■多くの方不幸になっているのが現状です。
皆さん家造りをする際に、どんな未来を想像していますか?
これはある方から聞いた話ですが、女性は結婚する際に、優しい旦那さんがいて、その隣にはお子様がニコニコしている。
そのお子様の腕にはかわいいペットがいて、綺麗で新しい家で皆楽しく過ごしている。
そんな未来を想像しているそうです。
そんな風に住宅を考える際にも、未来を想像していると思います。
そして、その未来はきっと明るくて、楽しくて、幸せで、満足した人生なのではないでしょうか?
でもその結果の多くはそうなっていないのが現状です。
というよりもむしろそれらとまったく逆の『不幸』を背負ってしまっている人、私の感覚ではむしろそちらの割合の方が多い気がしますが、そういった方がいらっしゃいます。
先ほど描いた良い未来のために、頑張って作った家。
それがどうしてそうなってしまうのか?
そして、それはどうすれば回避できるのか?
今回はそんな話をしていきたいと思います。
あ、今回も店長の長い話です。
■不幸の出現は誰にでもありえる
まず、先ほどいった不幸ですが、これは誰にでもあり得る話です。
最初は良い未来を描いている人がほとんどなので、そのまま家を建てられたら、絶対にそんなことがないのですが、多くの方がそのまま建てられていないと言うことになります。
この確率は個人的な感覚でデータがあるわけではないですが、半分以上の方はある程度の不幸を、そして2割程度の方は本当の不幸を手に入れてしまっています。
なので、これは自分には関係ないと思わずに、ぜひ皆さん聞いて下さい。
■不幸の原因は立場の差から
先に結論を言いますが、不幸が生まれる原因は立場の差から生まれます。
それは誰との差なのかと言うと、お客様と建てる側の立場の差です。
お客様一人で全部建てられたらそういったことにはならないのでしょうが、ほとんどの方は色々な会社に頼んでいきます。
この際に立場の差によって不幸が生まれていきます。
これは残念ですが、ほとんどの人が避けられません。
たまに当たり付きアイスの確率程度で上手くいく人もいますが、ほとんどの方ははずれを引きます。
■建てる側と買う側は意識が違う
この原因の主なところは意識の差です。
買う側はその家を買うというよりは、その家を買うことで得られる未来を買いたいと思っています。
なので、構造やデザイン、設備などこだわりはありますが、建てる側の限界の以上のものは求めませんし、求める場合は他の会社などで検討をしていきます。
それをまとめて自分が得たい幸せなどの未来を考えています。
しかし、建てる側は建てることに価値があり、それをするから企業として成り立っています。
また、家を商品として取り扱い、その商品を手に入れた際に得られる未来を商品にしている会社は多くはありません。
なぜならそういった目に見えないものは、商品力として弱く、デザインや性能などの目に見えやすいものの方がお客様を集めやすいからです。
この意識の差は本当に重要なのですが、いつの時代も埋まらない溝のように、もしくはそびえたつ壁のように存在しています。
この差が不幸を作っていきます。
■不幸の実例 その1 『お金の価値観』の差
そういった不幸の実例として、『お金の価値観』の差があげられます。
皆さんは100万円と聞くと、どう思いますか?
私はかなりの大金だと思いますし、多くの方もそう感じているのではないでしょうか?
しかし、建築をしていると100万円のことを『たったの100万円』言うこともまた思うこともあります。
住宅建築は数千万円の買い物なので、100万円だとある意味誤差程度になってしまうからです。
この感覚は造っている側の感覚で、実際に買う側からしてみたらとても嫌な金額でしょう。
ですが、造っている方は誤差程度と捉えているので、そこまで深刻に考えません。
これは今の会社ではなく、他社で勤めていた時の経験なのですが、
『自分で臨んだものなんだから100万円くらい払えよな』
そんな会話が日常的に話され、聞いている会社の人も『そうだよな』くらいの対応をしていました。
そういった感情の人が100万円の価値をお客様と共有できるわけもなく、やるなら払って払えないならやらない。
そんなことを平気で言うようになります。
正直まだそれならいい方で、もっと質が悪いのは、100万円を毎月2000円台と話す手法。
100万円は大金ですが、35年ローンで借りると毎月たったの2000円台の支払いになるんです。
こうすることで100万円と聞いて怖くなった素直な心を、ある意味ごまかして何とかなるか、なんて思わせることが出来ます。
これが一度成立すると、200万円でも4000円台、300万円でも6000円台となし崩しに金額が増額していき、行きつく人は毎月1万円程度、つまり500万円程度の金額UPはある意味誤差だと感じるようになってしまいます。
毎月にするとたったの金額ですが、総額は実際には変わっておらず、むしろローンの金利が付くので500万円も借りると金利が約50万円上乗せされて550万円も支払いが増えていることになります。
ちなみに500万円もあれば、色々なことが出来ます。
例えば、お子様の大学に行く費用。
