■個人的な意見となりますのでご了承下さい。
色々な書籍などで書かれていて、結構メジャーな考え方である、
『お金がないなら家を建てなさい!』
確かに理論は分かるのですが、私は間違えだと思っています。
今回はなぜそれが間違いなのか、簡単にお話ししたいと思います。
(今回はあるお客様へのアンサー記事になります)
■お金に勝るものはない!?
まず『お金が無いなら家を建てなさい』の根源には、お金に勝るものはないといった考え方があるように思えます。
例えば、こういったことを言う方の考え方は、お金が無い理由が家が無いことにあるからと言った考えがあります。
理由は様々で、検索をすれば本当にいっぱい見つかる理論なので、詳しくはそちらを読んで頂ければと思いますが、どの書籍も根本はここにあると思います。
確かに家を建てれば、アパート代も無くなるし、引っ越し代や色々なものが無くなります。
どうせ家賃を払うんだから、その費用で家を建てたら一緒じゃん?そんなことも言っています。
そういった考えは分かるのですが、主語が人ではなく、どうしてもお金に聞こえるのは私だけではないはずです。
私はお金に勝るものはいくらでもあると思っています。
確かにお金は本当に重要なもので、人生を左右するほどに大事なものだと思っています。
しかし、それが最上位ではないのではないでしょうか?
■家ってお金が浮くから建てるんだっけ?
そもそもの話ですが、家ってお金を浮かせるため、無駄なお金を使うために建てるんでしたっけ?
それって違いませんか?
お金は大事ですが、それを得るために生きているんでしたっけ?
違いますよね?
家を建てるのは、家族の幸せや安心、そういったものが欲しいから家を建てるんですよね?
だったら、そこに全力を注いで家造りは考えるべきではないでしょうか?
家を建てたらお金が浮く。
お金が無い人だったら、家を建てたらお金が安定する。
価値がある言葉に思えますが、真の意味での価値とはいえないのではないでしょうか?
■真の価値が無い家だったら、絶対に建ててはいけない
これは私の持論ですが、もし真の価値が無い家だったら、どれだけお金が有利に働いたとしても建てるべきではないと思っています。
真の価値とは先ほど言った、家族の幸せや安心、それにプラスして未来の家族の幸せや思い出なんかがそれに当たると思っています。
もし、それが得られないなら絶対に建ててはいけません。
住宅を売っている身分の私がこんなことを言うべきではないと思いますが、住宅は資産ではなく『負債』です。
買った時からどんどん値段が下がりますし、年数が経てば補修も必要だし、固定資産税だって払わなくてはいけません。
そんな物が『資産』であるわけがなく、明らかに『負債』なんです。
そんな負債に価値がないなんてなったら、本当に目が当てられません。
そんな家絶対に買うべきではありません。
■でも負債を買うことで得られるものには値段が付けられないんです。
そんな私がこんなことを言っているなら、さっさとやめて他の物を売ればいいじゃん?って言われたことも以前あります。
確かに正論で、そんなに文句があるならやめてしまうのが正解ですよね。
でも、私はこの仕事を20年弱続けています。
その理由は、『負債を買うことで得られる価値は、到底値段をつけることが出来ないくらい素晴らしいもの』だからです。
これまでしっかりと数えたことはありませんが、これまで1000を超える方々と色々なお話をさせて頂きました。
その中には、私の力不足で、不幸にさせてしまったこともありましたが、それ以上の多くの方々に多くの価値を届けられたと自負しております。
その価値はどれだけ優れた査定士の方でも、どれだけ優れたコンピューターでも割り出せないくらい素晴らしい価値があるものです。
それが私の想う『真の価値』であり、それを届ける仕事を心から尊敬しています。
■お金がないんだったら家を買わなければいい
こういった考えの元、家を売っている私の最終的な答えは・・・・
『お金がないんだったら家を買わなければいい』
です。
お金が無いのに家を建てて、ローンや税金、修繕費などでお金に困る未来が見えるなら、家なんて買わなければいいんです。
自分の背丈にあった、アパートやマンション、社宅にご実家暮らし、どこだっていいじゃないですか?
そこに暮らすことで、家族の笑顔があり、楽しい未来があり、嬉しい思い出がある。
そこに全力を注ぐべきで、家を買うことが人生のゴールではありませんよね?
ちょっとした昔話ですが、私のお客様でA様と言うお客様がいらっしゃいました。
まだまだお若い方でしたので、収入がそこまで多くなく、家を建てるのにギリギリな収入でした。
正直厳しいとお伝えしたのですが、家を手に入れることが自分の人生の目的だ的に言われたので、出来るだけこちらも頑張ることで負担を減らし、なんとか建築をさせて頂きました。
そして大満足での引き渡しが終わり、年月が少し経ち2年点検に伺った際の話です。
点検には旦那様がおらず、奥様とお子様が立ち会って頂けたのですが、奥様から開口一番に言われたことを今でも覚えています。
『奥柿さん。この家ってまだ新築として売れますか?』
そういわれた時には頭が真っ白になるくらいの衝撃だったと覚えています。
何か私が悪いことをしてしまったんだろうか?
