■昨日1000円だったものが今日は1500円で売っている時代
今月に入って多くの住宅部材の値上がりがありました。
先月もあったし、今度は4月にも予定があります。
その値上げ幅は数%程度ではなく、10%~多いと30%の値上げがあります。
もし仮に2000万円の家が30%値上げしたら2600万円です。
1クラスどころか、2クラス3クラス上の家が買える値段になります。
これが、一昨年から毎月のように続いており、その終わりは一行に見えてきません・・・・
これまでは何とかしのいできた来た住宅会社も、もう限界はとっくに過ぎています。
でも値上げをしたら売れない・・・
だから社員や職人には安い給料で働いてもらう・・・
その影響で品質が下がり、住宅が売れなくなる。
また給料が下がる、また・・・・
そんな悪循環が始まっています。
■約束なんて出来ない時代になってしまいました
以前はご契約は絶対で、その絶対条件を変えるにはそれ相応の条件と相互理解が必要で基本変えられないし変えないものでありました。
しかし、こういった状況だとその絶対条件を変えてもらうことをお願いしなくてはいけない状況が多くあります。
実際に起こっている話だと、契約時から500万円以上仕入れ値が上がってしまい、そのまま家を建てると赤字になる。
なので、せめて半分でも頂けないかと言った話にお客様は「No」を突き付ける。
悪意をもって払わないのではなく、そんな予算出せるあてがないという状況だったから。
数万円の範囲ならなんとかなるかもしれませんが、住宅ローンの借り入れも限界があるし、現金をそこまで用意するのも難しい人も多い。
だから、その工務店はなんと本当に赤字で家を建てたと言った事例がありました。
住宅はどうしても販売までに時間が掛かる商品で、契約から1年以上掛かることも当たり前にあります。
その1年後の動向をしっかりと把握して、全てを受け止めた状況の金額で契約をすることが出来れば良いのですが、それは今は本当に至難の業です。
なので、ここ数年の住宅の契約には各社色々な書式がありますが、「同意書」なるものが昔の契約書と比べて増えています。
その「同意書」の内容は簡単に言うと、会社に非がない値上り分はお客様に請求させてもらうといった内容。
こんな内容の同意書があったら、私なら怖くて契約なんてできません・・・・
だって契約したら契約破棄に違約金とかが掛かるのに、そういったものはそのままで、さらには値上がりの分も払えと言う状況はあまりにも不利過ぎる。
契約事は双方が平等の元に行われるものですから、こういったある意味不平等な契約はしたくないです。
同意書の内容からすれば、契約金が変わることは約束事なのかもしれませんが、契約自体がそもそも約束事なので、それをくつがえされるのはもはや約束とは言えません・・・・
でもほとんどの会社がそうしないとやっていけない時代なんです・・・・
■でも実際にはもらえない・・・・
ここまでやっても実際にはお金は貰えないケースが多いです。
お客様の予算は決まっているし、そもそも住宅が値上がっているので、皆さん結構厳しい状況でローンを組んでいるから追加でローンを組むことがそもそも難しいからです。
なので、住宅会社各社の去年や一昨年の決済を見ると、利益の額が半分になっている会社、それだけならまだしもそれ以下になっている会社が多くあります。
そういったこともあり、今後住宅会社が一気に倒産なんてことも予想される時代になりました。
■待っても値上がりは止まりませんよ?
さらに問題なのが、この値上げですがいくら待っても下がることはほとんど期待できないということです。
こういった状況になると多くの方が考えるのが、状況が落ち着いてから家を建てたらいいよね?的な発想です。
確かにいつになるか分かりませんが、いつかは安定した状況になる日がくるでしょう。
しかし、それまでにいくら値上がりするのかなんて誰にも予想が出来ませんし、そもそも値が下がることは、ほぼほぼ無いと言えます。
理由は住宅の多くは、商品の多くを海外からの部品やそもそも海外製の商品を使っているので、海外の市場の動向に大きく左右されることにあります。
そういった中で海外の環境を見てみると、どこもかしこも値上がりをしています、これはコロナ前でも起こっていたことでした。
これを経済成長と言い、日本では失われた30年間はほとんど上がらない、むしろ下がっていたのですが、海外ではほとんどの国が成長をしています。
例えばコロナ前のイギリスは約年間2%程度経済が成長していました。
年間に2%それが30年毎年増えていきそれが市場価格と連動すると、30年前は1000円だったランチが30後には約1800円出さないと食べられなくなります。
これはランチの価値が高くなったわけではなく、昔は1000円だったランチの価値が、今の市場の価値に合わせると1800円の価値があると言うことになります。
でも日本ではほとんど経済成長をしていないので、30年前に1000円だったランチが30年後の今でも1000円で買えるんです。
なので、日本に住んでいると海外は値上げしたと勘違いしてしまいますが、物の価値はそれほど変わっておらず、市場の価値が変わっている、言い換えると同じ1000円でも年々価値が下がり続けており、30年後には1.8倍のお金を出さないと同じ商品を買えないってことになるんです。
これを価値が変わっていない国内だけの流通で住宅建築を行っていたら問題無いのですが、先ほど言ったように海外の製品を多く使っているんだから、絶対に値上げは続いていきます。
その幅はいまよりも少なくなるかもしれませんが、今の状況が落ち着いたからと言って下げてくることはあまりないと考えられるからです。
なので、状況が落ち着いたら値下げをするとか、価格が止まると言った考えは、ちょっと安直すぎるかなと思います。
■ちょっと話は変わって「貯金」の話
ここでちょっと話を変わって「貯金」の話をしたいと思います。
*預ける先によって、預金とも言いますがここでは貯金とさせて頂きます。
皆さんお金を手に入れたら「貯金」しますよね?