国公立の大学の場合、4年間で約250万円程度掛かると言われており、下宿をするとその2~3倍程度掛かると言われます。
もし、自宅から通わせることが出来たら、500万円あればなんと2人分の学費が計上出来ます。
お子様達に無理な奨学金などを組ませることも無く、また家計に負担もなく大学に行かせることが出来る。
こんな大金を、家を造る側はあなたに『誤差』としてお伝えをしてしまっています。
■不幸の実例 その2 『ローンの認識の間違え』
次に多くの不幸を作る原因が『ローン認識の間違え』です。
私は住宅ローンアドバイザーとして多くの業務をさせて頂きましたので、一般的なお客様や営業職員に比べローンの知識や経験があります。
そのような方と話せればいいのですが、そういった方は正直あまりいません。
大体の方は、ローンの知識をかじった程度の住宅営業か、日々のノルマに追われ、少しでも金額の増額が欲しい銀行マンと話すしかありません。
この状態ではほとんどの場合、不幸が訪れます。
まず、知識のない営業マンはローンを借りれるか借りれないか程度の判断しかできません。
ローンは借りられたとしても、その人の年収や家族構成、また未来のお金の事情なども考えるとそこまで借りてはいけない金額と言うのが存在します。
しかし、知識のない人はその判断が出来ず、多くの場合本来は借りてはいけないレベルまでの借り入れを提案してしまいます。
その方に従ってローンを組めば言わずもがな・・・・
お金に困る未来が想像出来ますね^^;
だったらと、もっと詳しいそれこそ銀行のローン担当者に話をしようとしますが、それも間違いの元。
ローン担当者の多くが『ノルマ』というものを設定されており、毎月いくら、年間いくらとローンの契約を取ってこないといけません。
取ってこないと、給料が減ったり、希望しないエリアへの転勤を強制されたりするので、絶対に避けたい状況です。
そんな人に、『ローンを借りたいのですが・・・』、なんて人が来たら鴨がネギを背負ってきているようなもの。
その人の状況が本当に悪くない限りは、絶対に自分の元でローンを組ませたいと思います。
しかも、金額が上がればその分ノルマが楽になるので、金額UPについては止めることはあまりしません。
昔はローンを貸したのに、返せなくなると銀行が困ってしまうので、しっかりと返済できる範囲での貸し付けしかしませんでしたが、最近ではローンを借りる際に、お客様の費用で保証会社への契約を求めることが出来るようになりました。
その結果、ぶっちゃけその人がローンを払えなくなっても、保証会社から銀行に支払いがあるのでとりっぱぐれがなくなったのです。
だから、借りたいと言っている人が客観的に無理だと思っても、計算上借りられるなら貸してしまった方が良いといった判断をされます。
最悪なのは、そういった銀行マンと知識のない営業が合わさること。
銀行マンに上手く言いくるめられた営業マンは悪気も無く、ある意味無理なローンをお客様に提案していきます。
これは絶対に不幸になる未来しか見えません。
■不幸の実例 その3 『夫婦でのローンの借り入れ』
次もローン繋がりになりますが、夫婦2人でのローンの借り入れも不幸を生む行為です。
最近では共働きの方がおおくなり、夫婦ともにローンを借りることも出来るくらいの収入であることが当たり前になってきました。
そうなると、昔は旦那様の名義だけで家も土地もローンを組んでいましたが、奥様もローンを組むことが増えています。
そのメリットとしては、共有名義だと住宅ローン控除が増えることや、もし離婚をした場合も奥様も所有権を主張できることなどがあります。
こういったメリットの為に2人名義にするのならまだ良いのですが、問題になる組み方は・・・・
『旦那様の収入では足りないから、奥様の収入を足す』組み方です。
昔に比べ住宅価格は高騰していますが、それと共に年収が上がっているとは言えないのが実情。
なので、家を買おうとしても旦那様だけの収入では、ローンを組めない家族が増えてきたんです。
その際に、奥様が働いていれば奥様分の収入でローンを借りることが出来ます。
それでやっと念願のマイホームを手に入れた!!!
なんてある意味武勇伝みたいな話を聞きますが、私からしてみたら、愚の骨頂。
将来の不幸確定案件とまで言えます。
確かに女性の地位向上もあり、女性の収入は増え、また安定をしてきました。
だから、その収入を頼って何が悪いの?って言われますが、逆に本当にそれで成り立つのか聞いてみたいです。
例えば、大人の女性で結婚をしていれば多くの方が妊娠をし、出産、子育ての経験をされます。
その間の収入ってまともにもらえるんでしょうか?
産休や子育て期間にある程度の収入を保証している会社も多くあると聞きますが、そういった会社ばかりではないですよね?
出産から子育てが一段落着くまで、例えば幼稚園に行くまでとしたら短くても3年程度は奥様の収入がありません。
そんな環境でまともな暮らしが出来るのですか?
そもそも旦那様の収入だけではローンが組めなかったってことは、奥様の収入が無ければ、下手すればローンの返済も怪しい。
そんな状況なのに、家族が増えその分出費も増えた家計を支えられるのですか?
