一級建築士の仁藤です。
今回は太陽光パネルを設置する場合の構造的な注意事項をお伝えします。
太陽光パネル設置においては、屋根の固定荷重増加だけ考えればよいのではなく、
部分的に荷重がかかることでの重心の移動、それによる偏心率も考えなければいけません。
例えば東西に棟が流れる切妻屋根などでは、太陽光パネルが取付くのは南面で、
太陽光パネル設置により建物「重心」位置は南側に寄ります。それに比べ、
耐力壁の配置は北側が多くなる傾向があり、耐力壁の中心位置である「剛心」
位置は北側に寄っています。以上より、太陽光パネル設置により重心と剛心位置は離れ
「偏心率」が悪くなる可能性があるため、許容応力度計算においては、
屋根の固定荷重設定と配置で、偏荷重を想定した設計が必要となります。
しかし、多くは偏荷重設計の重要性を理解せず、単に屋根の固定荷重を
大きくすることで対応する場合が多いです。
ここで私が、考えている対策としては、切妻屋根にはしないということと
南向き片流れの緩勾配にすることです。そうすることで北側(棟側)から水下側に向かって
太陽光パネルを乗せることができます。北側の壁が多い箇所に荷重をかけることが
できます。
また、家の屋根が重くなるということは、頭が揺れやすくなるということでもあります。一般的な瓦屋根のほうが家は揺れやすいのと同じです。
昔の家づくりは、瓦で屋根を葺いた場合は、地震の揺れで瓦が先に落っこちることとしていたのです。野地板に瓦をあえて固定しなかったのです。
重い瓦が落ちることで、建物の頭が軽くなり家の損傷を少なくすることが大切だったのです。皆さんのご記憶にもあると思いますが、熊本の地震のときに
瓦が落ちた熊本城の映像がそれにあたります。
屋根が重たいと家の揺れが大きくなり結果的に家に損傷を与えます。それがご理解頂ければ、もうお判りとおもいますが
私が制振装置を標準で設置していることご理解頂けると思います。
太陽光発電をお客様にすすめるということは、同時に制振装置もご案内することで家の揺れを抑えることになるのです。
これからの家づくりにおいては、太陽光発電+制振装置(平屋は除く)は必須です。
ご縁を大切に唯一無二の家造り
お陰様でありがとうございます。