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豊かな暮らしへの情報

住宅の原価を知りたいです!・・・・知ってどうするの?  #店長流
住宅の原価を知りたいです!・・・・知ってどうするの?  #店長流

■ある方からの疑問です



時はさかのぼって数年前の年末のある日。

あるお客様とお話をしていた際に出てきた言葉です。


「この家の原価を教えて下さい」


その質問に私は答えませんでした。

企業の情報でもあるし、一番はそんなの聞いてどうするの?って思ったからです。

なので私はこう質問を返しました。


「住宅の原価を知ることでお客様になにかメリットがあるんですか?」


そういうと・・・


「だって原価が高いところで建てたいじゃないですか?」


と返ってきました。

私はなぜそう思うのかが気になり色々な話をしていきました。

今回はその話を記事にしてみたいと思います。



■原価が高い=良い物を使っている?


そういった話の中で、なぜ原価が高い方が良いのかをまとめていくと、こういったことが考えにあったようです。


「原価が高い=良い物を使っている」


だから原価をしって、原価が高いところで良い物を建てたいと思っているとのこと。



あっとその前に原価って何かってことをお話ししておきます。

原価とは物を売ったり、作ったりする際の材料費などのことを差します。

住宅だと分かりづらいと思うので、ラーメンで説明すると・・・・

ラーメン一杯の原価に相当するものは、麺にネギ、チャーシューにスープを作るための豚骨とかでしょうか。

それ以外にもあると思いますが、そんなものです。

その原価に、作る費用や光熱費、あと人件費などを足すと売値になります。

例えばラーメンだと一般的な原価が30%くらいと言われているので、例えば700円のラーメンなら200円位が原価です。

これに先ほど言った人件費などが大体50%くらいで、残った20%が利益みたいな計算をしていきます。

この数字は以前私が飲食店で勤めていた時の計算方法なので、今は異なっているかもしれませんが、大体こんなものではないでしょうか?

となると、700円のラーメンを売った際の原価は200円、お店の利益は140円くらいとなります。


さて話を戻すと、この原価が高いところはラーメンで言うと、麺やスープにお金を掛けているところと言った感覚で、もし同じ価格で販売をしているなら原価が高いところが良いと言った発想みたいです。

これって本当にそうなると思いますか???

このお客さんはそうだと信じて疑っていませんでした。



■原価は会社によって大きく変わる


人生で仕入れや経理、営業などに一度でも携わったことがある人なら分かると思いますが、原価って会社によって大きく変わります。

同じAと言う商品を仕入れるのに、S社は1個仕入れるので1000円、B社は一度に1000個頼むので1個当たり700円で仕入れるなんて当たり前な話です。

なので住宅で言えば大企業が大量に仕入れることが出来るので原価は安く、大工さんや工務店などは大量購入をしないので、原価は高くなります。

これだと工務店の方が良い商品を使っているということになってしまいますが、実際は同じ商品です。

なので、原価を見ることでその商品の品質なんて分かるようなことではないと言うことが分かります。



原価は低くても良い商品を使っているケースは多々ある


ちなみに大企業例えば大手ハウスメーカーが造った家って原価が相当低くあるのは想像がつきますか?

特に年間に1万棟とか建てている会社さんの原価は相当に低いです。

これは完全なスケールメリットで、大量に買うことが出来る会社は原価を落とすことが容易にできるからなんです。

でも、建物の品質って悪くはないですよね?

むしろ徹底管理の元、造られているから工務店よりも品質が高いことも多々あります。

と言うように、原価で住宅の品質などを語ることなんて絶対に出来ることではないんです。



■そもそもラーメンを原価で考えて食べていますか?


このようなことをお客さんに話した後、最後にこう聞きました。


「そもそもラーメンを原価で考えて食べていますか?」


お客さんの答えは、そんなことしたことない。まあ当たり前だと思います。

ではなぜ住宅はそう考えていたんでしょう?

その答えはある工務店さんとのやり取りでした。

ある工務店の社長さんがお客さんにこんなことを言ったようなんです。


「うちは利益をよそよりもかなり少なくしているからね。だから住宅に掛ける原価がとても高いんだよ。お客さんは同じ2000万円だったら原価を1000万円でやるうちと、原価を500万円しか使わないハウスメーカーだったらどっちが良いの?当然1000万円使う、うちだよね」


社長さんの口調は勝手に想像して書きましたが、そんなことを言われたので、住宅の原価が高いところが良いと思い込んでしまったみたいなんです。

もし2000万円で同じ物を買うとしたら、どこで買っても内容は同じです。

会社がいくらで仕入れようが、いくら利益を取ろうが2000万円は2000万円。

何も変わらないのです^^;

逆に私だったらその社長さんの言葉を聞いたら逆に考えてしまいます。

同じ2000万円だったら、仕入れを安くしてもらえるんだったら、その分他にお金を使ってくれるんだろう。

例えば、対応とか資料の精度とか分かりやすい展示場とかそういったものが用意されるんだろうなって。


事実大手ハウスメーカーは工務店などと比べ、展示場や資料館などは充実しており、コーディネーターや専属の設計士などが対応することなどで、工務店などと差別化を図っています。

