今回も住宅ローンの話をさせて頂きます。
住宅ローンアドバイザーの店長です。
今回は前回に引き続き第2段。
前回を読んでいない方はまずはそちらをお読みください。
前回の記事はこちらから
住宅ローンでは『返済比率』が最も重要です。 住宅ローンの話 第1弾 #店長流
今回の内容は『つなぎっ融資』について。
前回の『返済比率』もそうですが、融資の際の専門用語になります。
ほとんどの人が知らない単語ですが、知らないと痛い目にあうのは前回の『返済比率』と同様です。
今回は『つなぎ融資』で痛い目を合わないための方法などをお話していきます。
■まずはその意味から
まずはつなぎ融資の意味からお話しします。
単刀直入に言うと、つなぎ融資とは住宅に限って話すと、住宅ローンが始まる前にするローンのことになります。
ローンの前のローン?なんのこっちゃ???
って思われるかもしれませんが、住宅建築には、これがとても大事になってきます。
■住宅建築では通例何回かにお金を分けて払う
ローンの前にローンが必要な理由として住宅、特に注文住宅における資金の払い方に理由があります。
住宅は契約してから完成までの日程や仕事も多く、またビルダーは工事が進めば完成前にも業者さんへの工事代金の支払いなどが発生します。
そんな理由で、一般的には建築のお金は数回に分けて支払いを求められます。
これは国も認めていて、その回数のガイドラインまで示しています。
通常は3~4回の支払いが多く、契約時、着工時、上棟時、お引き渡し時の4回のタイミングで請求させて頂いております。
支払い金のイメージは、契約金が100だとしたら、契約時に1、着工時に30、上棟時に30、お引き渡しに残りの残金のようにお支払いをお願いしています。
これは各社定めている金額は違うので、あくまでも目安になりますが、大体多くのところが同じような支払い方法になっています。
■ここで問題になるのが住宅ローンの支払開始時期
さて、ここまではご理解頂けたとして話を続けますが、これまでの流れの中で問題になるのが、住宅ローンの支払い開始時期です。
住宅ローンは通常、完成した建物に抵当権を設定することで開始されます。
抵当権とは、簡単に言うとローンの支払いが出来なくなったときに、お金を貸した金融機関がその家を担保にする権利のことで、もっと優しく言うと、家を募集する権利のことです。
ここで、問題なのが抵当権を付けられるのは、完成した住宅だけになること。
つまり、住宅の工事中には抵当権を付けられないのです。
そうなると、住宅ローンは始まりませんから、先ほど言った支払いは自分の貯金などで支払わなくてはいけません。
さっきは100とか30とかで表した住宅ローンですが、ある程度リアルなすうじにすると・・・
3000万円の家の場合
契約金 100万円
着工金 900万円
上棟金 900万円
お引き渡し時 1100万円
となり、中々な金額になってきます。
もしローンが始まるまでのお金は自分で払うとなると、1900万円のお金が必要となります。
これだけのお金がある人はそんなに多くなく、支払いが出来ない方が多くなり、そのままだと家を建つことが出来なくなります。
その問題を解決するのが、『つなぎ融資』なのです。
■つなぎ融資にはお金が掛かる
さて、前置きが長くなりましたがここからがつなぎ融資についての話になります。
まず、大前提で覚えておいて欲しいのが、つなぎ融資にはお金が掛かることを覚えておいてください。
住宅ローンで払えばいいじゃん?って思われていた方も多いと思いますが、先ほどの説明の通り住宅ローンはまだ開始が出来ません。
なので、住宅ローンとは全く別のつなぎ融資といったローンを組むことになります。
ローンなので、当然金利も掛かるし、印紙代、ローンの諸経費なども掛かります。
この費用が結構な金額になることを忘れないで頂きたいのです。
ちなみにローンは日割りで出来るので、大体60~90日ぐらいの期間になり、2000万円位のつなぎ融資の場合、金融機関にもよりますが、総額でおおよそ10~20万円の費用が掛かります。
住宅だとそこまで大金ではないように思えますが、10万円って一般的には大金って言われますよね?
