。
表面的に見たら、世界と逆行をしていると言えますね^^;
■日本で全館空調が流行るのには理由がある。
さて、世界に逆行をしているかもしれませんが、日本で全館空調が流行るしっかりとした理由があるんです。
それは『家が小さいこと』
日本は世界の国々の家の大きさと比べると、小さめであることが分かっています。
特に大きいと言われているオーストラリアの平均値と比べると、その差は2倍!
日本の住宅の平均的な広さが約30坪程度と言われているので、オーストラリアでは60坪程度が平均値です。
アメリカでも60坪近く、比較的小さめと言われてるスペインでも40坪を超えます。
この数字はアパートなども含まれているので、個人宅となればもっと差が広がってきます。
このように家が小さい日本では、空調をするのにそんなにエネルギーが要りません。
また、狭い部屋を個別のエアコンを動かして冷暖房をするのは、逆に効率が悪い。
だから全館空調にした方が良いよね、そんな理由があって全館空調が流行っているんです。
■全館空調の弱点 その1
さて、余談はこれくらいにして本題に入っていきます。
全館空調の弱点として一番に挙げられるのが、『体感温度の差がある』です。
特に日本人に多いと言われますが、男女や個人での体感温度の差があります。
人によっては快適な温度でも、他人には暑すぎる寒すぎるなどの差のことです。
この差があるので、全室同じ温度にした際に問題になることが多いです。
一応各個室単位での調整が出来る機種もありますが、根本的な温度調整にはならないので、快適にしたいと思って導入した全館空調で、かえって不快になってしまうケースがあります。
この問題に対する私の考え方は『ベース温源』理論。
全館空調の温度はあくまでもベースの温度であり、それだけで快適な温度にはしないと言った方法です。
例えば夏なら室温を27℃くらい、冬なら21℃くらいに設定をすることで、当然外よりは快適ですが、物足りない人には、少し物足りないくらいの温度で家中を満たします。
そうしておくことで、あとは個人での調整をしていけばいいと言った方法です。
夏なら小さめの扇風機や、個室の小さなエアコンなどで調整し、冬なら小さな暖房器具や上着を一枚羽織るなどで調整することで、全体の温度はそのままにします。
すると、夏場で寒すぎるって温度ではないですし、冬場も暑すぎるって温度にはならないので、大きなストレスなく生活ができます。
また、基本設定を夏場は高め、冬場は低めにしておくことで、省エネにも繋がり、家計も楽になっていきます。
■全館空調の弱点 その2
次の弱点も大きな弱点で、このせいで折角導入したのに全く使わないって人も出てきます。
その問題とは『光熱費が爆上がり問題』です。
全館空調は家中の温度を管理するので、家中の温度変化の総量と対峙しなくてはいけません。
個別エアコンで言えば、例えばLDKならLDKだけの温度変化に対応すれば快適な温度を保てますが、全館空調だと家中の各部屋や玄関洗面などの温度変化にも1台の機械で対応していきます。
ですので、基本は大きめな空調を使用することが多く、また使用時間も長くなります。
結果、光熱費エアコンなら電気代ですが、その額が飛んでもない金額になってしまう家も多いです。
私の知っている情報では、全館空調の光熱費だけで月に5万円も掛かったなんてことも聞いたことがあります。
この問題の回避方法は、使わないこと・・・・
でもそれじゃ導入した意味がない・・・・
出来ることと言ったら、先ほど言ったような『ベース温源』として使うことくらいでしょうか・・・・?
この問題は導入してしまったら後戻りはできませんので、導入前にはしっかりと光熱費などの情報を聞いてから導入しましょう。
■全館空調の弱点 その3
次の弱点もよく聞く弱点。
それは『すぐには冷えないし、暖まらない』です。
全館空調は家全体の温度を管理するので、冷やすにも暖めるにも家全体となり、その結果涼しく暖かくするのに時間が掛かります。
効率が良い機械でも数時間、効率が悪い機械なら1日掛かるとも言われています。
特に今の住宅は断熱性能がとてもいいので、一度暑くなったり、寒くなると、中々に冷えないし暖まりません。
昔の家と違い、魔法瓶みたいな構造なので、家の空気だけではなく、家具や壁、その他家にあるものすべてを暖めるし、冷やすので、それらまで冷暖房しなくてはいけないからです。
仮に冬場で空気が暖まったとしても、座る床や家具が冷たいと、全然暖かく感じませんよね?夏場も同じです。
ですので、家に帰ったらすぐに涼しい、暖かいをしたい人には向いていないと言えます。
さて、この問題の解決方法ですが、結構簡単で『1日中つけっぱなしにすればいい』と言えます。
先ほどの例では、一般的な冷暖房器具のように、つけたり消したりをすることを前提として話していましたが、それを無視してずっと付けたらいいんです^^
そしたら光熱費凄いことになるんじゃ・・・・?
なんて思われるかもしれませんが、実は逆だったりします。
冷暖房、特にエアコンはつけ始めてから設定温度にするまでが一番エネルギーをつかいます。
そして、一定の温度になったらほとんど電気を使わない省エネ運転に切り替えます。
この時の電気使用量は機種にもよりますが、つけ始めに比べたら1/10程度の電気量です。
なので、この運転方法であれば、つけたり消したりする使い方のおおざっぱですが10倍の時間運転しても電気代は変わらないという結果になります。
こまめにつけたり消したりする人の使用時間が1日に3時間程度だとしたら、その10倍は30時間。
こういった発想から、24時間つけっぱなしにする方が、実際には電気代が少なくなったりもするんです。
なので、1日中つけておけば、1日中冷えているし、暖かいので、すぐに冷えないとか暖まらないとかの問題はあり得ないと言えます。
■まとめ
今回は全館空調の弱点として3つの弱点を上げてみました。
実際はもっと弱点があり、実は気軽に導入しては痛い目にあうというのが全館空調の本質です。
特に現在各社が色々な全館空調の導入を始めており、こういったデータや実績がない状態での販売を行っています。
全館空調と言えば聞こえがいいので、とりあえず言って売る。
そんな営業マンも少なくありません。
当社も導入している全館空調ですが、簡単に導入すればいいのではなく、あなたの性格や生活環境などによっては導入しない方が良いとまで言える商品です。
ですので、導入を希望されている方は、しっかりと話を聞き導入をしてみてください。
簡単に決めたら、一生の後悔となるかもしれません^^;
ちなみに当社の導入している物は、施工事例も数多くあり、多くの人に指示をされています。
実は私の個人宅にも使っていますが、色々と上手に使った結果、先々月の電気代はなんと151円でした^^
全館空調は5月ごろから24時間運転させていての結果です。
皆さんもそういった快適で、省エネ、小金額な家造りを目指してくださいね。
それでは、また!
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