それの良し悪しもあるので、それが良いとまでは言いませんが、原価を下げることで他のサービスを提供できる余裕が出来ているとも言えます。

そう考えると原価が高いのでなく、低い方が良い家を作ることが出来るとも言えます。



■お金は最終的にいくら払うのかで考えよう。


以上のことをお話して納得頂けたようで原価のことはどうでもいいとおっしゃってくれました。

その代わりに、「なら何を気にして家を建てればいいのか?」と聞かれたので、私はこう答えました。


「最終的にいくらお金を使うのかが最も重要です。土地代、家代、諸経費、外構工事、それにプラスしてローンの経費に火災保険、10年後20年後のメンテナンスに、40年以上の光熱費、その他税金に・・・・・」


と言っていたら遮られて、「そんなにも覚えないといけないの?」と言われたので、こんどはこう返します。


「今言ったのは一個も覚えなくていいですよ。だって私が全部提案と提示しますので、それを見て良いか悪いか考えてもらうだけです。でも真剣に考えて欲しいことだらけなのは確かです」


と言うと、しばらく黙ったあと一言。


「おたくで家造りをお願いするよ。絶対に損をしないようにまとめてくれよ」


と言って頂けたので、私は「もちろん」とだけ言い、お客様と握手としたのを覚えています。



■まとめ



最終的なまとめですが、お金の話で大事なのは、いくらで仕入れているとかいくら利益があるとかではなく、最終的にいくら使うのかってことをしっかりと理解することです。

それが何千万円と言う高額でそれを何十年と言う月日で買う人の常識です。

これが出来ないのなら、家なんて建てない方が良いと私はいつも言います。

毎月にすれば高々数万の買い物だからって気軽に考える方も多いですが、その先には何十年も付き合っていく家だし、ローンでもあります。

簡単に引っ越しも出来なくなるし、災害等遭っても逃げられません立ち向かうしか方法はないんです、また転職も給料が下がる場合は難しいでしょうし、そもそも家よりも遠過ぎる会社への転職は難しくなります。

それがアパートならもっと簡単です。

人生に合わせて引っ越しして、お金が無ければ安いところ、余裕があればいいところなんて自分のペースで生きていけます。

よく住宅営業が使うトークテクニックで「家賃はいくらはらっても自分の物にはなりませんが、ローンは払い終われば自分の物になります。だから家賃なんてもったいないですよ」

そんなトークがありますが、それは半分以上嘘です。

ローンを払い終わるころには家は傷んでおり、補修費や修繕費が掛かります。また資産価値も家に関してはほぼ0円でしょう、むしろ金食い虫とも言えるものになっています。

だったら、毎月使用料を払うだけのアパートの方がよっぽど良い。住宅の方がよっぽどもったいないです。


・・・・

・・・・


って住宅を売る人が言う言葉ではないかもしれませんが、これが本当のことですし、これが私の本心です。

じゃあなんで家を売っているのか?

もうこの仕事を始めて20年近くなりますが、この期間なぜ売り続けてきたのか?

アパートの方がもったいなくないと言っているのに・・・・



その答えは簡単で、住宅にはアパートでは絶対に手に入れられない物があるからです。

それは、決してお金では買えないでもとてもとても大事なもの。

それは・・・・


「家族の笑顔を幸せ、そしてそれを思い出せる思い出です」


こういったことはアパートでもありますが、住宅の場合はその何十倍も何百倍もあると思っています。

また、お子さんが巣立って行ったとき帰ってくる場所があることってどれだけ安心できるかって想像したことありますか?

実家に帰るこれってただ親元に帰るってだけではなく、自分が生まれ育った思い出の中に帰るってことでもあるんです。

それは本当に安心できるし、落ち着くことが出来る、自分だけのたった一つの場所なんです。

アパートだとそれが出来なくはないですが、引っ越ししたらそれは叶いませんし、自分達はずっと同じところにいたいと思っても、大家さんが出ていってって言われたら出ていかなくてはいけないんです。


自分達だけの場所や思い出が他人の力でなくなってしまう。

これって本当に悲しいことだと思います。

でも、それが自分の家だったらそんなことはありません。


まだまだ他にもありますが、こういった人生を楽しむために大事になるのが、「自分の家」だと思っています。

それにお金を掛けることはいくらでもするべきだし、自分もそれがしたくて家を建てました。

でもいくら使っても良いと言っても、破産をしないようにしないといけませんから、先ほど言ったように最終的なお金の話は重要ですが^^;


今回は以上です。

ちょうど今日話をしたお客様が似たようなことを言われましたので、思い出して記事にしてみました。

皆さんも良かったら、私の思ったような家造りをしてみてください。

きっとおじいちゃん、おばあちゃんになった時に心から楽しめる自分に出会えると思います。



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