貯金があればいい。
そんな貯金が出来るほど余裕があったのなら、旦那様の収入だけでも十分ローンが借りれたはずです。
そういったことが無理だから奥様の収入があてにされたのです。
また、奥様だけではありません。
逆に旦那様がケガや病気で長期の離脱をした場合、今度は奥様の収入だけが頼りです。
これも先ほどの一緒の理由で、きっと経済的に成り立たないことが予想されます。
こんな簡単に想像できるような不幸を目の前にして、ローンを提案する方も悪いと思いますが・・・
当然、収入や貯金の額などでこういった問題を解決できるとして、2人で借りた人も多いと思いますので、2人で借りることを悪いとは言いませんが、無計画での借り入れだった場合は不幸しか生まないので、絶対におススメはしません。
■不幸の実例 その4『家を商品だと勘違いしてしまった場合』
最後のケースです。
最後はこれが一番多い不幸の実例だと思います。
それは『家を商品だと勘違いしてしまった場合』の話です。
何言ってるの?家は商品でしょう???
そう思われる方もいるかもしれませんが、家は商品ではありません。
食品のように日々消費するものではないし、おもちゃのようにコレクションするものでもありません。
自分の個性をアピールするアートでもないし、インスタで自慢する景色でもありません。
家というものは、そこに住む家族を守り、家族と共に成長をし、健康を守り、家財を守り、嬉しい楽しいを倍増し、辛い悲しいを半減する。
そんな家族の人生を楽しむためのアイテムであり、幸せを作るアイテムであり、それは決して商品ではないと言うことです。
当然『買う物』なので商品であります。
なので多くの方が、家を商品だと勘違いをしてしまうんです。
もし家が商品だったら、人に自慢できるような、自分の好きなものに囲まれているような、見栄えが良く自己承認欲を満たせるような・・・
そんなものを欲しくなりますよね。
でも、そういったことが本当に家族の未来の幸せを生むのでしょうか?
例えば、デザインにこだわって家の外壁を全部ぬりかべ仕上げにしたとします。
一般的にはぬりかべ仕上げは高い物であり、家一軒で数百万円の費用が掛かったりもします。
この数百万円は商品としては価値があり、そして家の価値を高めてくれるので、決して高いものではないかもしれません。
しかし、このぬりかべが家族の幸せを作るとは私は到底思えません。
確かに商品として手に入れた価値は感じるので、その時は嬉しいかもしれません。
しかし、その代償として得たのは、数百万円の借金であり、未来の負債です。
そのお金があったら、毎年家族で旅行がいけて、いい思い出がいっぱいの人生になったことでしょう。
お金がないからと渋っていた大好きな外食も、気兼ねなく行けたかもしれません。
そんな未来の幸せと今の欲求ってどちらが大切だと思いますか?
当然、ぬりかべが好きすぎてそれじゃなきゃ嫌だ!って人にまでやめろとは言いません。
でも、この天秤に一度かけて見るのはいかがでしょうか?
もしかしたら違う価値観で判断が出来るのかもしれません。
申し訳ありませんが、家を造る側は、家=商品であるので、間違った提案をしてしまうことが多々あります。
良い商品を売ることに誇りをもった人もいるくらいですので・・・
さて、このように家を『商品』として捉えるのか。
はたまた幸せづくりのアイテムと捉えるのか。
私は後者であって欲しいと思っていますが、皆さんの考えはいかがでしょうか?
■まとめ
今回の記事を書いた際に、思い起こしたのがこの業界に入って間もないころに、契約を頂いたお客様のことでした。
その当時の自分はまったくの畑違いでこの業界に入り、右も左も知らないまま仕事をしていました。
そんな知識のない私はまだ20代前半だった夫婦になんと5000万円ものローンをさせて、家を建てて頂きました。
貸す方も貸す方ですが、提案する方もする方です。
そして、そのお宅の完成から2年後。
定期点検に向かった際に、私は人生で今でも忘れられない衝撃を受けます。
それは、玄関の前にあった看板。
『For Sale』
そんな道路からも見える大きな看板を見たときです。
そのお客様とはその後もそれこそ今でも連絡がつきません。
風の噂で県外のどこかに行ったと聞いていますが、それも本当かどうか・・・
そのローンを担当した銀行マンに話をしたところ、夫婦がとった結論は『自己破産』
まだまだ先の明るい20代の夫婦にさせては絶対にいけないことです。
銀行は保証会社から入金を得たので、その先はまったくしらないとのことでした。
今振り返ると、当時の私はあの夫婦にあまりにも無理なローンを組ませ、まだ20代だった二人を不幸のどん底に突き落とした張本人です。
もう取返しのつかないことで、何度謝っても謝りきれないことですが、それでもまだ思い出すたびに、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
今回はそんな方を一人でも減らしたくて、この記事を書きました。
少しでも私の気持ちが伝わって、行動を変えれる人がいたら幸いです。
今回はここまで。
それでは、また!
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