生活が困ったと言われ、政府が配ったコロナの支援金のほとんどが貯金に回ってあまり意味が無かったといったことが少し前にもあったように、日本人は貯金が好きな人種だと言われています。
さて、この行動ですがお金をしっかりと管理する為、無駄遣いしないため、将来の危機に備えてといった意味合いが強いと思います。
しかし、実際にはお金を預けることで無駄遣いになり、将来の危機を招くと言われたらどう思いますか?
これは嘘でも虚実でもなく真実の話です、貯金は無駄遣いかつ将来に不安をもたらします。
その理由は、先ほど言った理由になります。
そう、お金の価値は一般的には年々下がっていくんです。
これを100万円の貯金があったとして、1年で2%の物価上昇だとすると、去年の年始には100万の価値だったものは、今年になると102万円出さないと買えなくなります。
つまり100万円の価値が2万円分下がったと同じことが言えます。
さらに1年後には104万円出さないといけないし、10年後には119万円を出さないといけません。
つまり10年も貯金をしておくと、10年で19万円分も価値を失うことになります。
正確には微々たる金利がつくので、もう少し価値がありますが、ほぼ誤差範囲になります。
なので、貯金はお金の無駄遣いの一種だと言えます。
だって物価が上がったからって金融機関が100万円を102万円に10年後なら119万円にしてはくれませんよね?
それだけの金利があった時代なら話は別で、1970年代には4%以上金利があったので100万円を10年預けていれば複利の力で140万円にもなりました。
物価の上昇も今よりももっとあったので、めちゃくちゃ儲かったとまでは言えないにしても、お金の無駄遣いとは言えない状況。
なので貯金にも価値がありましたが今はほぼ価値がない物となりました。
だからと言って貯金を一切せずにお金を使い切れとは言いませんが、その時その時に価値があることや物を購入することが一番の賢いお金の使い方と言えそうです。
個人的には無理ない範囲での投資やNISAやIDeKoなどを使うのも大切なのかなと思っています。
今政府や日銀は年間2%程度の物価上昇を目標に動いています。
今は無理でもいつかは2%で推移していくと予想がされます。
■約束をしなくても良いと言う会社は無責任
さて話を戻して、契約のことと同意書の話です。
当社ではまともにはもらえないと分かっていますが、同意書の提出をお願いしています。
なぜなら、そこにしっかりとした責任があるからです。
金額が上がったからと言って、無条件に金額を上げるもしくは会社が損を被る。
そんな行為どちらとも、無責任であると言えます。
会社が損を被ればお客さんには痛みが無いように思えますが、お金の回収が出来ない会社は極論品質を下げざるを得なくなるし、最悪倒産なんてことも考えらます。
なので、しっかりと同意してもらい、もし金額で相違が出たらしっかりと話し合いをする。
そこまでするから、契約をして下さいと言えると思います。
当然、値が上がることまで予測して契約金を決めますので、基本はそういったことがないようにしますが、今の時代それが何か一つで簡単に崩れてしまう時代です。
同意書の存在を無くすことは難しいと言えますよね。
■まとめ
今回の記事も定番になってきた、お客様へのアンサー記事です。
同意書の有無のことを大変気にされていたので、記事にしてみました。
少しはご理解いただけたでしょうか?
確かにこういった文章がない会社さんもありますが、当社は頂くことをを前提に行いますので、ご理解を頂ければと思います。
今回は以上です。
またのご来場をおまちしております。