暮らしづらい変な家を作ってしまったのだろうか?
とかとか色々考えましたが、その後に奥様に言われたことも一生忘れないと思います。
『奥柿さん。私達の人生には持ち家は贅沢すぎたんです。ローンや税金がきつすぎて、お金が全然貯まりません。
この子の学校のお金や将来に大学に行かせるお金は多分ありません。
外食だってこの2年で数えるほどしか行っていないし、毎日の献立もお金とにらめっこです。
趣味だった旅行も、この間近場で日帰り旅行の1回だけ。
旦那も少しでもお金を貯めるために、今日も本当は休みなんだけど、休日出勤をして少しでも給料を多くしようとしています。
普段も朝早くでて、夜も皆が寝た後に帰ってくる、それも残業代のためです。
だから、この子なんかもう3日以上も旦那の顔をみていないんです。
去年までは私も少しは働けたからまだ余裕はあったけれど、今おなかの中にもう一人いるのでそれも出来ません。
すごく嬉しいことのはずなのに、なのに不安で不安で心から喜べないんです。
だからこの地獄から抜け出したい。
もう家なんか要らないんです・・・・』
もう10年以上前の話なので、少し変わって覚えているかもしれませんが、このような話を奥様が涙ぐんで話してくれました。
当時4歳くらいだったお子さんが、『ママ大丈夫よ』って奥様の頭をいい子いい子していたのを覚えています。
その状況で私も泣いてしまい、ずっと謝っていた記憶があります。
本当に大変なことをしてしまった・・・・
そんな苦い経験です。
家を買う前は、旦那様も奥様も本当に活発で明るくて人生を謳歌しているような家族だったのに、こんなことになるんだったら家なんて建てなければもっともっと幸せな人生のはすだったんです。
■解決方法を見つけて何とかなりました。
そんなご家族は最終的には何とかなりました。
その方法は住宅ローンの期間延長。
銀行さんにこのことを何とかならないかと相談した結果、まだお若いのが幸いして本来は35年しか借りられない住宅ローンを、合計で45年まで引き伸ばしてくれることになり、しかも2年前に比べ住宅ローン金利も下がっていたために、毎月の支払いが3万円以上も少なくなることに成功しました。
返済期間は増えてしまいましたが、旦那様の職業が幸い年々給料が上がる職であったこと、奥様の元の職業も需要がとても高く頑張ればすごく稼げる仕事だったこともあり、まだまだ大安心とは言えませんでしたが、第二子を育てる活力にはなったみたいです。
その後、5年点検に伺った際はリビングのソファーにランドセルが置いてあり、奥様がそれを見て、『ほんと片づけないのよね~、これで本当に大学とかいけるのかしら。夢は学校の先生なんですって』って笑顔で言ってくれていたのを覚えています。
まだまだ不安はあると思いますが、幸せを少しでも取り戻してくれたのかなって感じました。
■これでもお金が無いなら家を建てますか?
私はこういった経験をしているので心の底からこう言えます。
『これでもお金が無いなら家を建てますか?』
そんな不幸な家族を一組でも減らしたいと思うことは間違えでしょうか?
住宅建築はお金が掛かりますし、それは一生かけて払っていきます。
確かに、家を建てることで浮くお金も多くありますが、そのお金が欲しいから家を建てることが正解でしょうか?
それよりも、もっともっと大事にしなくてはいけないことが沢山ありませんか?
自分の両親がそうしてくれたように、今度は自分が親になって守ってあげなくちゃ。
■でも家を建てるなら全力でお手伝いいたします!
さて、これだけ脅してみてもまだ家を建てたいと思えているのなら、ぜひ私と一緒につくっていきましょう!
私は先ほどのような経験も、そうじゃくて笑顔いっぱいの経験も沢山沢山持っています。
そしてあなたは幸いなことに、先ほどの夫婦よりも倍以上の年収があります。
大手ハウスメーカーのような豪華で高価な家は提案できないと思いますが、
家族が皆幸せで毎日が楽しくて、明るい未来を描ける。
そんな住宅のご提案はすることが出来ます。
大変なことだし、不安もあると思います。
でもそれをクリアーすれば、新しい家族の未来が待っています。
それをぜひ私と一緒に作っていきましょう!
そして5年後にちょうどランドセルを背負うお子様の中々片づけないことへの愚痴を聞かせてください^^
年末年始色々あると思いますが、来年には楽しい話を出来ることを楽しみに待っています。
*対象の方以外には何のことか分からない記事でした。
大変ご迷惑をお掛けいたしました。