そのくらいのお金が掛かると把握しておいてください。
■つなぎ融資が商品にない金融機関もある
次に問題になるのが、つなぎ融資を取り有り扱っていない金融機関があることです。
住宅ローンの借り入れが成立したとしても、それが支払われるのは住宅完成後。
なので、つなぎ融資を利用する方が多いですが、金融機関によっては取り扱いが無いところもあります。
それでは困ってしまいます!ってその金融機関に言っても駄目で、無い物はないと言われるだけですね^^;
金利が安いとか、自分のメインバンクだからと言った理由で住宅ローン先を選ばれることも多いと思いますが、その際の選択肢の一つとして、つなぎローンがあることも検討材料に入れておいてください。
もちろん、自分で完成までのお金を払える人は気にしなくてOKです。
あと、つなぎ融資が無い金融機関を利用する人向けのつなぎ融資を行う金融機関もあります。
困った時にはそういった金融機関に頼ってもいいのですが、また新しい会社と手続きをしなくてはいけない面倒さや、金利が若干高めであるなどの問題もありますのでご注意下さい。
■つなぎ融資の回数が決まっている
これも問題になるケースがあるのですが、各金融機関によってつなぎ融資の回数の上限が決まっています。
2回3回のケースが多いですが、1回までってところもあります。
つなぎ融資は土地の購入から使えるところが多く、その時からつなぎ融資を利用すると・・・・
1、土地の購入金
2、住宅の契約金
3、住宅の着工金
4、住宅の上棟金
となり、4回のつなぎ融資が必要になりますが、先ほど言ったように2~3回しか対応していない場合、どのタイミングで使おうか選択をしないといけませんが、選択したとしても残りの残金は1000万円以が必要となるケースも多くなります。
それだとやはりお金が足りなくなるので、回数はしっかりと調べておく必要があります。
それが分かっていれば回避策は色々あり、2回だった場合の支払いの例を挙げると、土地は購入を先にしてしまい土地分だけのローンは初めてしまう(土地に抵当権が付けられるため、土地だけのローンが出来る)
その後に、契約金をつなぎで払い、ビルダーに理由を説明し、着工金と上棟金を合わせて一回の支払いにしてもらい、そこに最後のつなぎを使う。
このように出来れば、2回のつなぎ融資でも問題がなく住宅の建築をすることが出来ます。
ただし、支払い条件などはビルダーとの相談も必要となることだけは忘れないでおいてください。
■住宅ローンの承認(合格)が絶対条件となる
最後の注意ポイントは、つなぎ融資の絶対条件は、住宅ローンの承認(合格)があることです。
これは仮審査では駄目で、本審査と言われる審査に合格をしていないといけないことになります。
よく、仮審査と本審査を勘違いしている人がいるので、あえて書きましたが、本審査での承認(合格)が無いとつなぎ融資を受けられないことを覚えておいてください。
さすがに住宅の担当者が確認をしてくれていると思いますが、必要な時期に支払いが出来ないことで、契約が出来ない、着工が出来ないなどの問題にならないように注意をして下さい。
■まとめ
今回は前回の返済比率に続いての記事となりました。
今回色々と書きましたが、借入までの作業や内容は金融機関の方や、担当さんが把握して進めてくれるので大きな問題になることはそんなにありません。
しかし、昨今は情報が簡単に手に入るために、自分で金融機関に申し込みや、やり取りを増える方も多くなり、そういった方々がトラブルになるイメージがあります。
そういった際にトラブルにならないように気を付けて欲しいと思います。
また、住宅ローンさえ通ってしまえば気軽に使えるローンなので、結構簡単に使ってしまう方も多いですが、高額な借り入れになるために、掛かる経費も高額です。
そういったことまで、理解をしたうえでのご利用をおススメします。
その他、住宅ローンで分からないことがありましたら、私のところまでご連絡下さい。
ページ右上のお問合せの欄からのご連絡をお願いいたします。
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